《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》44 人雙子姉妹とデートの休日④
またからかわれだしたぞ。
ここまで仲良くなったんだし、反抗をしてやろうか。
「あはは、でもちょっと最近気になる人ができたかもしれません」
「え、どなたですか?」
「先ほど葵さんにしがみつかまれて意識をしてしまいましたからね。さすがの俺もくらっと來ちゃいましたよ」
あはは、一本取られたぁなんて笑って返してくれる……ってあれ?
葵さんの頬が見る見る赤くなっていく。
「そ、そうですよね、今思えば何であんな恥ずかしいことを……」
「この子、就職するまで子校育ちだったので男への免疫ないんです」
「ええー。……何であんな大膽にくっついてきたんですか」
「花村さんは何というか……あまり絡んでこないタイプの男だったので……。仕事では割り切れるんですが」
あれかな、調子に乗ってからかってたけど思い返せば大膽なことしてたことに今更気付いて恥ずかしくなってしまうというイメージ。
解析した所で俺が複雑に思ってしまうのに変わらない。
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葵さんに仕事以外で聲かけてくるのはそこそこ慣れしてそうな男ばかりだろうし、俺がそのようなタイプでないことは誰でも分かる。
「茜さんは……慣れてそうですね」
「そうでもないですよ。ただ彼氏を盜られて數年、未だ怨があるからかもしれません」
重い!!
「でも今日、一緒に映畫を見てくれた方が花村さんで本當に良かったと思っています」
茜さんが丁寧な口調で答える。
「私も葵も……自惚れな発言になっちゃうんですが男をまず疑う所があるんですよね」
2人ほど綺麗な人に聲を掛ける時點で大半は邪な気持ち持っていることがほとんどだ。変な事件に巻き込まれることを考えたら疑ってかかるくらいがちょうどいい。
俺の側に同じくらい綺麗な3人のがいるから、きっと彼達と同じような苦しみを味わったことがあるのだろう。
「作さんや仁科さんが花村さんを信じておられる姿を見て、私達も接しやすくなったと思っています。知らない方ではないですからね」
「そ、そんな大層なことしてませんよ。仕事だってまだまだ」
「仕事じゃなくて人格だと思いますよ~。今日だって私達、かなり醜態をさらしちゃいましたけど……真摯な対応をしてくれて、花村さんが側にいてくれて仁科さん達がいいなぁって思っちゃいましたから」
葵さんがゆったりした笑顔で話してくれ。
何だか恥ずかしいというか照れるというか、むずい。
「私も同ですよ。花村さんのような男もいるんだなって思うようになりました」
茜さんも同意するように頷く。
「だねぇ。お姉ちゃんはいつまでも馴染ざまぁばっかで怖いもん。結局あの時の彼氏は結婚しちゃったんでしょ? 吹っ切ればいいのに」
「花村さんの前で余計なこと言わなくていいの!」
まぁ良い方向に進む手伝いが出來たのなら良かったと言えるだろう。
この2人だったら引く手數多だろうし……。すぐに見つけちゃうか。
「葵こそ……見つけなさいよ」
「ええ……慧可斷臂(えかだんぴ)を書き続けたいしまだいいよ」
「あんな地の文だらけのつまらないお話を誰が見るのかしら。いい加減新作書いて読者増やしなさい」
「ちょ、似たような話ばっかりのお姉ちゃんに言われたくないし! 彼氏に未練ありありの重いお話ばっかのくせに」
「なんですって!」
「あの……姉妹ゲンカは帰ってからにしてください」
「あっ……」
「ごめんなさい」
2人と目が合い、きゅんと顔を赤くして靜まってしまった。
しかしこの二人ほんと仲が良いんだなって思う。年齢は多分俺と同じくらいだろう。
俺が住んでいた所からし離れた地區で同い年の超絶に人な雙子姉妹がいるって聞いたことがある。
出會うことないと思って気にしなかったけど………目の前の2人のことなのかもしれないな。
同じ學校だったらまた違った出會いをしていたんだろうか。
「せっかく創作カフェに來たんです。普段読まないジャンルの小説を読んでみてはどうでしょう。そこのタブレットから音聲読み上げ機能とかも使えるみたいですし」
「そ、そうですね。葵、選んでみようか」
「うん、じゃあせっかくだし、仁科さんがオススメしてくれたお米炊子先生の本を聞いてみようよ!」
「え」
「ええ、作さんもオススメしてたし、私達の創作のやしになりそうね。……これなんて良いんじゃない」
茜さんは『世の中全てを無雙チャーレム!』という本をラノベ棚から持ってきた。
何でよりによってその作品!? もっとまともなのあっただろう。
「チャーレムってどういう意味かしら」
「まぁいいや、音聲読み上げ機能を使いましょ」
小説に書かれた番號をタブレット力して、電子書籍の無線通信で音聲が読み上げられる。
二人はヘッドホンを取り付けて聞き始めた。
こ、こら……チャーレムはチャームとハーレムを繋げた造語だ。
今では珍しいお米炊子書き下ろしの1冊完結のお話。
18に限りなく近いエロコメディで、編集に勧められて作り、そこそこ売れたが、俺が貞未経験でむなしくなってきたため続刊のNGを出した。
しかし運が悪いことに……。
その小説の始まりは……ヒロインである雙子姉妹と○行為である。
「―――っ⁉」
茜さんと葵さんの顔が真っ赤に染まっていく。
こうしてそれを書いた張本人が目の前にいるとは知らず、ヘンタイ! サイテイ! と達から侮蔑の言葉を投げかけられるのであった。
「でもお話は面白いわね」
「7chで癖の集合って書かれてたよ。あ、まとめサイトもある。読んでみよ」
「この作者、本當にの子に劣を抱いてるのね」
「この人……腋を舐めるの好きすぎじゃない? 何回あるんだろ……っって花村さんどうしたんですか?」
「実況するのやめて……ください」
ああ、帰りてぇ……。もうやだ。
人雙子姉妹とのわちゃわちゃデートは終わりを迎える。
次回このデートをけて……?
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