《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第6話、膝枕の③
味しいお弁當を食べ終えた後、お晝休みが終わるまでの時間をゆったりとブルーシートの上で橫になり、空を見上げながらお晝寢しようと思った。
教科書のった鞄を枕にまったりとした幸せな時間を過ごそうと橫になるのだが。
「ねえ晴くん。ちょっと提案があるんですが良いですか?」
「ん……?」
鞄を枕にしたままユキの方へと寢返りを打つと、彼は悪戯っぽく微笑みながら口を開いた。その表には見覚えがあってユキが小悪魔になっている時に浮かべるものだ、そんな妖しい笑みを見ていると一何を提案されるのか不安と期待がり混じってしまう。
正座していたユキは足を崩すと、太ももをぽんぽんと叩きながら俺を見つめる。
「せっかくなので膝枕しませんか?」
妖しくも優しい笑みを浮かべるユキ、そのは強烈なものだった。可いユキの太ももに頭を乗せて晝寢をするだなんて、恥ずかしさもあるけれどそれ以上に魅力的ないで、心臓の鼓が早くなり顔が熱くなる。
生唾をごくりと飲み込みながら彼の崩した足に視線を向けた。
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今がまだ秋とは言え、季節的には冬寄りで寒くなってきているのでユキは黒いタイツを履いている。それが彼の細くてしなやかな腳を更にしく魅せていて、ぴっちりと張ったタイツの布地が太ももの形をよりはっきりと浮かび上がらせていた。
そしてうっすらとける白いが艶めかしくて、こんなにもしい腳を目の前に差し出されれば誰だってれてみたいと思うはずだ。
更に奧へと視線をやればこの位置からだと制服のスカートの中――のらかそうなとその奧の下著までもがちらちらと視界に飛び込んできて、黒いタイツ越しにけるそれに思わず目が奪われてしまう。
それでも俺がユキの太ももに飛び込まなかったのには理由があった。
ここがマンションなら俺はのままに、彼の太ももに飛び込んでいただろう。けれどここは學校で、屋上には他の生徒が居ないとは言え、もしかするととても珍しく誰かが來てしまうのかも分からないのだ。そしてその誰かに、俺がユキから膝枕をしている姿を見られてしまったら――想像するだけで理が働く。ここで彼のに屈してはいけないと俺は彼から視線を逸らすように寢返りを打った。
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「そ、それは流石にな……學校だから、誰か來るかもしれないし……」
「ふふ。見られちゃうのが心配なんですね、でも大丈夫です。屋上の扉の鍵は閉めてありますから」
ユキはそう言って制服のポケットから銀の何かを取り出す。
それは屋上の鍵だった。ユキは鍵をくるりと回して見せながら、またあの笑みを浮かべる。
「立夏さんに屋上の鍵を持ってきてもらったんです。だから屋上の扉は開けられませんし、生徒會で使う事になっているので怪しまれません。會長からも許可は頂いています」
「それじゃあ……初めからユキは誰も來れない事を知ってて……」
「ブルーシートの上でお晝寢してる所を見られるのも良くないですから、ちゃんと準備していたんですよ」
甘い聲が聞こえてきて、背中にぞくっとしたものをじた瞬間、俺の首の後ろ辺りを指先ででられる。反的にが跳ね上がりそうになるのを堪えると今度は耳元で囁かれた。
「いっぱい甘えて良いんですよ、だから……こっち向いて」
甘くけてしまいそうな聲だった。そして同時にふわりと耳をくすぐる彼の吐息で、俺の中の何かが崩れ始める。
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そして極め付けはその匂いだ。ほんのりと甘く、爽やかな汗を含んだ香り。それは紛れもなくユキ自のもので、彼という存在そのものを強く意識してしまう。
もう我慢の限界だった。俺を繋いでいた理という一本の糸がぷつりと切れた音がして、今度は本能のままに俺はゆっくりとの向きを変えた。
仰向けになった俺を見下ろすユキはとても嬉しそうで、彼はそのまま俺の頭を太ももの上へと導いた。
