《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》161 俺達のこれから
長い夢を見ていた。
夢って覚があるのはなかなか珍しいんじゃないかなって思う。
その世界では男の理想というものが細かに再現されていて、ずっといることができるなら一生その世界に留まり続けたいと思ってしまうようだ。
ちょっと名殘惜しいと思いつつ、目が開けるとと最高に可い彼が楽しそうな顔で俺を見ていた。
「ひーくん、おはよう」
「ああ、おはよう一葉」
俺よりも先に一葉の方が目を覚ましていたようだ。
同じ會社の同期、みんなの憧れのマドンナ、そして俺の人である仁科一葉は今日も可い。
一緒の家に住んでいて、一緒の部屋で過ごし、一緒のベッドで眠る。
これ以上に幸せなことがあるはずがない。
一葉の両肩に手を寄せて引き寄せる。
「一葉、ちゅーしていい?」
「もうひーくんはあたしのこと好きだなぁ」
好きすぎてやばい。
際を始めてそれなりの時が経つけど、しい気持ちは覚めないもの。
ぷにぷにのほっぺに頬ずりしてチュっとキスをした。
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「すっごく楽しそうな夢を見てたよね。顔に出てたよ」
「ほんとに? 出るもんなんだな」
「ひーくんの顔を見てたらあたしも楽しくなってきちゃった」
一葉の飴の髪をでながら、しだけむっちりとした背中を抱く。
今俺と一葉は服を著ていない。
昨晩を何をしていたか語るまでもないだろう。
人してるからね。何も問題はなし。
「どんな夢を見てたの」
「えっとね。みんなが出る夢を見てた。一葉がいて、葵がいて、姉さんがいて、あと茜さんかな」
「え?」
「ありえないんだけどさ。一葉が浮気していいよなんていうからさ、四六時中……がぅ!」
一葉に急に頭を摑まれる。
爪を立てられて、痛みと恐怖がこみあげる。
「一つだけ言っておくねひーくん」
「はい」
「浮気推奨なんてありえないから。ひーくん、それは夢だよ」
「はい、一葉さんの言うとおりです」
「浮気はダメ! ひーくんにあたしがいます! それでOK!」
「はい、そのとおりでございます」
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俺は多分、一葉に一生頭が上がらないんだろうなと思います。
◇◇◇
「みんなごはん出來ましたよ~」
「いただきます」
朝は現狀、葵の作った朝ご飯を食べる。
現在葵は姉さんの住む803號室に住んでおり、家事代行のお仕事をやってくれている。
平日の朝はやはり慌ただしいので俺だけのお世話の時は著ていたエロメイド服を著ず、ラフな私服にエプロンを付けて調理をしていた。
殘念、無念。
「また腕を上げてる……」
一葉が葵の作った味噌を飲んでそんなことを呟く。
「ふふ、奧様……なんだったら夜もわたしが作りますよ」
「むっ、趣味が料理のあたしに挑むとは良い度だね。そこは譲らないから」
葵と一葉で壯絶な料理バトルが繰り広げられている。
こちらとしては味しいご飯が食べられるのはありがたいのだが、どっちの方が味しかったって想を求めてくるのがつらい。
何となくポイント稼ぎに使われている気がしなくもない。
「姉さんは作らないの?」
対面でパクパクと食べている姉さんに聲をかける。
「作れなくはないけど、料理上手な葵と一葉に挑んでも分が悪いだけだしね~。それにしても」
姉さんが俺の顔を見る。
「飛鷹、あなた太ったんじゃないの? 浜山來るまではしゅっとしてたのに」
「ぐふっ!」
その通りだ。副業が忙しいのとメシ上手なの子があれやこれやと食わせようとしてくるせいで俺の重は上昇気味だ。
何とか元に戻したいんだが。
「だったら私と走る? 毎朝だけど」
「姉さんって朝走るよね。夜はあんまり出歩かないじ?」
「不審者のエンカウント率が半端ないからね」
ああ……。超絶で背が低い姉さんだ。狙われる率も高いということか。
朝だったらまだ明るい分マシだもんな。
「じゃあ……お願いしようっかな」
「いいわよ。2人きりでイチャイチャ走りましょうか」
「ちょっとひーくん! あたしに隠れてはダメだよ」
「所長、しれっと旦那様を奪おうとしないでください」
「え~、隙を見せる方が悪いのね。ね~、飛鷹」
「あはは……」
そんなわけで同じ會社の同じ事務所で同じマンションに住んでいる俺達4人は朝から楽しく騒いでいたりする。
「そろそろ出ましょう」
「ちょっと待ってお化粧が!」
「荷、荷」
全員同じ所へ出勤するのでこんな朝の慌ただしさも見慣れてしまった。
姉さんと一葉はわりとギリギリまでバタバタしているイメージ。正直意外だなって思う。
