《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第10話、クリスマス⑦

やはりクリスマスというのは自然と浮かれてしまうものだ。學校でしていたような普段の他もない話ですら、クリスマスの音楽と飾り付けがあるだけでとても楽しいものに変わってしまう。

秋奈が買ってきたお菓子だって味しさは倍増しているようにじるし、それは俺だけでなくユキや秋奈も同じように思えていただろう。いつもより口數も増えていて、楽しそうにずっと笑っている。

そして々と話すうちに、自然と昔話が増えてきた。その容は小學生の頃にまで遡っている。

「なるほどね。ずっと聞きたかったんだよ、晴と白鳩さんの出會いの話」

「はい。いじめられていたあたしを晴くんが助けてくれたんです」

「あの時はびっくりしたよな。ユキの周りに悪ガキが寄ってたかってさ」

「凄い勇気だと思うよ。ボクが晴と同じ立場なら……その年達に當たりだなんて出來なかったと思う」

「あの時の俺は――まあなんていうか、あんまり頭が良くなかったからな。後先考えて行する事なんてなかったし」

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「打算無く行出來る、というのは褒めるべき事だと思うよ。正義の強さ、本當に尊敬する。だって今もそうじゃないか」

「今も……そうか?」

「うん。白鳩さんとの出會いもそうだけど、ボクとだって変わらない。見た目がどうこうとか周りがどうだなんて気にしない。キミは損得気にせずボクと仲良くしてくれただろう?」

「確かにまあ、秋奈ともそうだな」

秋奈と知り合った當時もユキの時と同じで、秋奈が周りからなんて言われているのか知らなかったしな。他の男子は秋奈に向けて散々な言い様だったのは仲良くなった後に知った事だ。まあそれを知っていたとしても、秋奈とは仲良くしようとしたはずだけど。

「晴くんはそういう所が素敵です。他の方はまず見た目から人を判斷しようとします。でも晴くんはそうではありません。人の面を見てお話してくれます」

「だよね、白鳩さん。この高校にって、晴と同じクラスになれて良かったよ。おかげで學校生活も隨分と楽しませてもらっているからね」

「あたしもです。3年間、ずっと同じクラスで居たいものですね」

「ボクもぜひお願いしたいよ。進級した後のクラス分けで別々のクラスになるなんて絶対に嫌だからね」

「俺もユキと秋奈とは同じクラスが良いな。出來れば3年間ずっと」

ユキと秋奈の二人が同じクラスというのは本當に心地が良い。教科書を忘れてしまった時や授業で分からなかった事、そういう困った時に手を差しべてくれる神のような存在が二人も傍に居るのだ。あの居心地の良さを知ってしまったら別々のクラスになるなんて事は考えたくないくらいだった。

「來年の初詣でまたお願いしてくるか。お賽銭は発しないとな」

「とっても良いですね。あたし達の願い事、葉えてもらいましょう」

「初詣? 晴と白鳩さんは一緒に初詣にも行くのかい?」

「小學生の頃は毎年行っててさ。ユキも帰ってきてくれたし來年になったら一緒に行かなきゃって思ってる」

「おみくじも引きたいですね。來年の運勢は何が出るんでしょう」

「ユキって毎回大吉だよな。俺は良くても中吉だけど」

俺達の會話を聞きながら、秋奈はし寂しげな表を浮かべていた。何かを考えているようで口を閉ざして黙り込む。どうしたのかと聲をかけようとした瞬間、顔を上げて笑みを浮かべてみせる。

「ど、どこの神社に行くのかは知らないけれど、初詣に行く時は風邪とか気を付けてね。ほら參拝客が多いと誰が風邪を引いててもおかしくないし……うつされちゃったら新年早々大変だろう?」

「ですね、気を付けましょう。うがい手洗いはしっかりと。ね、晴くん」

「そ、そうだな」

一瞬だったが秋奈の目は悲しそうに見えた。

気のせいだろうか、それとも俺の考えすぎか。でもやっぱり今の秋奈の笑顔は何処か強張っているようで、無理して笑っているようにそう思えて仕方ない。

「秋奈は三が日を何して過ごすつもりなんだ?」

「そうだね。家でごろごろしているよ、立夏は元旦から家族と溫泉旅行らしいし。他に行く所もないからね」

「家でごろごろ……な」

秋奈は寂しいんじゃないだろうか、ふとそう思った。秋奈の格は分かっているつもりだ。夏休みに大きく見た目を変えたけど、中は殆ど変わっていない。引っ込み思案で口下手で言いたい事を言い出せない姿を學校でも何度も目にした事はある。そんな秋奈がさっき何をじていたかなんて事、し考えれば分かるというものだ。

秋奈は俺達と一緒に初詣へ行きたかった。

それを言い出せない彼に俺は手を差しべる。

「正月休み、暇だったら秋奈も一緒に初詣へ行かないか?」

「え……ボクも、連れてってくれるの?」

「秋奈がもし良かったらなんだけどさ。嫌か?」

「嫌じゃない。い、行きたいっ!」

その返事を聞けて、さっき考えていた事が間違いじゃなかった事を知れて、俺も嬉しい気持ちになって自然と頬が緩む。そしてユキも俺と同じことを考えていたようだった。

「晴くんは流石です。あたしが秋奈さんをうより先に言い出すだなんて」

「やっぱりユキも?」

「今の秋奈さんを見ていたら分かります。わないわけにはいきませんね」

「白鳩さんも……本當にボクがついて行っても……?」

「はい、もちろんです。みんなで一緒に初詣へ行きましょう」

ユキの優しい言葉を聞いた瞬間に、秋奈の目元が潤んだように見えた。それを誤魔化すように慌てて目の辺りをって涙を拭った後、照れくさそうな笑顔を見せて秋奈は小さくお辭儀をした。

「じゃあ初詣も良かったら一緒に、本當にありがとう」

秋奈の謝の言葉を聞いて、俺達は顔を見合わせて微笑んだ。

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