「晴くん、いいこいいこ……」
彼の甘い聲を聞きながら、らかな太もものにを委ねる。俺の頭はすっぽりとユキのに包まれて、そこからじんわりと溫かさが伝わってきた。
彼の太ももはタイツ越しでもしっかりと分かるくらいにらかくて、それでいて弾力もあって頬りしたくなるような心地良さだ。けれど心臓はドキドキと高鳴ってばかりで落ち著かない。
すぐ傍には彼のスカートがあって、しでも視線を右に逸らせばこの間近な距離でその中を覗けてしまうかもしれない。そして真っ直ぐに視線をばせば、今度は制服に包まれてもなお満で、形の綺麗なが映ってしまう。この狀態で落ち著けというのは無理な話だ。
上も向けず右にも向けず、ならばユキの反対側である左へ顔を向けようと思うと、彼はそれを止めるように白く細い手で俺の頬にれる。溫かな手のひらが気持ち良くて、俺は無意識のうちにその手に顔をり寄せた。そのまま優しく俺の髪をかきあげるようにしてユキの手がく。
「こうしていると、晴くんがまるで子供みたいにじます」
「こ、子供みたいって……恥ずかしい事を……」
「ふふ、恥ずかしがらなくても良いのに。甘えん坊で可いですよ。あたしがおいで、ってしたらおずおずと近付いてきて、頭なでなですると目を細めて気持ちよさそうにして、そんな姿が可くて、もっと見たいなって思うんです」
「……っ」
ユキの聲があまりにも優しいものだから余計に恥ずかしくなってくる。きっと今の俺は顔から火が出そうなほど真っ赤に染まっているに違いない。けれどそんな恥心以上の幸福に俺は今満たされていた。
ユキという大切な人から膝枕をしてもらって、頭をでてもらうなんて幸せ以外の何でもない。こんなにも幸せな事が世の中にあるのかと思うぐらいに今の俺は満たされていた。ユキのらかさと溫もりが全を包み込んでくれるようで、このままずっとここに居たいとさえじてしまう。
「晴くんの事、もっと可がりたいな。そうだ、耳かきもしてあげますね」
「耳かきは……流石に恥ずかしすぎるっていうか……。今でもとんでもないくらい恥心が押し寄せてきてるのに」
「膝枕だけじゃもったいないです。きっと気持ち良いですよ、晴くんの耳のなかをもぞもぞって」
ユキは甘い聲を囁きながらそっと俺の耳たぶに指をそわせる。それから耳のをなぞるようにしてゆっくりとで始めた。
ぞくぞくとした覚が背筋を駆け上がってくる。彼の指先が優しく円を描く度に、くすぐったさと共にじる熱っぽい心地よさに満たされていく。
「……っ!? ユ、ユキ……?」
「どうですか? くすぐったいですか? もしかしたら癖になるかも」
「や……やめ……」
「ふふ、だーめ。やめないです」
思わず吐息がれそうになるのを必死に堪えていると、ユキの甘い笑みが溢れたのが聞こえた。
耳の側を軽く引っ掻かれると、ぞくりと甘い痺れが走る。反的にびくりとを震わせれば、彼はさらに楽しげに指をかした。
「あは……晴くん、可い。耳をられるとそんな反応しちゃうんだ……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。これ、思った以上に恥ずかしいんだって……」
「ううん、大丈夫ですよ。これはお晝寢ですから。だから何も恥ずかしい事じゃないのです。ほら、素直になってくださいね」
さっきまで俺の耳をなぞるようにれていたユキの細い指先が、今度は耳の中へとってくる。そして中でぴたりと止まったと思った瞬間に、彼はそのままかりかりと爪を立てた。くすぐるような刺激と、微かにじる甘い刺激。その二つが混ざり合って、頭の中が溶けてしまいそうだった。
それは今まで経験したことの無いような不思議な覚で、自分でも知らないような場所を、大切なユキにられている。これがただの耳かきなら、耳の中が綺麗になれば終わりなはずで、けれど今ユキがしているのは俺への悪戯だ。
俺は今ユキに弄ばれている、その事実がまた一層、得の知れない覚を生み出していく。こんな狀況なのに興してしまう自分がけないと思いながらも、彼の手のきに合わせてが跳ねてしまうのを抑えられなかった。
「晴くんの意外な弱點を見つけてしまいましたね……こんなに可いところを見せてくれるだなんて。もっと早く知りたかったです」
「し、知られたくなかったし、そもそも俺も知らなかった」
