《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》79 淺川さんと一緒に④

まったくいてくれないハシビロコウだが、かわいいを連呼している茜さんを眺めつつ、花鳥園での楽しい時間はしずつ過ぎていく。

この後は純白のクジャクが全然羽広げないなーっと茜さんと15分くらい粘ったり、

ちょっとお高めの喫茶で軽食を取ったり、エミュー牧場に行ったらそのサイズに結構びっくりした。

今度ハイファンタジーの作品に出してみようかな……。

こうして俺と茜さんは花鳥園を十分に楽しみ、最後にバードショーを見ることにした。

バードショーの広場は人がいっぱいだった。

「やっぱりこれを見ていかないとですね~」

「今日はオウムのショーみたいですね」

1日に3回バードショーが行われ、屋外、屋で行う容が違う。

今回の15時の部はお喋りするオウムがメインのショーのようだ。

「異世界とか喋る鳥は當たり前のようにいますけど、現実だと知能や聲帯の問題で難しいらしいですね」

茜さんはオウムを眺めながらそんなことを話す。

俺も自作小説で喋る系は出しているのだが実際の用に喋ることはない。

「葵さんも自作で結構喋るキャラクター出してますよね。何キャラくらい出してるんですか?」

「え」

ちょっといじわるな質問をしてやった。

あのじだと多分茜さんは葵さんの小説を読んでいない。

「花村さん、今は……バードウオッチに集中しましょう」

ごまかしたな。

「あの……花村さん」

「はい」

「妹……私の小説を読んでくださってるんですよね」

「えっと……さすがに全部は読んでないですよ」

1100萬文字……今、1200に到達しようとしているあの小説を読み切るのは無理だ。

毎日5000文字増えていくんだぞ。異次元すぎる。

「花村さん、修行僧か何かですか?」

ひどい言い方だ。

本人だったら絶対言わない言葉だぞ。

「ちょっと読みづらい所はありますけど、……すごく頑張ってるのは伝わります。それ以上によく調べてるなって印象がありますね。最近作家はインスピレーションで書く人も多いと聞くので事前に資料をあさって、調べて、作品に反映させる。葵さんはすごく努力家なのかなって思いますね」

「……ありがとうございます」

茜さんは頬を綻ばせた。

ちょっとべた褒めしすぎたかもしれないけど、実際その通りだと思う。

ただ願うなら……もうちょっとだけ語を面白くしてしいな。

正直、読んでて眠くなる。

「だ、だったら」

茜さんが言い淀む。

「あ、姉の作品はどうですか?」

「え?」

「わ、忘れてください」

「すごく好きです」

「ふぇ?」

「俺、茜さんの作品、すごく好きです。本は過去の経験かもしれませんが……そこから昇華して多才なシチュエーションでを書けるのって才能だと思います」

「あ、ありがとうございます」

正直な所、俺は茜さんに嫉妬している。

俺は自分が書いてる作品と同ジャンルの作品は比較してしまう傾向があるので読まないことが多い。

でも茜さんの馴染ざまぁのお話はついつい読んでしまう。

俺に書けない話をあそこまでのクオリティで描(えが)く力……。俺は馴染は大好きだ。だから馴染が斷罪されるのはあまり好きじゃない。

なのにあれだけ読ませるのは彼の力によるものだ。

ミリオンセラー書籍化の俺が……持たない技を持っている。そんな茜さんは……。

「茜さんはしい」

「――っ!」

ふいに茜さんの方みると茜さんが両手を頬にあてて悶えるように震えていた。

……。

やばい!

「茜さんの作品がすごくしいってことです! ごめんなさい、セクハラっぽくてごめんなさい、ごめんなさい!」

「い、い、いいんです。姉のことですから!」

「ちょっとそこのカップル、うるさいからイチャつくなら向こうでして」

「すみません」「ごめんなさい、って!」

俺と茜さんと言葉が重なる。

「カップルじゃない!」「カップルではありません!」

思わぬ所でうるさくしてしまい、いろんな人に注目されてしまった俺と茜さんはバードショーから立ち去るしかなかった。

……喋るオウムをもっと楽しみたかったぜ。

俺と茜さんはし離れた広場へと行く。

いよいよこのデートも終わりが近づいてきます。

なぜ葵じゃなくて茜が來たのかもそろそろ語られるかもですね~。

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