男の俺は手早くやれるのでありがたい。は大変だ。
「もう旦那様ったらネクタイが曲がっていますよ」
一足先に準備を終えた葵がくいっとネクタイを直してくれる。
家事をやってるのに一足先に準備を終えるのが葵。要領がいいんだろう。
「ふふっ、まるでわたしが奧さんみたいですね」
「くっ、葵ちゃん、またポイント稼ぎしてぇ!」
一葉が悔やみ事を言う。
「ほらっ仁科。そんな髪でS社に行く気!? ちゃんとしなさい!」
「ふわぃ!」
俺の彼も頑張ってる。時間にはまだ余裕があるし、ゆっくりと待つとしよう。
準備が終わった後は車に乗り込む。
今まではみんな電車通勤だったけど、4人同じマンションに住むなら必要ないわけで。
俺の車にが3人。これ以上の裝は存在しないのではないだろうか。
是非とも世間様に見せびらかせたいほどだ。
とまぁそんなことができるはずもないのでわいわい話をしながらの車通勤となる。
正直、駅前の契約駐車場は高いから敬遠してたんだけど、でぇじょうぶ今年の収は億を超える。
定時になれば始業開始。ここからみんな仕事モードで一切油斷のない有能営業の浜山セールスオフィスだ。
◇◇◇
「今日の結果を報告してちょうだい」
作所長に対して俺達3人の所員が近づく。
「じゃ、まずあたしから。今日はS社の方で打ち合わせが2件。修理でテスモの返送が1件あります。淺川さんから測定したいサンプルの種類を増やしたいって提案がありまして」
「分かったわ。淺川さんからメールは來てるでしょうし、まとめて設計に仕様書として送りなさい」
「あと岸山さんから不合調査の見解書はまだ出來ないかって問い合わせが來てます」
「あれ、やっかいな案件なのよねぇ。分かった。明日私も同行するから軽くジャブをれるわ。門申請を渡しておいて」
「はい、分かりました」
今や、浜山のエースとなった一葉は順調に果を上げている。
所長がやってきたS社の対応を完璧に引き継いだもんなぁ。やっぱり一葉はあーいう顔をして仕事してるのが一番素敵だ。
「じゃあ次、飛鷹」
「あ、はい。自分はY社の打ち合わせを3件。メンテナンスプランを打診してきました」
「は?」
「悪くないですね。ただ一部、予算をもうしかけてもいいから、法規に準じた仕様に変更できないかって淺川さんからも言われました」
「あ~、あの部署だもんね。分かった、そこはちょっと見直そうか」
「明後日にもう一度提案しに行こうと思ってます」
「そう、じゃあ私も同行するわ。Y社の社基準とかも確認しておきたいし」
さすが姉さん……じゃなく所長はきが早い。
勤よりも外に出たいって気持ちが強いのかもしれないけど、やっぱ一緒に來てくれると安心できるよな。
尊敬できるかつ絶対的な人が上にいるとマジで心強い。
「最後は葵ね」
「はい、J社の方に伺いました。水口さんの後任の方が決まりまして、わたしと同じ2年目の擔當者になりそうです」
「あら、良かったじゃない。雰囲気はどう?」
「おっとりした方ですね。淺川葵さんっぽい雰囲気の綺麗な方でした。旦那……じゃなくて花村さんがいかなくて良かったなって思います」
「そうね。また落としてきそうだもんね」
「ちょっと! 仕事から反れてません!?」
「ふふっ、水口さんからもう一臺、納したいって話があって仕様書作りますので確認をお願いします」
「ええ、葵もやるようになってきたわね。來年は新人も要求してるし、忙しくなるわよ」
「はい! 最近とても楽しいです。営業の仕事に、旦那様のお世話!」
「そこを同列にするなよ……」
最近葵は滅法強くなってる気がする。
うっかりしてると抜かれてしまうかもしれないな。
さて……有能で尊敬できる3人の達とずっとやっていきたいなって本當に思う。
副業がやばいほど忙しいけど、これがあるからこの仕事を辭められないんだよな。
いつまでもこのまま仕事していきたい。
定時を知らせるチャイムが鳴る。
「あ」
所長と葵のきが止まり。
「ねぇ飛鷹。疲れちゃったぁ。ででしてぇ」
「旦那様。最近一萬円がなくてわたしのが疼いちゃいます。いたずらしてぇ」
あっという間に姉さんと葵に両腕を摑まれてしまうのである。
「こらーっ! もう二人とも!」
そう言って一葉が背中から抱きついてくる。
あ、やばい背中にらかいものがががが。
「ひーくんはあたしのものなの。ひーくん、寂しいよぉ」
きゃわわ。
仕事は楽しいけど、結局、仕事後のイチャイチャが活力になるんだよな。
いつまでも……こんな生活を続けたい。
一緒に通勤して一緒に退勤する。
仲良しグループってわけですね! 良きこと。
明日ももう1話更新しますよ~~~!
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