《モテないキャ平社員の俺はミリオンセラー書籍化作家であることを隠したい! ~転勤先の事務所の3人がWEB作家で俺の大ファンらしく、俺に抱かれてもいいらしい、マジムリヤバイ!〜》162 葵さんが來た!(葵視點)

「相変わらず大きいマンションよね」

私の名前は淺川葵。

WEB発で絶大な人気を誇る作家の【お米炊子】先生こと花村さんに呼び出されて、彼の住むマンションの前に來ていた。

呼び出されたといってもものではない。

そもそも彼のまわりには見た目麗しいが複數いて、私の姉もその一人になってしまっている。

今回は花村さんのビジネスに1枚噛ませてもらうためにやってきたのだ。

「もしもし淺川です。おはようございます~」

「は~い、ってください!」

1階のエントランスで彼の住む802號室を呼び出す。

花村さんの人であり私の友人でもある仁科一葉さんが応対してくれた。

エレベーターで8階まで上がり、部屋のチャイムをならした。

「葵さん、ようこそ!」

「こんにちは。仁科さん、とってもキュートなエプロンですねぇ」

どうやら仁科さんは料理中だったようでエプロンを付けていた。

12月の騒ぎでは大変な目に遭われていたけど、こうやって笑顔でいてくれることは友人としても嬉しい。

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仁科さんとはずっと仲良くいたい。

「何か作ってたんですか?」

「ええ、今ケーキを焼いていまして……。今、みんな執筆活に勤しんでいるので休憩の時に振る舞おうと思うんです」

「みんな……。って仁科さんも書かなきゃダメですよ。最近投稿してないの分かってるんですから」

「うっ」

仁科さんは目を反らす。

「今はひーくんのフォローにまわる方がいいかなって……」

「それが仁科さんのやりたいことであるなら私は何も言いませんよ~。寂しいですけどね」

花村さんの作家活が凄く忙しいのでもっぱら仁科さんはその手伝いをしている。

設定をまとめたり、資料を集めたりと……楽しそうにしているからいいんだけど。

「じゃあ、ひーくんの所へ連れていきますね」

「お願いします」

仁科さんに連れられ、作業場となっている801號室へとる。

そこにはまるで漫畫でよく見る修羅場を抱えた作家部屋のようになっていた。

「あああ……最近ネタが思い浮かばない! ラブコメの神様!」

この前、堂々とした態度で弊社にやってきた作さんが頭を抱えてラブコメとんでいた。

私、結構この人に憧れてるんだけどなぁ……。

「カチカチカチカチ」

凄いスピードでスマホをフリック力をするのが九寶さん。

黒髪が綺麗で、はっとするほどかわいい顔してるのに真剣そのものだ。

集中している。

「もっと……もっと強いざまぁを書きたい!」

そんな恐ろしいことを言ってるのが我が姉である。

「お姉ちゃん何してんの?」

「あれ、葵。どうしてここに!」

「お仕事で來たの。朝からいないと思ってたら……こんな所で」

「だって……」

執筆活するだけなら別に自室でもできる。

そうせずにこっちに來るってことは……。

「あ、葵さんこんにちは。ようこそ!」

この達に囲まれながらも爽やかな笑顔を絶やさない、花村さんがいるからだよね。

花村さんがタブレットを持ち、近づいてくる。

「忙しい所來てもらってすみません。本來は俺が行くべき所を」

「いえいえ、私の家に來てもらうわけにはいかないですし……洩も考えると花村さんの家が一番でしょう」

「あはは、だったら葵さんと2人きりの方が良かったかもしれませんね」

どきっとが鳴る。

違う、私は花村さんのことを好きになってはいない。

あくまで花村さんは友人でビジネスパートナー。そこにはない。

この前け止めてくれるって言ってたけどそう簡単に落ちたりはしないんだから。

「仕事部屋も手狹になってきましたね」

「ええ……またいろいろ増えまして」

売れっ子作家さんは凄い。

本にグッズに溢れてしまっている。

「もういっそ家でも買おうかなって思ってる次第です」

「それは他の4人と一緒に住むためにですか?」

「そ、それは……ちょっと迷いますけど」

「4人囲うならそれなりの家が必要になりそうですね……億とか超えそう」

「あ、俺多分來年も収が億超えると思うんで大丈夫です」

すっご!

