《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》42 人雙子姉妹とデートの休日②

浜山市の集合商業施設の4階に映畫館がある。

浜山の大きい映畫館はここか北の方のどちらかしかないので子供の頃からよくここには通っていた。

見たい映畫がなければ名古屋の方に行くことも多かったが……。

ただ映畫を1人もしくは男以外と見たことは一度としてない。

つまり両手に華の狀態で行くのは非常に珍しい狀態なのだ。

「っていうかもう良くないですか!?」

「う~ん、もうちょっとですね」

「もうちょっとって何が!?」

「花村さん、ほどよい筋ですね。彼も……そこそこ良い付きだったのにあのァ」

「そこ、闇を出さないでください!」

歩きづらいんですよ!

くっそ、こんな所を知り合いに見られたら面倒くさい。

「せめてチケット売り場まではお願いしま~す」

「はぁ……それまでは男避けに徹しさせてもらいます」

「あ、花村さん気付いてたんですね」

葵さんが驚いたような顔をする。

でぇじょうぶ、そんな展開はラブコメで何度か書いている。

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2人に抱きつかれて分かったが、とにかくこの2人、視線をよく浴びる。

ウチの事務所の3人と同等レベルに視線を集めている。

1人ならともかく雙子の人姉妹だからな、目新しさ倍だろう。

俺の姿を見て舌打ちをする男グループも見られた。

羨ましいというよりは聲をかけようと思ったけど男連れだったため諦めたってことだろう。

3人も出かけるたびに聲かけられるって言ってたし、特有のお悩みと言ってもいいのかもしれない。

「今日はお姉ちゃんとのデートと映畫をすごく楽しみにしてたんです。花村さんには悪いと思ったのですが……」

「ははは、その分作や仁科に還元してくれるならいいですよ」

実際役得だし、さっきから鼻がびそうでたまらない。

チケット売り場にやってきた。

「あの……もういいですよね?」

禮に私達がチケットを買いますね」

「花村さんは姉と私、どっちにチケットを買ってしいですか?」

「花村さんは私を選んでくれますよね? 妹ではなく私を」

「え~、私を選んでください。お姉ちゃんじゃなく私を」

「その究極の選択はメンタルに來るので止めてください。自分で買いますから!」

ラブコメやってんじゃないんだよ……。ルート分岐するギャルゲーじゃないんだから。

俺が戸うのを見て本気で楽しんでいた。シアターで席に座るまで解放してくれなかった、つらい。

◇◇◇

シアターの3人座れる橫並び席を取ることができた。

真正面の良い位置だ。ここなら十分な迫力を楽しむことができるだろう。

腕をずっと摑まれていたから何だか痺れているような気がする。

まぁ……悪くはなかった。

この後は2人と1人になるだろうし、映畫が終わって暗い間に行方眩ませちゃおうかな……。

「よいしょ」

「っと」

「……」

「花村さん、葵の橫に座らないんですか?」

「花村さん、早くお姉ちゃんの橫に座らないんですか?」

俺は葵さんを見る。

「今日はお姉さんとデートなんじゃ」

「姉妹でデートなんかするわけないじゃないですか。何を言ってるんですか」

「理不盡! 何で俺が2人に挾まれないといけないんですか。姉妹同士でくっつくべきでしょ」

「私も姉も百合よりBLの方が好きなので」

そういう意味じゃない。

「ほら、橫から人が來たので座ってください」

茜さんに言われて、俺は仕方なく著席することにする。

左見ても右見ても同じ顔がいる。違いといえば部は姉が大きく、妹が控えめだけど……。

どうしてこうなった。手の置き場に悩む……。

シアターが暗くなり、ようやく落ち著いて來た。

そういや……カバンどこ置いたっけ。

しだけ手をかす。

「きゃっ! 花村さん、どこってるんですか」

「え!? どこかりましたか、ごめんなさい」

茜さんから言われて、慌てて距離を置く。

「やっ、もう! 花村さんったら大膽なんですから」

「俺じゃないですよ!」

「知ってます」「知ってます」

このどもおお!

ってやろうかと思ったが……こっちに何のメリットもない。悔しい。

「ふぅ……2人ともホラーは大丈夫なんですか?」

「ええ、葵と2人でよく見るので」

「昨日もお姉ちゃんとみて、一緒に寢たんですよ」

一緒に映畫を見て、一緒に寢る。

本當に仲良しなんだなぁ。

「俺はそんな強くないので……ちょっと羨ましいです」

ビビって醜態をさらさないようにしないとな。

そして番宣が始まり、話題作のホラー映畫が始まった。

事前報だと今回は結構怖いらしい。ま、じっくり楽しませてもらいますか……。

◇◇◇

うーん、うーん。

思ったよりホラーシーンが怖い。

普段の俺ならひくついてしまうが、別の意味でひくついている。

さっきから茜さんと葵さんが俺にしがみ付いてきて、けない。

小聲をかける。

「あの……2人とも苦しいです」

「い、今怖い所なのでちょっと許してください……」

「うぅ……」

茜さんが全力でしがみ付いてくる。外から見ても分かるほど大きなを押しつけられて恐怖じゃないでドキドキするんですが……。

あの葵さん、顔を寄せるのやめてください。チューできそうな距離に來られるとさすがの俺もどうにもなりません。

ぐいぐいを押しつけてくる茜さんに聲をかける。

「ホラーよく見るって言ってたじゃないですか」

「いつも怖がってます……」

「じゃあ昨日一緒に寢たって言うのは……」

「怖くて眠れないので葵と一緒に寢ました」

ホラー駄目じゃねぇか。

どうして見に來ちゃったのかな……。あぁ、怖くても姉妹同士で抱きあえば何とかなるってことか。

じゃあ俺を抱きしめるのやめてくれないかなぁ。

ガアアアアアアアアアアアアアアア

「ひっ!」

「きゃっ」

「ぐ、ぐるじい」

手の置き場も困る!

友人、人や家族だったら頭や背中に手を置くこともできるが、それだけの関係を築けてない今は腕ですらるわけにはいかない。

誰か助けてくれぇ……。

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