《人に別れを告げられた次の日の朝、ホテルで大人気優と寢ていた》運命的なお出掛けのい
なんでも運命運命って、若干カルトってるのよ
健太と禮子が晩酌をするようになって、早一週間。最初はなんだかんだすぐに終わるだろうと思っていた晩酌會も、無事に一週間を迎えることが出來て、健太はし慨深いものをじていた。
『続いてのニュースです』
そんなことを考えている今の日時は、日曜日の朝。自宅にて、健太はテレビに出ている飲み仲間の雄姿を拝んでいた。
最近、月九の出演が決まったと浮かれていた禮子だったが、昨晩はさすがにお酒は嗜む程度だった。だからか、先週浴びるように酒を飲んで男と一夜を共にした時と比べれば、心なしかテレビに映る禮子の顔のも良かった。
「今日の帰りは午後三時くらいか」
押しも押されぬ売れっ子優の禮子だったが、最近の世界勢の都合もあり、ステイホームの風が広がり、ロケが減り、以前と比べれば家にいる時間が増えたと語っていたことを健太は覚えていた。それでも、朝の報番組に出演するため、日曜日は深夜三時に家を出ると言うのだから、その苦労は窺い知れた。
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禮子程の有名人にもなると、移は全てマネージャーの運転する車で行われる。昨晩禮子は、今日の移のことを思ってし悲痛そうな顔をしていた。
『先週、日曜日の番組に遅刻してから……マネージャーが余計に怖くて』
酒に酔っていつもより口の軽い禮子かられた愚癡は、どういうわけか健太も謝罪したい気持ちに駆られるのだった。
テレビに映るお淑やかな禮子は、子アナウンサー顔負けの舌で丁寧にニュースを読み上げていた。
「本當、酒に酔った時とはまるで違う」
顎に手を當て、健太は呟いた。知り合いがテレビに出ていると、いつもは興味が薄くてもついつい視線が向かってしまう。そして、向かってみて一番気になったのは、先週まで知り合いでもなかった彼の、いつもとはまるで違うその姿だった。
ただ健太は、あまりの禮子の変貌ぶりがおかしいと思ったわけではない。人間、時と場合でんな顔を使い分けるものだということは、健太は重々承知していたのだ。だからこそ健太が思っていたのは、こうして彼の新たな一面を知れるのが、嬉しいということだった。
「……えりかにも、きっとこうして、キチンと向かい合うべきだったんだろうな」
健太は思わず、そう呟いていた。
無理やりながら、一人ののんな顔を知って、そうして思った人間の趣の深さ。それを知れたのが、えりか相手でなかったことが、健太は寂しかった。
しかしまもなく、健太は陥りかけた暗い気持ちから卻する。
折角の日曜日、暗い気持ちのまま一日を終えるのは勿ない。隣を歩いてくれていた彼はもういないが、せめて一人、楽しく外出を楽しもう。
手早く準備を終えて、健太は家を出た。
向かった先は、大磯だった。もうしばらくすると、海開きが始まり海にはたくさんの人が集う。そうなった時、大人數が集まる場所に出るべからずという風を気にして、健太は多分海には行かない。
ただ、そうなると今年一年海を見る機會はなくなってしまうから、それが嫌だった健太は海を今のに見ようと思ったのだ。
電車に揺られ、東海道線に乗り換えて、折角だからと健太はグリーン車で目的地へと向かった。
……敢えて大磯を選んだ理由は、相模灣は海好きのえりかに付き添い、ほとんど制覇していたからだった。殘された選択肢が、大磯くらいしかなかったのだ。地元の友達がいるかもだから、と、えりかは大磯を敬遠していた。
東海道線沿いでも自然が多い大磯駅に著いて、健太は電車を降りた。
駅舎を出て、坂を下ると、遠くに波立つ海が見えた。青と白の使いがしくて、健太は坂を下りながら、その絶景に目を奪われていた。
「ずっるーい!」
夜、そんな楽しかった一日を禮子に語ったら、禮子は頬を膨らませて抗議してきた。
「あたしも行きたかったですっ」
「……あなた、今日仕事だったでしょう?」
「そうですけど。そうですけどっ」
健太は、先ほどテレビで見た禮子と今の膨れた禮子を、またも重ね合わせていた。やはり、どっちも素敵で、どっちを見てても面白い。
「今度、一緒に行きましょうね」
「……え?」
それは、あまりに唐突ないだった。
「今度、あたしと一緒に海に行きましょうっ」
酔った禮子は、いつもの引っ込み思案な格ならば言わないことを、言ってのけた。
「あなた、海になんて行っていいんですか?」
「あたしが海にさえ行かないくらい暗って言いたいんですか?」
禮子は怒っていた。
違う、そうじゃない。
が、プリプリ怒る禮子を見ているのは、それを否定しなくてもいいか、と思うくらいに楽しかった。
「有名人のあなたが男と海に行って、スキャンダルにならないか心配しているだけです」
「あー、なるほどです」
さすがに事を話さないわけにもいかないと思って、健太は言った。
「……海、好きなんですか?」
健太は尋ねた。
「はい。海の水面に太が反している寫真が、あたしは好きです」
「俺もです」
健太は、
「俺も、好きです」
続けてそう言った。
不思議な気持ちだった。禮子と同じを持っていることが、健太は嬉しかったのだ。
しばらく優しく微笑んで、健太は酒に酔っている禮子がいつもと違いうるさくないことに気が付いた。
顔を上げると、禮子は驚いたように目を丸めていた。
しかし、しして禮子は微笑んだ。
「どうかしましたか?」
「あまりに穏やかに言うので、あたしに言ったのかと思っちゃいました」
「なっ」
照れる健太に、禮子は高笑いし始めた。
「アハハ。巖瀬さん、お酒飲んでる時より顔赤い―」
「……誰のせいだ」
文句を呟くが、笑う禮子にその聲は屆いていないようだった。
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