アニメ化も決まったって言ってたし、相當に稼いでるんでしょうね。

もうフォーレスさんで働く必要ない気もするけど……それを私が言うと繋がりが薄れちゃうかもなので言わない。

場所は花村さんの執筆部屋へと移する。

元々事前にメールでやりとりはしていたのでお互いにやることは決まっている。

今回の役割としては花村さんがお話の幹を考えて、私が執筆するという共同著書を目的としている。

花村さんがそのまま書くのが一番だけど、當然人間のキャパシティには限界があるので筆が速いと言われる私がけることになった。

本當は一作魂でずっと自作を続けたかったけど……何事もチャンスだと思うし、企畫が通れば私が書いた作品が世に出るかもしれないって思うとちょっと違うが出てくる。

あと問題は私の執筆スタイルと花村さんのスタイルがまったく異なるのでどこまで折り合いをつけるかだ。

このあたり赤の他人だと大変だけど……見知った人同士なら折り合いをつけやすい。

さっそく花村さんが作ったプロットを読んで見る。

「さすがプロ作家さんですね。私には思い浮かばない発想です。今世間で求められているものが言語化されてる気がします」

「あ、ありがとうございます。葵さんにそう言ってもらえると嬉しいです」

「私の文でどこまで落とし込めるか分かりませんが……軽く數萬文字書いてみようと思います」

「お願いします! いや~軽く數萬ってすごいですね。わくわくするなぁ」

「ただ」

「へ」

「主要人が主人公以外全員なのは完全に花村さんの趣味ですよね。である必要がないキャラまでにするのって花村さんのハーレム好きが濃く表れてますね」

「ごふっ!」

「あとヒロイン達がみんなノースリーブな服裝の設定になってたり、敏でちょっとるだけでじちゃうって設定はもう潛在的に腋を舐めろって」

「葵さん、その分析はいけない」

「ほんと花村さんって腋舐め好きですよね」

「大好きですけど、直で言われると恥ずかしいので勘弁してください」

気持ちは分かる。

私もBL好きを隠すつもりはないが、自分が書いた濃厚なBL小説を曬されたらさすがにメンタルに來るのでこれ以上のからかいはやめておきおう。

ってか私、ハーレムと腋舐めを書かなきゃいけないんだろうか……。

まぁいいか。

花村さんとは1、2點確認を取って、今日の打ち合わせは完了することになる。

花村さんも忙しいし、私も共箸作をさっそく表に出したいので書きたくてたまらない。

でもどうしてこんなにワクワクしてるんだろう。

「葵さん」

帰り際に花村さんに呼び止められる。

「俺、葵さんと一緒にお仕事できるのすっごく楽しみです。一緒に作り上げていきましょうね」

屈託のない笑みで言われ、その理由が分かった。

花村さんが私のことをちゃんと見てくれているってことがとても嬉しいんだ。

仁科さんでも九寶さんでも作さんでもお姉ちゃんでもない……私を選んでくれた。

それが多分……すごく嬉しい。

「でも」

そんなことだけで好きになったりはしないんですからね。

もう落ちてるような自覚もあるけど、私はその最後の砦だけは守ろうと思った。

通常ルートは今回で終わりとなります。

163話も近いうちに出せると思いますのでお楽しみ頂ければと思います。

あとちょっとだけエッチなのでカクヨムのみ投稿しているHルートの5話、6話も明日と明後日に投稿します。

H5話は葵さんが來た!(葵視點)となります。

今回の話の途中から分岐するので是非とも読んで頂きたいと思います。

ではでは!

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