《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第10話、秋奈からの紹介③

秋奈と立夏はすぐ近くにあるファミレスの看板を見上げていた。

「とりあえずだけど、ファミレスでも大丈夫かなー?」

「ボクは構わないよ、晴と白鳩さんはここで良いかい?」

「ああ、ファミレスでのんびりしていこう」

「お腹も空きましたし、ちょうど良い場所ですね」

「おっけ! それじゃみんなでファミレスにいこー!」

立夏は元気良くファミレス店のり口へと向かって歩いていく。

「また立夏が余計な事を言わないように……ボクがちゃんとしなきゃ」

秋奈はそう呟いた後、急いだ様子でその後を追う。

二人の後ろ姿を眺めながらユキは楽しそうに微笑んでいた。

「小鳥遊さん、とても元気な方ですね」

「ユキ、仲良くなれそうか?」

「はい。さっきもお話していましたが、とても良い人でしたよ。あたしだけじゃなく晴くんとも仲良くなれたらって思います」

「そうか、それなら良かったよ」

俺はユキと一緒にファミレスの扉をくぐり、テーブル席に案される。

その後みんなでゆっくりと椅子の上に腰掛けた。俺の席の隣にはユキが、その正面で秋奈と立夏が隣り合って座っている。

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「それじゃもう一度自己紹介するね。わたしは小鳥遊立夏、白鳩さんや雛倉くんとは違うクラスだけど同學年で同じ高校だよー」

「白鳩ユキです。お友達の秋奈さんとはクラスでも仲良くさせてもらっています」

「ボクと仲良くだなんて、憧れの白鳩さんからそう言ってもらえて嬉しいよ」

「秋奈っち、最近は席替えで雛倉くんと白鳩さんと近い席になれたって喜んでたもんね~」

「り、立夏? お願いするから……余計なことは」

「あ! ごめんごめん……」

こほん、と立夏は咳払いをした後、今度は俺の方を見る。

「雛倉くん、いつも秋奈っちがお世話になってる話は聞いてるよっ、ほんといつもありがとうね!」

「俺も秋奈にはいつも世話になってるよ。こちらこそありがとう」

俺が軽く頭を下げると、立夏はにひひっと明るく笑ってみせる。あまりこういうタイプの子は周りにいないから本當に新鮮なじがあるな。

「それにしても……っ、白鳩さんってこうして間近で見るとほんとに綺麗っ……! どうなってるの、どうしたらこんな可の子が生まれて來るんだろ、凄すぎだよー!!」-

テーブルからを乗り出して立夏はユキの事をじっと見つめた。

「このさっらさらの髪とかどんな手れをしてるの? シャンプーは何使ってる? トリートメントは? ヘアオイルとかおすすめあったら教えて!」

「シャンプーやトリートメントは容師さんが髪質に合ったものを選んでくれて、それを使っています。ヘアオイルもそうですね」

「へえ! やっぱり高いやつ?」

「市販品のものと比べるとずっと高いと思います」

「すごいなあ……白鳩さんって何事も妥協がないじがして」

ユキを前にして立夏は興気味だった。

テーブルの上に置かれていたユキの手を見て目を輝かせる。

「ほら秋奈っち見て! 白鳩さんのおてて、もう蕓品だよこんなの!」

「ねえ立夏……あんまりはしゃいじゃ駄目だよ、白鳩さんを困らせるような事は――」

「ねえねえ白鳩さん、おててってみてもいい?」

「構いませんよ、どうぞ」

ユキは立夏の前に手を差し出した。

「うわわ……なにこの、すべすべしてる! すごすぎてわたしじゃ語彙力足りないよ、表現出來ない! 同じ人間の手じゃないみたい、天使のおててだよこんなの!」

「そう言ってもらえて嬉しいです。手のケアは特に気を遣っているので」

「どうしてどうして?」

「えと……それは……」

ユキはちらりと橫目で俺を見た後、僅かに頬を赤くしながら答えた。

「あたしの手が綺麗だって、好きだって言ってくれる方の為です……」

「なるほどねー、その人の為なんだ! いいなあ、褒めてくれる人の為に綺麗になろうって、そういう頑張り屋さんなとこすっごく良い!」

立夏から褒められて照れるユキ。

思った事を真っ直ぐに言葉にするこのじ、小學生の頃の俺とユキのやり取りを見ているようで微笑ましい。これならユキと立夏は仲良い友達になれそうだと思えた。

「ちょっと喋り過ぎちゃったね! みんなもお腹空いてるだろうし、そろそろお晝頼もっかー」

立夏はメニュー表に手をばしてユキへと手渡した。俺も隣の席からメニューの容を覗き込む。和洋中と揃っている味しそうなメニューに食が刺激された。

「ではあたしはこのパスタを。晴くんは何が食べたいですか?」

「じゃあ俺はこのハンバーグが乗ってるオムライスにするよ」

何を食べるか選び終えた俺とユキ。メニューを返した後、秋奈と立夏の二人も何を食べるか選び始める。

「ん~秋奈っちは何食べる~?」

「ボクはドリアかな。あとデザートにパフェが食べたいんだけど、良いかな?」

「パフェかあ、わたしはコーヒーにしよっかな。白鳩さんと雛倉くんはどうー? デザートたのむー?」

「デザートか。ユキ、折角だし頼んでいくか」

「ですね。皆さんと味しいものを楽しく食べられるなら、しでもたくさん食べたいです」

「うんうんっ。じゃあ決まりだねっ! すいませーん、注文お願いしまーす!」

元気いっぱいに聲を上げる立夏。近くにいた別の客がびくりと肩を震わせる姿を見て、秋奈は慌てて立夏を止める。

「り、立夏! このお店はボタン式みたいだから、ほら!」

「あ! 本當だ、えへへ。つい間違えちゃった」

立夏はぺろりと舌を出して笑って答える。

その様子をユキは楽しそうに笑いながら眺めていた。こうして友人とテーブルを囲んで食事をするのはユキにとって初めての事だ。誰かと仲良くなれる機會が出來た事を、彼は心の底から喜んでいる。

こんな景がいつまでも続けば良いなと思いながら、俺はユキの笑顔を見守った。

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