《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第2話、文化祭②
校では常に視線をじていた。
學校の生徒、他校の生徒、それに大學生や保護者などなど。その視線が勘違いではないのは明らかだった。と言っても見られているのは俺じゃない。隣を歩く秋奈にその視線は向けられていた。
眼鏡を外して大きくイメージを変えた秋奈。
眼鏡の下に隠れていた整った可憐な顔立ちに、知的で清楚さの溢れるさっぱりとしたショートヘア。制服の著こなし方も立夏から教えてもらったのだろう、今までは膝下までびていたスカートが膝上より短く整えられて、白くてらかな太ももが見えていた。
ルビーを思わせる寶石のような真紅の瞳に、彼の黒髪が良く似合っていて、そんなが周囲の人達から注目されるのは當然の事だった。
「こういうのは……あまり慣れないね」
「人に注目されるのが?」
「うん。眼鏡をしていてあまり見た目にこだわっていなかった頃は、こうして周りの人から良く見られるような事はなかったからね……」
「確かに俺も以前の秋奈が誰かに注目されたり、そういうのは見た事がなかったかな」
Advertisement
「だろう? 夏休みが明けてからは今まで口も利いた事もなかったような相手が、ここぞとばかりに連絡先を聞こうとしてきたり、ああそうだ、一番呆れたのは虻崎、彼だね」
「虻崎……か」
虻崎、學年は一つ上で學校のイケメン王子と知られる男。以前に球技大會で俺に散々ラフプレーをかましてきた奴だ。そしてユキに告白してフラれ、それを納得出來ずユキに暴しようとした最低な男、俺の人生において出會った男の中でワースト1は間違いなく彼だろう。
「そう。その虻崎さ。この前、廊下を歩いていたら聲をかけられたよ。見た目を変える以前のボクに向けてはブスだとか0點と言っていた彼が、夏休みを明けてからは目のを変えて近付いてきてね。放課後、一緒に遊びに行かないか? だってさ。笑ってしまったよ」
「あいつは人の外見にしか興味がないのかもな」
「でもキミだけは変わらないね、やっぱり」
「俺は変わらないってどの辺が?」
「ボクと話をする時も真っ直ぐに瞳を見て話すし、こうして話している時だって態度に変化はない。以前から思っていた通りだ。キミは本當に人の面をしっかりと見ているんだって、こうして見た目を変えてから尚更そう思うようになったよ」
Advertisement
秋奈はじっと俺の瞳を見つめて、その顔には笑みが浮かんでいた。
「今ならどうして白鳩さんが、ああやって妥協せず綺麗になろうと頑張っているのか分かる気がする。よりキミの事をじられるからなんだ。ボクも今こうしてじているように、綺麗になろうと努力すればする程、外見ではなく面を見て話をしてくれるキミの事を強くじられるようになる」
「俺の事を強くじられるようになる……か」
「そう。ボクももっと頑張らないとね、キミと仲良く出來るのは本當に楽しいんだ。それに今日の午前中、キミはボクの貸し切りだ。もっと々と回ろうじゃないか」
秋奈は俺の手を握りしめる。口角を上げて微笑んで、その顔がやけにっぽくて心臓がどきりと跳ねた。
「な……!?」
「んー? 嫌かい?」
「い、嫌とかそういう問題じゃなくて……」
「それならいいじゃないか。ほら、早く行こう」
秋奈は俺の手を取って歩き出した。
いつもとは違う彼の様子に困しながら、俺は3年5組のお化け屋敷へと連れて行かれる。
話に聞いていた通り、かなりの力のれようだった。外の壁にり付けられた裝飾は禍々しくて、みどろのお化け屋敷と言った様子だ。付の子も気合がっていて、顔には傷だらけのフェイスペントが施されていて本の傷同然に見える。
「本格的だね、まるで遊園地のアトラクションのようだよ」
「凄いな。中學の時にもお化け屋敷を出しにしているのは見た事があるけど、ここはちょっとばかりレベルが違う」
「怖くなってきたよ……大丈夫だろうか」
秋奈がそう言った時、俺の手を握る彼の手が僅かに震えているのをじた。
「もしかして……秋奈ってこういうの苦手なのか?」
「あはは……実は、こういうのは全く駄目でね、相手がお化けの仮裝をした高校生と言えど、その場で泣きんでけなくなる自信がある」
「それは自信っていうのか……?」
「ただ、いくら苦手と言っても、せっかくの文化祭だしお化け屋敷も楽しみたいから」
「無理はしないでな。それじゃあ中にろうか」
る前に付から中での注意事項を教えられた後に懐中電燈を一つ渡される。
扉に付けられた黒いカーテンをくぐろうとした時、秋奈はぎゅっと俺の手を握りしめていた。そのまま秋奈の手を引いてお化け屋敷となった教室の中へと踏みる。
外は明るいはずだが、窓からがし込む事は一切なかった。教室の中では俺が持っている懐中電燈だけは唯一の明かり。機を重ねて黒い布で覆って壁を作り、中は迷路のようにり組んでいる。
「進むぞ?」
「う、うん……」
秋奈は弱々しい聲で答える。
俺の隣でぶるぶると震えているのは繋いだ手を通して伝わっていた。彼は俺にぴたりとくっついている。そしてちょうど迷路の初めの曲がり角の所で――。
『――ぐああ!』
ゾンビに仮裝した男子生徒が飛び出してきた。
