《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第13話、停電とお風呂②

スマホのライトを頼りに所へと辿り著く俺とユキ。ここに來るまでずっと手を握っていたけれど、服をぐ為に一旦手を離す。著替えの様子を見るわけにもいかないので、スマホのライトも消して俺は著ている服に手をばした。

「み、見えてないよな……?」

「だ、大丈夫です。晴くんは……見えてないですよね?」

「ああ……今の所は」

所の窓は磨りガラスで小さいし、狹い事もあってリビングよりも暗かった。

暗闇の中で目を凝らせば、うっすらとユキのシルエットが見えるくらいでそれ以上は良く分からない。ユキも同じようなのでで下ろしつつ上著に手をかけた。

外の風の勢いは強くて今も激しい音が聞こえるが、それよりもユキが服をぐ布のれた音に集中してしまう。するすると目の前で著ているものをいで、ユキが同じ空間で一糸まとわぬ姿になっている事を想像するだけで、ばくばくと心臓は高鳴っていっても熱くなった。

そして下著までいだ所で一応大切な部分を隠しながら浴室の扉に手をばした。扉を開ける前に深呼吸をして気持ちを落ち著ける。大丈夫、見えはしないんだ。それに今日は停電で非常事態だし、これは仕方がない事なんだと自分に言い聞かせる。

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「ユキ、足元に気を付けてな。暗いから転ばないように」

「はい、ありがとうございます。晴くん」

「手を繋ぐか? 怖いかもしれないし」

「そ、そうですね……出來ればそうしてもらえると嬉しいです」

俺は暗闇の中でユキの聲が聞こえる方に手をばし――むにゅり、というらかな覚に首を傾げた。

とても大きなまんまるとしたが手のひらに広がって、らかくて弾力のあるこのは何だろうと思考を巡らせる。確かめるようにんでみると、マシュマロのようにふわふわでらかくそれでいて張りもあって溫かい。あまりのり心地の良さに我を忘れそうだった。しかし次の瞬間、ユキの甘くて熱っぽい聲が聞こえて俺は慌てて手を離す。

「んっ……は、晴く……ん……そこは……」

「え、あ……?」

今のが何なのかを理解する。まさかユキのたわわに実ったあのっていたとは思ってもいなくて、完全に無意識の行だった。今何をしていたのか理解すると同時に顔が真っ赤に染まってしまう。

「す、すまん……! その、つい手が……」

「暗いから……仕方、ないです……」

今度こそユキの手を握りしめると、二人で浴室の中へと進んでいく。浴室にはユキが沸かせてくれたお風呂のおかげで、所よりずっと暖かい。浴槽の蓋を外すと湯気が立って丁度良いお湯加減なのは見て分かった。

シャワーは湯沸かしが止まっているので使えない。風呂桶でお湯をすくい上げてにかけると冷えていたがじんわりと暖まって行く。代で桶を使ってを綺麗にした後、俺とユキの二人は手を繋いだまま浴槽へとった。

二人がると流石に狹くじるし、著してしまいそうだった。いつもなら恥ずかしくて出來ないけれど、今は停電しているせいもあってか何とか平常心を保つ事が出來ている。

とは言え完全に何も見えないというわけではない。ユキの方へ目を向けると暗闇の中でも白いがぼんやりと見えて、それがまた艶めかしくて気をじてしまう。

ユキも恥ずかしさから俯いているようで、長い髪が邪魔をして表はよく見えなかった。きっとユキも目が慣れてきて、僅かにだが俺の姿を見る事が出來るようになったのだろう。

お互いに沈黙のまま、しばらく時間が過ぎて行く。雷の激しい音が浴室を揺らすと、ユキはびくりと肩を震わせて怖がっているようだった。

「大丈夫か、ユキ」

「晴くんと一緒だから……平気です」

「そうか。なら良かった」

「でも……あの、晴くん。お願いがあるのですが」

「どうした?」

「もうしだけ……側に寄っても、いいですか?」

遠慮がちに言うユキ、その容に思わずドキリとする。この狹い浴槽で今でもギリギリの距離なのに、更に近付くとなると間違いなく互いのれてしまう。そしたら隠している俺のアレが興狀態になっている事がバレてしまうわけで……それでもユキは勇気を振り絞って言ったんだと思うと無礙にするわけにもいかない気持ちになった。

