《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第6話、思い出の場所へ④
ぽかぽかとした日差しの下で、俺とユキはベンチに座ってお弁當を食べている。
ここは俺とユキにとって出會いの場所だ。
顔に包帯を巻いていた頃のユキが、この公園の真ん中あたりで子供達にいじめられていた。それでそのいじめっこに當たりして、ユキを助けたのが全ての始まりだった。
あの時にユキを助けた事でそれから仲良くなれて、俺は今こうして彼の手作り弁當を食べる事が出來ている。今日のお出かけの為に張り切って作ってくれたのか、弁當箱の中は寶石箱みたいに輝いて見えて、とても味しそうな料理がいっぱいに詰まっていた。ユキと隣り合ってその弁當を頬張るこの時間は最高に幸せだ。
「ユキを助けようと思って勇気を出して良かったよ。今こうやって一緒に居られるのもあれがきっかけだったんだもんな」
「あの時は本當にびっくりしました。男の子に囲まれて怖くてけなかったんです……そしたら晴くんが飛び出して、あたしを公園から連れ出してくれた」
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「子供なりの正義ってやつだ。あの時の俺って結構バカやってたけど、その無鉄砲さが唯一の売りってじだったからな」
「でも一番びっくりしたのはその後の事なんです」
「その後?」
「晴くんが、あたしの友達になってくれるって言ってくれた時です。教室にも遊びに來て良いって、包帯を巻いていた時はあんなふうに言われた事がなくて。それに――」
ユキはもじもじと指先を絡ませながら頬を赤くする。
「――晴くんは、あたしの手を綺麗だって言ってくれましたよね。あの頃は周りの子達に馬鹿にされるばかりで……褒められた事なんて一度もありませんでした。晴くんは他にも々な事を褒めてくれた。晴くんが言ってくれたように、あたしだって自信を持って良いんだって、そう思えるようになれたんです」
そう言いながら俺を見つめて優しく微笑む。
俺は相手を元気づけようとお世辭を言ったり、そんな事が出來る用な子ではなかった。ユキの手が綺麗なのは事実だし、頭も良くて優しい格だった。俺は思った事をそのまま言葉にしていただけだ。
だからこそだったのかもしれないな。包帯の下でいつも寂しそうにしていたユキ、そんな彼を元気付けられたのは、あの頃の真っ直ぐな俺の言葉が彼の心に響いたからなんだろう。
あの時、勇気を出していじめっこの子供達に立ち向かって良かった。その後にユキも俺の事をけれてくれて、離れ離れになった後も互いに頑張りあったから今がある。こうやって幸せな時間を過ごせるようになれて本當に嬉しかった。
弁當を食べ終え片付けると、ユキは立ち上がって遊のある方へと指を差す。
「ねえ、晴くん。せっかくなので遊んでいきませんか?」
「ここで遊ぶのか。ブランコとかシーソーとか、子供が遊ぶようなものしかないけれど」
「高校生になったらこういう遊で遊ぶ機會ってないですし、たまには良いんじゃないですか?」
「たまには良い、か。確かに小學生の頃まではユキとこういう所で良く遊んでたけど、大きくなってくると遊で遊ぶ事なんて滅多にないもんな」
「ですです。一緒に遊びましょう、晴くん」
「今日は久しぶりに水族館にも行ったし、子供の頃に戻った気分で遊び盡くすとするか」
小學生の頃は隨分と広くじたものだが、高校生になってからだとかなり狹くじる。けれどこんな小さな公園でもユキと二人で遊ぶと時間を忘れてしまうのだ。疲れ果てるまで飽きること無く遊び回った。
かった頃を思い出しながら、俺はユキと一緒に遊のある方へと歩いていった。
「ねえ、晴くん。ブランコで遊んでも良いですか?」
「良いけど座るのは止めとけ。ほら結構汚れてるし、ユキのスカートが汚れちゃうしな」
「じゃあ立ちこぎにしますね。乗り始めは後ろから押してもらえますか?」
「そう言えば小學生の頃も押してあげてたっけ。任せとけ」