迫真の演技で振る舞う生徒。俺は特に驚く事もなく、その男子の橫を通り過ぎようと思っていたのだが。
「ひっ……」
俺の隣の秋奈は進む足を止めて聲を上げた。教室の中は暗くて彼の表がよく見えないが、本気で怖がっているのだけは分かる。
「大丈夫か、秋奈……? まだってすぐだぞ」
「だ、だ、だ、大丈夫……」
ぐすりと鼻をすする音がする。
たどだとしい足取りでついてくる秋奈は俺の腕にしがみついていた。
その後もお経が聞こえてきた時はびくりとを震わせるし、ぼさぼさのウィッグを被った死裝束の真っ白な顔の子生徒が飛び出してきて、秋奈は悲鳴を上げて俺に抱きついた。る前にも言っていたが、お化け屋敷が本當に苦手らしい。
そしてり組んだ教室の中の迷路を抜けて、俺達はようやく出口へと辿り著く。明るい廊下に出て一安心、と思っていたのだがお化け屋敷を出た後も秋奈は震えていた。
「本當に大丈夫か? よっぽど怖かったんだな……?」
「い、言ったろう……こういうのは全く駄目だって」
「でも、悲鳴は上げてたけど、泣きんだりはしなかったじゃないか」
ずっと腕をぎゅっと摑んでいたり、怖くて抱きついてきたりもしてきたけど、泣きんで立ち止まるような事はなかった。
「まあ……怖いとは言っても楽しくもあったからね。あまり出來ない経験だし」
「楽しんでもらえたなら俺も嬉しいけど……そもそもどうしてお化け屋敷に? アトラクション系なら他にもあったよな。確かにお化け屋敷としては最高に良いじだったのは分かるが」
「予行練習みたいなものかな。いつかさ、立夏や白鳩さんも連れて遊園地とか行ってみたいと思っていて。確かにここの力のれようは凄かったけど、遊園地のお化け屋敷はやっぱりもっと凄いだろう? せっかくみんなで遊ぼうと思っているのに、ボクだけのけ者になったりするのは嫌だからね」
「なるほどな、遊園地か。面白そうな事を考えてたんだな」
「絶対に楽しいはずさ。まあいつになるかは分からないけど、その時は晴も必ずうからね」
「むしろこっちから頼みたいくらいだ。友達と一緒に遊園地とか今まで行った事なかったし」
「うんうん、ボクも同じだよ。今から楽しみで仕方ない。その遊園地の予行練習を踏まえて、今日は心ゆくまで文化祭を楽しもうじゃないか。お晝まで時間がある、行くよ晴。まだまだ行きたい所はいっぱいあるんだから!」
秋奈は元気よく俺の手を引っ張った。
俺と秋奈はまるで子供のようにはしゃぎながら、高校生が製作したクオリティとは思えないアトラクションをうんと楽しんで、綺羅びやかな裝飾のされた校を二人で歩き回るのだった。
私たちだけ24時間オンライン生産生活
VR技術が一般化される直前の世界。予備校生だった女子の私は、友人2人と、軽い気持ちで応募した醫療実験の2か月間24時間連続ダイブの被験者に當選していた。それは世界初のVRMMORPGのオープンベータ開始に合わせて行われ、ゲーム內で過ごすことだった。一般ユーザーは1日8時間制限があるため、睡眠時間を除けば私たちは2倍以上プレイできる。運動があまり得意でない私は戦闘もしつつ生産中心で生活する予定だ。まずは薬師の薬草からの調合、ポーションづくり、少し錬金術師、友達は木工アクセサリー、ちょびっとだけ鍛冶とかそんな感じで。 #カクヨムにも時差転載を開始しました。 #BOOTHにて縦書きPDF/epubの無料ダウンロード版があります。
8 98【WEB版】劣等賢者のケモノ魔法革命〜「獣人は魔法が使えない劣等種だ」と宮廷魔術師から追放されたけど、弟子とFランク冒険者を満喫してたら、いつの間にか最強の魔法學院ができていた〜:書籍化+コミカライズ
第一部完結。 書籍化&コミカライズ決定しました。 「アンジェリカさん、あなたはクビです!」 ここは獣人は魔法を使えないことから、劣等種と呼ばれている世界。 主人公アンジェリカは鍛錬の結果、貓人でありながら強力な魔法を使う賢者である。 一部の人間たちは畏怖と侮蔑の両方を込めて、彼女を【劣等賢者】と呼ぶのだった。 彼女はとある國の宮廷魔術師として迎えられるも、頑張りが正當に認められず解雇される。 しかし、彼女はめげなかった。 無職になった彼女はあることを誓う。 もう一度、Fランク冒険者からやり直すのだ!と。 彼女は魔法學院を追いだされた劣等生の弟子とともにスローな冒険を始める。 しかも、どういうわけか、ことごとく無自覚に巨悪をくじいてしまう。 これはブラック職場から解放された主人公がFランク冒険者として再起し、獣人のための魔法學院を生み出し、奇跡(悪夢?)の魔法革命を起こす物語。 とにかくカワイイ女の子+どうぶつ萬歳の內容です。 基本的に女の子同士がわちゃわちゃして、ドタバタして、なんだかんだで解決します。 登場する獣人のイメージは普通の人間にケモミミと尻尾がついた感じであります。 ところどころ、貓や犬やウサギや動物全般に対する獨斷と偏見がうかがえますので、ご注意を。 女性主人公、戀愛要素なしの、軽い気持ちで読める內容になっています。 拙著「灼熱の魔女様の楽しい溫泉領地経営」と同じように、ギャグベースのお話です。 評価・ブックマーク、ありがとうございます! 誤字脫字報告、感謝しております! ご感想は本當に勵みにしております。
8 57SnowManの舘様が幼児化!?
