仁科さんとまともな雑談ができないまま無駄に時間だけが過ぎていく。

そして土曜日、衝撃的なものを見る。

「じゃーーん、今日は葵の代わりに私が飛鷹のお世話をするわね」

「……」

葵にはマンションの合鍵を渡している。

土曜日は朝食をお願いするために俺が起きるよりも早く來て、準備を始めるのだ。

早い時には７時頃に來るからな。もちろん７時からお給料は出してるので超ホワイトである。

そんなことはどうでもいい。

見たことがないがえっちなメイド服を來て、俺のマンションに來ていた。

いや、見たことがないとは噓である。正確には２回目だ。

「何やってんですか」

「作凜音、１７歳です！」

ああ、今回はそういう路線か。

「前、飛鷹が言ってくれたじゃない。メイクを落としたら若く見えるって。今までは絶対に見せないと思ってたけどしでも若く見られるならそれもありかなって」

小柄で顔な所長はメイクで大人っぽさを演じている。

そのため素の顔は非常に若々しいのだ。子高生がえっちなメイド服を著ているように見える。

「それにしても際どい服よね。普段の服でもこんなに谷間を見せつけないわよ」

ごくり。

葵よりもスタイルの良い所長があのえっちなメイド服を著ることでの谷間をこれでもかってほど見せつける。

俺の視線に気付いたか、をかがめて中腰で俺を見つめる。

所長はくいっと谷間を支え、襟を下げた。

「ど～お？」

目が離せない！

もし高校時代に可くて、も大きい２つ上の馴染のお姉さんがいたら絶対に憧れの存在になっていたのは間違いない。

宮永さんもほんと惜しいことをしたよな。

「うぐううううう！」

その時、俺の寢室からうめき聲がした。

いやな予がして扉をあけると葵が縄で縛られて、猿ぐつわされていた。

何ということだろうか。

俺は葵の猿ぐつわを外す。

「旦那様！　この人、相當悪ですよ！」

うん、何となく分かってる。口には出さないけど……。

「失禮ねぇ」

「何でこんなことに……」

「今朝、わたしを丸め込んでここまで來たと思えば油斷して縛られました」

「だって葵が邪魔だったんだも～ん」

可らしく言うがやってることは結構とんでもないな。

「わたしがバカでした。旦那様にしでも禮をしたいからって殊勝なことを言うから……。旦那様、このはウソつきです！」

「君が言うかなぁ」

葵のウソも結構とんでもないと思うぞ。

仁科さんの対応が冷たくなったのは間違いなく葵のウソが主要因だ。

……ウソじゃないところも結構あるけど。それはいい。

「所長……ちょっと前まで距離を置いてたようなじだったのに……」

「距離を置いたって手にはらないんだから仕方ないでしょ。やるからには本気でいく。いつも言ってることじゃない」

所長は本気で俺を落とそうとしているのか。

葵といい、所長といい……ぐいぐい來る。

本來であればそれに応えるべきなんだろう。

しかし……俺の心の中には彼への想いが強く殘る。

いや、遊びが盛んだったり、隠さなければならない副業の件でなかなかオープンにはできないんだけどね。

葵の拘束を解いてあげた。

「ところで所長も家事は得意なんでしたっけ」

「仁科や葵ほどじゃないけどね。自分のことは自分でやるようにしてるわ。最近は……特によくやってたし」

ああ、宮永さんの件か。

名前を出したくないほど嫌な思い出なのか……単純に俺を気にしているのか……。

「だから飛鷹には私の家事力を見せつけたいのよ」

もしかしたら宮永さんの所に通っていた事実を消し去りたいのかもしれない。

「所長が今……俺の側にいてくれるなら何だっていいです。過去に何があろうと関係ないですから」

「あ、ありがと」

所長が頬を赤くして呟く。

ちょっと発言が際どかったと今更になって思う。こういう所なんだろうか。

「旦那様、もっとわたしにも構ってください」

「おっと」

後ろから葵が抱きついてくる。

最近所長がぐいぐい來るから葵の甘えとねだりが強くなってるようにじる。

年下で庇護を強くじる葵の姿は正直ぐっとくる。

所長も葵もどうしてこう……魅力的なんだ。

俺が３人いれば間違いなく全員とお付き合いするのに！

異世界にいけばこの２人を気兼ねなく手にれることだろう。

しかし、ここは現実。１人のしかすることはできない。

モラルや俺自のこだわりだ。その想いは目の前の二人ではなく、別の人の方へ向かっている。

「じゃ、飛鷹。朝にしましょ。今日は私がいっぱい奉仕してあげるからね。ＪＫがお世話にしてくれてるみたいに思っていいわよ」

「あ、ああ」

「旦那様、目の前のは子高校生じゃなくて子校生ですよ。１０年サバ読んでますからね」

でも２８歳が１７歳って言うのグッとこない？　俺だけかな。

「どんなに顔でも実際は２８歳の年増じゃ……にゃっ!?」

いつのまにか葵の後ろに回り込んでいた所長が……葵の脇腹をぐりぐりとみ始める。

甲高い聲と共に葵のはびくんと震える。

「言いたいこと言ってくれるじゃない、小娘ぇ」

「にゃはははは！　やめ、やめっ！」

葵の弱點はすでにバレてるので所長がそこを突かない手はない。

しかし今回は勝手が違った。

「ひゃはっ……くっ、このう！」

「ひゃっ！　こ、こら！」

葵がカウンターで所長のお腹まわりをみ始めた、そのまま腋の方へ手をらせる。

「わ、わたしの方が格は上なんです！　負けない……！」

「ひゃはは！　ちょ、やめっ！」

「所長も弱いじゃないですか、ひゃっ！」

所長もそういえば敏だったな。

防戦一方だと笑わせ続けられるため、所長はをくねらせつつ、葵に攻撃を加える。

２人は組み合い、相手の弱い所を責めて聲をあげさせる。

リビングの床でえっちなメイド服著た２人が組んずほぐれつくすぐり合う。

どっちも負けじと攻め立て、力を奪っていく。

この戦い……どうなってしまうのか！

それより素晴らしいもの……スタイルの良い２人が人目気にせず暴れ回るため……その見つめたくなるは揺れに揺れる。

ギリギリのスカートからお互いの下著がわになる。

所長が青で、葵がピンクか。

格で上回る葵か、テクニックで勝る所長か。

どっちも息を荒くさせなながらリビングの床の上で汗を流す。

「あ」

ムクムクと頭の中にシーンが浮かんでくる。

よし、新作のヒロインを１人増やして、年齢サバ読みのにしよう。

「じゃ……俺、部屋にるから」

「え」「え」

所長と葵のきが止まるが、俺の頭はすでに執筆したい脳に移り変わっていた。

ありがとう２人とも。達の組んずほぐれつはいいインスピーレーションになりました。

俺は執筆部屋にこもって、仕事を開始する。

「ちょ、飛鷹！　こら、開けなさい！」

「旦那様、わたし達を放置なんてひどいです！」

ドアをどんどんする音が鳴り響くがもう関係なかった。

それから６時間、俺は部屋から出ることはなかった。

そして２人にめっちゃ怒られた。

でも１０話連続投稿のおかげで読者からは喜ばれた。

次話は仁科さんの登場回。

現時點での2人の距離を描きます。