「ふふ、あたしだけが知っている晴くんの……ですね」
「……っ」
耳元で囁かれた妖艶な聲がじわりじわりと染み込んでいく。全に刺さるような甘い覚が広がって俺は小さくを捩った。
「と言えば……晴くん、あたしに隠している事がありますよね?」
「え……?」
「あたし、気付いていましたよ」
「気付いていたって……何が?」
「ふふ。膝枕をする前、見てましたよね、さっき。ずっと」
何を見ていたのか――俺はそれを誤魔化そうと思ったけれど、彼の青い瞳には何もかも見かされていると悟って諦めるしかなかった。素直に謝ろうと観念する。
「し、下著がつい見えちゃったから、そのまま……ごめん」
「素直で良い子ですね。よしよし」
耳から手を離したユキは子供をあやすように俺の頭をでる。さっきの耳への悪戯でとろけそうになっている俺には、彼からこうして頭をでられている事すら甘い刺激にじてしまう。
「そんな素直で良い子な晴くんに……ご褒をあげますね」
そう言ったのと同時にほんのりと甘く爽やかな汗を含んだ香りが漂ってきて、それが一何なのかを理解した瞬間に心臓が跳ねた。
俺の顔の真橫で紺のスカートをたくし上げるユキ。黒いタイツに包まれた彼の下半が俺のすぐ目の前にあって――さっきまでちらりとしか見えなかったスカートの中が俺の視界いっぱいに広がっていた。
タイツ越しのむちっとしていてらかい、そして下著のや形までもがはっきりと分かってしまう。可らしいリボンの付いた水の下著、見てはいけないと思いつつも視線が釘付けになってしまって目が離せない。
ユキはあの妖艶な笑みを浮かべたまま、じっくりと俺を見つめながらスカートをはためかせていく。の子の匂いが濃くなって、ユキの太ももという楽園に顔を埋めて俺は固まったまま、彼の足が揺れる度に視界が変わって、その景はまるで夢の中にいるかのようで思考が上手く働かない。
「晴くん……もっとこちらに來ても良いんですよ?」
「え、あ……」
もっと近寄れば、俺は彼のスカートの中に顔を埋める事になってしまう。それをユキは分かっているはずで……いや、分かっているからこそ俺をその中へとい込もうとしていた。
「晴くんはあたしにもっともーっと甘えても良いんです」
俺の頭を優しくでながら、もう一度耳元で囁いた。溶けた砂糖のように甘い聲、脳髄を痺れさせるほどの甘な響きだった。
「おいで……晴くん」
彼の聲が、吐息が、俺に殘る僅かな理をも壊し始めていた。スカートをたくし上げたその先に広がる景――のようにとろけた甘い、俺はゆっくりとユキの方へを寄せていった。甘酸っぱい汗の濃い匂いとの子特有のらかな香りが強くなっていく。あとし、もうしだけ近づけば――そう思った時だった。
學校中に響く予鈴のチャイムが、甘い甘い二人の時間の終わりを告げる。
お互い無言のまま數秒の時間が流れる。俺は今自分がしようとしていた事に驚いて、ユキも我に返ったのか慌ててたくし上げていたスカートを元に戻した。
「じ、時間ですね……」
「あ、ああ……戻らないと」
「あ、あたし……屋上の鍵とブルーシート返しに行ってきます……!」
ユキは顔を真っ赤にした後、履きを履いて立ち上がる。俺もすぐに立ち上がって靴を履き、ユキと二人でブルーシートを畳み始めた。彼はそのまま畳んだブルーシートを持って、屋上の施錠を外した後に急いで階段を下っていった。
殘された俺はため息混じりにベンチの背もたれへを預ける。あとほんの僅かな時間があればきっと、俺はあのままユキの甘酸っぱい濃い匂いと共に、彼にとって一番らかなあの場所を堪能していたはず。
それが出來なかった殘念さが半分と、何も起きなかった安堵が半分、複雑な心境に思わず苦笑いしてしまう。
そして深呼吸しながら俺は青空を見上げる。今日は何度見ても素晴らしい秋晴れだ。眩しいくらいに輝く太と澄み切った青がしかった。晝寢は出來なかったけど、晝寢以上に良い経験が出來たと今日の晝休みを振り返りつつ、俺も教室に戻ろうと立ち上がる。
――放課後の帰宅途中、急に天気が悪くなって土砂降りになるだなんて、この時は夢にも思っていなかった。
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