いつも時間に余裕を持って現場に來る舘様が、 ある日なかなか來なかった… 心配した翔太は舘様の家に行った… そこで翔太が出會ったのは男の子で…? MAIN SnowMan 宮舘涼太 渡辺翔太 Sub SnowManの他のメンバーとジャニーズの皆さん…
8 192魂喰のカイト
――《ユニークスキル【魂喰】を獲得しました》 通り魔に刺され、死んだはずだった若手社會人、時雨海人は、気がつくと暗闇の中を流されていた。 その暗闇の中で見つけた一際目立つ光の塊の群れ。 塊の一つに觸れてみると、なにやらスキルを獲得した模様。 貰えるものは貰っておけ。 死んだ直後であるせいなのか、はたまた摩訶不思議な現象に合っているせいなのか、警戒もせず、次々と光の塊に觸れてゆく。 こうして數多のスキルを手に入れた海人だったが、ここで異変が起きる。 目の前に塊ではない、辺りの暗闇を照らすかのような光が差し込んできたのだ。 海人は突如現れた光に吸い込まれて行き――。 ※なろう様に直接投稿しています。 ※タイトル変更しました。 『ユニークスキル【魂喰】で半神人になったので地上に降り立ちます』→『元人間な半神人のギフトライフ!』→『魂喰のカイト』
8 74【新】アラフォーおっさん異世界へ!! でも時々実家に帰ります
書籍第1~2巻、カドカワBOOKSより発売中!! 『おめでとうございます!! あなたは15億円獲得の権利を得ました!!』 といういかにも怪しげなメールを受け取った在宅ワーカー大下敏樹(40)は、うっかり大金の受領を選択してしまう。悪質な詐欺か?ウイルス感染か?と疑った敏樹だったが、実際に15億円の大金が振り込まれていた。 そして翌日現れた町田と名乗る女性から、手にした大金はそのまま異世界行きのスキルポイントとして使えることを告げられ、最低限のスキルを習得した時點でいきなり異世界の森へと飛ばされてしまう。 右も左もわからない、でも一応チートはあるという狀況で異世界サバイバルを始めた敏樹だったが、とあるスキルにより日本に帰れることが判明したのだった。 合い言葉は「実家に帰らせていただきます!」 ほのぼの時々バイオレンスな、無理をしない大人の異世界冒険物語、ここに開幕!!
8 91ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~
「私と...結婚してくれる...?」 「い、いいぜ」 中學2年生の藤岡奏太は、引っ越す直前の幼なじみの少女に逆プロポーズされ、中學生にして、めでたく可愛らしい婚約者を手に入れた。 離れ離れになり會えない間も、毎日電話やメールは欠かさず、再會できる日を待ち続けること四年。 高校2年生の春。遂にその日はやって來た。幼なじみ兼戀人兼婚約者である少女の突然の転入に驚きつつも、ようやく大好きな彼女とのラブラブな高校生活を送ることができると、舞い上がる奏太。 しかし... 「靜かにしてくれない?私、うるさい人って嫌いなの。人が喋っている時は靜かにするーーそんな小學生でも分かることがあなた達には分からないのかしら?」 自己紹介でクラスメイト達に上から目線で毒を吐く彼女...。 ...そこに昔の素直で可愛らしい性格の少女の姿は全くなかった。 素直で優しく可愛らしい性格と毒舌なSキャラを併せ持つ婚約者との痛快ラブコメ、ここに開幕です! 2018/5/5 前作の戀愛サバイバル~卒業率3%の名門校~も是非読んでください! 2018/10/8 新作の元主人公、今は脇役願望も是非呼んでください!初めて書いた異能力バトル系です!いや〜戦闘描寫が難しいですね笑!
8 77