《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》12 歓迎會③

ああ……何となく見えてきた。

気付けば隣の個室の扉が開いており、複數の男客がこちらを見ていた。

他の3人がトイレで個室から出る時があったからずっと覗いていたのだろう。

「同僚ですが……何か?」

「かーー! いいよなぁ、あんな達と仕事できるなんて……。なぁ俺達と一緒に飲まないか? ちょうど3人いるんだよぉ」

「ご遠慮頂けると……彼達もんでませんので」

「聞いてもねーのに勝手に決めるなよ!」

このおじさん隨分と酔っている。こんなウザ絡みしてくるんだから相當だろう。だからこの判斷は間違っていないと思っている。

あの3人はなくともよく知らない男達と飲むようなタイプとは思えない。

「んだよぉ! どうせ男相手に接待とかやりまくってんだろ! 俺達が練習相手になってやるって言ってんだよ」

「は?」

なんて顔で仕事取ってくんのが役目だろ! 男にびを売りやがって」

「そーいう人もいるのかもしれませんが、俺の同僚を一緒にしないでくれます?」

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このおっさんの言い分にあまりに腹が立ってしまいし口調が荒くなってしまう。

「彼達は確かにしい容姿をしています。ですが彼達の仕事を決定づけるのは知識と努力……顧客に対しての真心です。彼達の何を知ってるんですか」

「な、なんだよ……怖い顔しやがって」

達は顧客と自社の間でwin-winの関係でいられるようにより良い選択肢を選ぶために毎日必死に勉強して頑張っている。

確かに容姿は才能だ。それも武となるだろう。だけど……武だけでは人の心はかせない。真摯な対応それが必要だ。

まだ一緒に仕事をして3日目だが彼達の働きぶりはすぐに分かった。

顧客とのテレビ會議の様子やメールの文面などのやりとりが俺にも舞い込んで來るようになったので、3人が今まで顧客に対してどのような対応をしていたか読み取れたんだ。

達は本當に真摯に対応し、顧客から信頼を得ていた。

俺は彼達の仕事ぶり 尊敬し學びたいと思っている。

「彼達の努力に対して勝手に決めつけて失禮なことを言わないで頂けますか」

「っ……。そんなつもりじゃ」

「こちらこそ失禮を……。弊社は事務用機も取り扱っているメーカーとなります。大応商事様も宜しければ! 私が依頼を承りますが」

目の前のおっさんは慌てて襟の社章を隠そうとした。

社章つけてウザ絡みなんてしてくるからそうなる………。この地域で大応はあそこしかない。

取引がわずかにある會社なのでこれ以上の追求は止めた方がいい。お互い恨があると面倒だからな。

俺は懐から名刺を取り出して渡して一禮をした。

おっさんから離れたものの……激して3人のいる個室にられても困るし、いったん戻るとしよう。

元々席を外すためのトイレだったから問題ない。俺は個室の方へ戻ることにする。

「隨分外が騒がしかったけど……何かあったの?」

帰ってきて早々、作所長に聲をかけられる。

「向こうで騒いでたみたいですよ。こちらには何もなかったですね」

「何も……なかったか」

作所長の含むような笑いにぎょっとしたが……何も言わずに席に座ることにする。

個室は防音仕様のため騒ぐ聲は分かっても容までは気付かれなかったはずだ。

あれ……そういえば扉ちゃんと閉めたよな? あれどうだったっけ。

「花むっちゃんらしいね」

「へぇ~そうなんだ」

「です、です。新人研修の時なんか……」

「ちょっと待って! 何か嫌な予するからやめてしいな!」

「失禮します~!」

店員さんの聲がしてがらっと個室の引き扉が開かれる。

グラスの回収に來たようだ。俺の酒も無くなってたし頼んでおくか。

「すみません、芋焼酎のお湯割りで」

ぎょっとしたそこにはさも平然な顔して頼んでいる九寶さんの姿があった。

さっきまで烏龍茶飲んでたけど……飲めるんだ。

俺の視線に気付いたのか九寶さんは頬を赤らめる。

「わ、わたしも飲みたくなったので……」

かわいい。

しだけ場の雰囲気が変わった気がする。

仁科さんも作所長も何だか表が和らいだじに見える。

◇◇◇

「楽しい歓迎會をありがとうございます。すみません、払って頂いて」

「歓迎會だから當たり前でしょ。明日からしっかり稼いでもらわないとね」

楽しい歓迎會もお開きとなり、お會計の場となる。

歓迎會なので歓迎をされる俺が払わないのは當たり前のことだが、3人に払わせてしまうのは何だか心的に申し訳ない。

でも所長の言う通り仕事でお返しするのが大事だろう。

「あ~、何だか気持ち良くなってきたぁ」

「仁科さん。騒いだらダメですよ」

作所長も仁科さんもお酒がって上機嫌となっている。

意外だったのは九寶さんだ。結構強い芋焼酎飲んでたけどまったく顔を赤くしていない。

酒に強いのだろう。

「じゃあ、駅まで歩きましょうか」

「あ、結構みんな飲んでましたので」

居酒屋の外の道路にはタクシーが2臺來ていた。

「呼んでおきました」

「花村くんが呼んだの⁉︎」

「結構飲んでましたし、このまま電車の乗るのはどうかなと思って。確か仁科さんと九寶さんは家が近いんだよね?」

「はい、そうですね。でもよく知ってましたね」

「社のネットワークドライブに急連絡先を書いておく必要があったじゃないか。その時に2人が同じ町だったから……って、その先は覚えてないから!」

やばい、男に住所を覚えられてると思われたら好度が下がってしまう⁉︎

だけど九寶さんは微笑んだままだった。

「ふふ、大丈夫ですよ。仁科さんも気なのでお言葉に甘えさせて頂きますね」

「ありがと~、花むっちゃん! 所長、おつかれさまで~す!」

「仁科も葵も……明日遅刻するんじゃないわよ!」

「はい! お疲れ様でした」

1臺のタクシーに仁科さんと九寶さんを乗せてそのまま走って行く。

「あの二人、お金大丈夫かしら」

「ああ、運転手に2000円渡しておいたんでさすがに足りるでしょ」

「え、花村くん……先に払ったの?」

「はい! じゃあ俺は電車で帰りますんで、お疲れ様でした」

「待ちなさい」

上機嫌で帰ろうと思ったらがっしりと所長に肩を摑まれる。

「何であなたは歩いて帰るの」

「だって、俺男ですから……襲われたりすることはまずないし……」

長170超えたリーマン男子に絡んでくるやつなんてまずいない。

変な所に寄らなければ問題ないだろう。

作所長が食い下がってくる理由が分からない。

このまま所長もタクシー乗ってはい終わりじゃ、ダメなんだろうか。

「あなた歩きでしょ。タクシー乗ればいいじゃない」

「いや~、さすが3臺呼ぶくらいなら歩いて帰ります」

「このタクシー乗って帰ればいいでしょ」

「でも俺と所長の家って結構離れませんか」

「3キロも離れてないわよ。いいから乗る!」

「は、はいい!」

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