《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第10話、クリスマス⑤
12月25日、クリスマス當日。
今日は秋奈と立夏が俺の家に來て、俺とユキを合わせた4人でパーティーをやる。
クリスマスの飾り付けは昨日ばっちり終えているし、父さんと母さんも俺達を気遣ってくれて今日は一日外出してくれている。つまり4人でいくらはしゃいでも大丈夫というわけだ。
きっと父さんも母さんも昨日のイブで俺達と一緒に居られた事に満足して、今日は二人で過ごしたかったのだろうと思う。朝からおめかしして手を繋いで出かけていって、結婚してから何年経っても熱々な姿を俺とユキに見せつけていた。
そして昨日俺の家に泊まっていったユキ。お風呂にった後、俺が中學の頃に著ていたジャージを貸していた。彼の服はここにはないので一旦マンションに戻って、支度を整えてから戻ってくるという事になっている。
そして今はリビングで一人きり。テレビ番組もクリスマス一に染まっていて、どのチャンネルを見てもサンタ帽を被ったアナウンサーやタレント達が忙しそうにしていた。垂れ流しになっているテレビを橫目に窓の外を眺める。
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外では今日も雪がちらついている。
この寒い中、俺の家まで來てくれる彼達の為にも部屋を暖めておかなければと思った。
クリスマスパーティーの會場である自室のファンヒーターにスイッチをれて、それからキッチンの戸棚にあったクッキー缶を引っ張り出してきてテーブルの上に置いた。本當ならコタツも俺の部屋にあったのだが、それはマンションの方で使っている。今日はファンヒーターにフル稼働してもらおう。
みんなを迎えれる準備を終えて、ベッドに座り込むとスマホが震えた。秋奈からメッセージが屆いていて畫面をタッチする。
『晴、今そっちに向かってるよ』
『こっちも準備出來てる』
『ただね……マップアプリとにらめっこしてるんだけどさ、いまいち何処なのか分からなくて』
『それなら迎えに行こうか?』
『本當に助かるよ。もし良かったら來てしい』
『今どの辺にいるんだ?』
『近くに青い屋の家があって庭が広くて……その隣にある白い建の前、で分かるかな? 難しいかな……?』
『いや、今ので分かった。すぐ行く』
メッセージを読み終えて立ち上がる。ここからだと歩いて10分くらいの場所だ。俺はファーの付いた黒いコートを羽織った後に革のブーツを履いて外に出る。冷たい風が顔に當たって思わず震いしてしまう。差した傘には白い雪がすぐ積もり始めていた。
道にうっすらと積もった雪を踏みしめながら歩くこと數分。秋奈から教えてもらった場所に著いていた。そこは住宅街の一角にあって周りには民家が立ち並んでいる。
目的の場所を俺は良く知っていった、青い屋が特徴の一軒家で隣の白い建との間に広い庭がある。
そこだけ見るとまるで話に出てくるような可らしい外観。俺は小學生の頃、その家に何度も訪れたことがあった。偶然とはいえ驚いた。そこはユキが住んでいた家だった。彼が海外に行くまで暮らしていた場所、送り迎えする為に毎日のように訪れたのを覚えている。
今はもう別の人が住んでいる。思い出の場所に俺達の知らない誰かが住んでいる事をし寂しく思いながら、秋奈と立夏の姿を探した。辺りを見回しながら歩いていると、後ろから「はーるっ!」と聲をかけられたので振り返った
するとそこには笑顔を浮かべる秋奈がいた。彼は薄手のカーディガンの上にダッフルコートを著ていて首元にマフラーを巻きつけている。背中には大きめのバッグを擔いでいて、傘を差していない反対側の手には紙袋を持っていた。
バッグの方の中は分からないけれど、紙袋は多分今日のパーティー用のお菓子とか飲みがっているのだろう。
秋奈はにこにこと嬉しそうな表を浮かべながら俺の元に駆け寄ってきた。
「やあ晴。迎えに來てくれてありがとう」
「迷ってたみたいだし當然の事をしたまでだ。ところで立夏は? 別々で來たのか?」
「ううん、それがね風邪ひいちゃったみたいで今日は來れそうにないんだ」
「え? 大丈夫なのか?」
「熱がちょっと出て、大した事はないそうなんだけど。うつしちゃうと悪いからって」
「そうか……じゃあ後でお見舞いとか行った方が良いかな?」
「大丈夫。すぐ良くなるとは思うから、気にしないで良いと思うよ。元旦から家族と旅行に行くそうでね、風邪を長引かせたくないらしい」
「なるほどな、あいつ旅行に行くのか。秋奈がそう言うなら分かった。一応メッセージだけでも送っておくか」
「うん、メッセージだけでも喜んでくれると思う」
「またの何かの機會に埋め合わせしてあげないとな。クリスマスパーティーを初めに言い出してくれたのも立夏だったし」
「そうだね。でもまずは今日を楽しまなきゃ損だよ。立夏も楽しんで來てと言っていた、早く行こう。用意したクリスマスケーキが崩れないうちにさ」
「ああ、急いで帰ろう。でもその前にほら」
俺は秋奈に向けて手をばす。その手を見て、首を傾げて不思議がる秋奈。どうやら俺の意図は伝わっていないようだった。
「荷持つよ。重そうだし」
「え、良いのかい?」
「ああ。寒い中ずっと歩いてきたんだろ、荷くらい俺が持つよ」
「ありがとう、本當に晴は優しいね」
嬉しそうに微笑んでから、秋奈は持っていた紙袋を手渡した。結構ずっしりとしていて重い。中を確認するとクッキーやらチョコレートなどんなお菓子に飲みまでっていた。袋にっている白い箱の中はきっとクリスマスケーキだろう。こんな沢山のものを用意するのは大変だっただろうに、本當に頑張ってくれたんだな。
改めて謝しつつ、俺は秋奈と並んで自宅へと向かって雪道を歩き始めた。
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