《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》150 君を絶対に手放さない⑨

「明けましておめでとうございます。本年もよろしくおねがします~」

「なんだ……あんたは」

作さん、仁科さん、花村さん、今年度も宜しくお願いします」

「取り込み中だ! 部外者は引っ込んでろ!」

「部外者ではありませんよ。初めましての方がおられますね。私はY社の淺川と申します。フォーレス様とお取引させて頂いておりますね」

吉名課長の顔が引き攣る。

まさか客の立場の人が急に現れると思ってなかったんだろう。

どっちにしろ社外の人に引っ込んでろなんて言うのは良くない。

「俺が來るのにアポなんて取ってんじゃねぇ。ボケが!」

いらだちを隠せずに所長と俺の方に向かって暴言を吐く。

葵さんがいるというのに……すごい言葉を吐くな。まぁ……葵さんは見た目だけなら俺と同い年だし、問題ないと思ったんだろう。

「お聲が大きいので外まで聞こえましたよ。システムの部署の方がおられるならちょうど良かったです」

「あ? あんた何を言ってる」

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「年末にあったフォーレス様のシステム障害で我が社が被った損害についてお話させて頂きたく思い、參上しましたぁ」

葵さんの言葉に吉名課長と有坂の表が変わる。

「ウチの所長が何度も連絡しているのでご存じと思いますが」

俺はし強調させて補足の言葉を投げる。

「beetシステムの停止でかなりお客様にご迷をおかけしております。特に淺川様が勤務されるY社様には大変ご迷をおかけしました」

「はい。期末だというのにフォーレス様だけ処理が遅れて、弊社もだいぶ困ったのですよ」

「チッ、そんなの営業の責任だろ。営業からちゃんと客に報告させろ」

「ふふ、何を言ってるんですかぁ?」

葵さんの聲にし重みが出る。

「システム障害なのですからシステムの管理であるあなた方の部署に報告を求めたいです。営業の方々はシステム障害の中、殘業して頂き対応をしてくださいました。そこに対しては我々も理解しています」

葵さんがさらに続ける。

「2週間もシステムを停止させるって我が社ではありえないですよ。いったいどんな管理をされているんですか?」

吉名課長が回答に困り、有坂さんを見る。

有坂さんは前に出た。

「急なトラブルで……我々も手を盡くしましたが……今後はこのようなことが無いように誠心誠意対応させて頂きます」

「誠心誠意対応するのは當たり前です。そんな當たり前のことじゃなくて、なぜトラブルが発生したのか、2週間何をしていたのか、復舊の見込みはあるのか、今後の防止対策……全て頂きたいですね」

吉名課長と有坂さんは言葉に詰まる。

この人達は何も分かっていない。

今回の件、フォーレスだけ終わる問題になるはずだった。

不(・)(・)合(・)だけだったらこんなことにはならなかった。

しかし嫌がらせ目的でbeetを停(・)止(・)させたせいで他の會社にまで大きな迷がかかっているのだ。

その中にはフォーレスの何倍も會社の大きいY社も影響をけている。

「花村さん、システムは回復したのでしょうか?」

「まだです。我々も復舊を今かと待っているのですが……」

「ほぅ、だったら課長とその設計者さんがこんな所で油を売っている場合ではないのでは? あなた方の失敗が弊社にどれだけの不利益を與えているか……理解されてますか? それも年始はすでに5日経過しています。つまり……3週間何も変わっていないってことです」

「お、おい! 客の対応は営業の仕事だろ! 俺達にさせるな!」

「分かりました。で、いつbeetは復舊するんですか。お客様に回答するのですぐに復舊させてください」

間髪いれずに言葉を返す。beetは今も止まっているんだ。俺達にはどうでもできないんだからこう返すしかないんだよ。

「……ちょっと待って」

有坂さんは攜帯を取りだし、どこかへ連絡をれる。

恐らく報シスアド課の事務所にだろう。聲が小さくて聞こえないが何度かのやりとりのうちに攜帯をしまった。

「じ、直に復舊すると思うから」

「直にっておかしくないですかぁ?」

その言葉に葵さんが突っ込む。

「現時點でなぜか浜山の事務所だけシステム障害があったんですよね。その時點でありえないんですけど……。それですぐに復舊ってもしかして意図的に障害を発生させてたんですか? 是非ともログを見せて頂きたいですね」

「うるせぇ! ごちゃごちゃと小娘が」

「課長、他社の方にそのような言葉は」

「てめぇらが無能なのが悪いんだろうが! さっさと帰らせろ」

また意地になってヒートアップしてしまったようだ。

こうなることも予想は出來たが葵さんにはきつい言葉を浴びせてしまい悪いことをしてしまった。

でも葵さん全然じてないな……。にっこりしたまま……いや、怒っているのか?

これ以上時間を引き延ばしても良い結果にはならないな。

ここで決著を付けたかったがやむを得ない。

俺はもう一回手を挙げた。

次の矢を放つまでだ。

それと同時に扉が開く、そこには葵さんに良く似た栗のセミロングの髪をしたと壯年の威厳のある顔立ちをした男が現れた。

「明けましておめでとうございます。初めましての方もおられますね。私はS社の技統括本部の淺川です。私の隣にいるのが」

「おはようございます。技統括本部長の岸山です」

そう……次は岸山さんと茜さんだ。

「Y社様のシステム障害の件を含めて……是非ともお話をさせて頂きたいと思います」

さっきまでは若いだったから威勢よくいけたかもしれないが、大きな會社の本部長を相手に切り返せるかな。

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