「……分かった。じゃあ背中の方を貸すから」

「はい……」

返事をするとユキは繋いでいた手を解いて恐る恐るこちらに近づいて來る。そして俺の背中に飛び込むようにしてを寄せて來た。ユキの甘い香りが広がって、らかい溫を背中でじる度に心臓の鼓は速くなっていく。

ユキは腕を回してぎゅっと抱きついて來て、その様子はまるで怯える子供のようで、とても可らしくおしさがこみ上げてきた。らかな膨らみが直に伝わってくると同時に、やはり雷を怖がっているのかが震えていて、そんな彼しでも安心させてあげたくなる。

けれど前を向いて頭をででやるわけにもいかず、ただじっと彼に背中を貸し続けた。徐々にユキの強張っていたの力がしずつ抜けていくのが分かる。そして彼はぽつりと呟くように口を開いた。

「晴くん……落ち著きます」

「そっか、もうちょっとこうしてるか?」

「はい……このままでいさせてください」

ユキは甘えるように俺の背中へ頬を寄せた。こうやって素の姿を見せてくれるのは信頼されている証だと思うと嬉しくなってくる。暗闇の中で溫かな湯船にが暖まり、同時にユキの溫もりで満たされて、とても幸せな気分になる。

ユキも同じなのだろう。の震えも止まってきて、穏やかな息遣いだけが聞こえていた。

「晴くんは、雷とか怖くないんですね……」

「ああ、全然平気だぞ。ていうか意外だったな、ユキがこんなに怖がるなんて」

「小學生の頃、いじめられた時に……掃除用のロッカーに閉じ込められた事があって。その時にちょうど雷が鳴っていたんです。だから雷を聞くと……それを思い出してしまって」

「そ、そうだったのか。そんな事まであったなんて知らなかった。今は大丈夫か、暗いし狹いけど……」

「晴くんが居てくれるから暗くて狹くても……怖くないです。それに、晴くんとくっついていると溫かいから……」

「もっとくっついていてもいいからな」

「それなら――こっち向いて、ぎゅってしませんか?」

「そ、それは」

「ほら……気にしないで」

ユキはそう言って俺の背中からを離す。

「おいで」

甘くとろけるような聲、俺の後ろで彼が両手をばしているのが分かった。それを我慢出來る程、俺は出來た人間じゃない。

ゆっくりとユキの方に振り向いて暗闇の中で見つめ合う。

すっかり暗闇の中に目が慣れて、長い髪から滴った雫が水面に波紋を広げて行く様子すら見えるようになっていた。はっきりと瞳に映るユキの姿――長いまつに整った顔立ち、濡れて張り付いた前髪が妙にっぽかった。

吸い込まれそうなほど澄んだ青い瞳に見惚れて息を飲む。暗闇の中でも彼しさは何一つ変わる事がなかった。むしろ暗闇だからこそより一層ユキの魅力を引き立てているようにも思えるくらいだ。

そうして見つめ合っていると、ユキは恥ずかしそうに微笑んで俺を強く抱きしめる。そんな彼の髪をさらりと弄ぶようにしながられると、彼はくすぐったそうにを捩らせた。

それからしばらくの間、俺とユキは抱き合いながら湯に浸かり続けた。激しい雷の音が聞こえても、ユキのが再び震える事はない。

俺のの中で靜かに呼吸をするユキ、目を閉じている彼の姿が何処かあどけなく見えて、それを見ていると昂ぶっていた心も落ち著いていく。

暗闇の中、靜寂と二人の吐息だけが支配する空間で、俺達はを寄せ合って互いの存在をじていた。

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