ユキはブランコの座板の上に立ってチェーンを握りしめる。俺は彼に言われた通り、背中を押しながら徐々に勢い付ける手伝いをしてあげた。そしてしばらく乗ってユキも慣れてきたのか、長い足で上手にブランコをこげるようになってくる。雪のように降り積もる白銀の髪が揺れる、彼は楽しそうな笑みを浮かべていた。
「こうやっていると、なんだか子供の頃に戻った気分になりますね」
「ほんとそうだな。あの時のユキも――」
――笑いながら言いかけて気付くのだ。俺はそれを見て固まった。
彼がブランコをこぐ度にふわりふわりとスカートが浮き上がる。ブランコが一番高い所に著く瞬間には、丈の短いスカートの奧にある薄桃のパンツが僅かに見えてしまっていた。そしてその事にユキは気付いていない。
「――っ!?」
俺は周囲を確かめる。良かった、お晝時だからなのか子供達は家に帰っているのだろう。小さな公園だから俺達以外にピクニックを楽しむだとか、そういうじの家族連れもいない。今ここに俺とユキしか居ない事に安堵する。でなきゃユキの下著が公衆の面前に曬されてしまう事になるわけで、俺以外の誰かにこの景を見られるのは正直言って嫌だった。ほっと一安心だ。
ちらりちらりと見えるユキの下著を見続けたい気持ちもあったが、それよりもいつも俺に優しくしてくれるユキの下著を覗き見してしまっているという罪悪の方が強かった。
俺が目を逸らしている事に気付いたのか、ユキはその様子を不思議がりながら聞いてくる。
「あれ? どうしました、晴くん?」
「いや……その、勢い良くこいでるもんだから、ユキ、パンツ見えちゃってる……」
「あっ」
ユキは顔を真っ赤にしながらこぐのを止めて、ゆっくりとブランコから降りた。スカートを抑えて恥ずかしがりながら俺の事を見つめる。
「見えてました?」
「あ、ああ。すまん……見るつもりはなかったんだけど、やっぱり俺も男だから、ついな」
「あはは、そうですよね、この格好でブランコしてたら見えちゃいますよね」
「ほ、他の遊で遊ぼう。ほら、鉄棒とかもあるしさ。いや、駄目だ。鉄棒だって見えちゃうな……」
そうだ、鉄棒だってユキはスカートなんだから遊んだら見えちゃうだろう。逆上がりをしたりとかしちゃったら、ブランコの時よりも見えてしまう。もっと別の遊を、今のユキの格好でも遊べるものを、そう思っていたのだが――ユキは慌てる俺を見つめながら、いつもとは違う妖しい笑みを浮かべていた。
「ねえ、晴くん」
「ん?」
「あたし、晴くんに見られるなら良いですよ」
「それってどういう――」
俺は言いかけて再び固まった。その景に目が釘付けになっていた。
ユキが俺の目の前でフリルの付いた可らしいスカートを両手でたくし上げている。白くて綺麗でらかそうな太もも、リボンの付いた薄い桃のパンツがわになっていて、その景に思わず息を呑む。
天使のように可らしいユキが自らの意思で、俺に恥ずかしい姿を見せている事が信じられなくて、心臓の音は外に聞こえてしまうくらいに大きくなってしまう。
ユキの顔は恥じらいから真っ赤に染まっているのに、その表は何処か期待しているようにも見えた。そして彼はスカートから手を離した後に俺の方へ歩いてくる。
「あたし、晴くんになら何を見られても、何をされても良いんです」
そっと俺の手を取って――彼は俺の耳元で囁いた。鼻をくすぐるような甘い匂い、頭の中が溶けてしまいそうな覚が広がってくる。
「大好きだから、しているから。晴くんの思うように……好きにして良いんですよ」
彼の吐息が俺の耳にかかってくすぐったくて、さっきまで天使に見えていたユキの事が、今は小悪魔のように見えていた。そして彼は俺の頬に優しくキスをして、その瞬間に彼は言った。
「ありがとう、あたしを助けてくれて、仲良くしてくれて……本當に嬉しかった。あたしは晴くんを心の底からしています。そして……いつかは絶対に晴くんからしているって言われるように……晴くんをあたしのものにしてみせますね」
ユキはそう言いながら俺からゆっくりと離れた。
何がきっかけだったのかは分からない。けれど今日の俺がユキのスイッチを押してしまったのは確かで、妖艶な笑みを浮かべるユキを前にして、俺は高鳴り続ける心臓を抑える事しか出來なかった。
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