《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第5話、バレンタイン②

今日は育の授業もなく、どの授業も普段よりもやんわりとした容で、それにストーブで暖まった教室が眠気をう。うつらうつらとしたまま過ごしていると、あっという間に學校での一日を終えて放課後だった。

その眠気もあってバレンタインを間近にふんわりと浮ついていた気持ちも落ち著いて、途中からは普段通りのまま過ごす事が出來た。

今はちょうどユキからもらったマフラーを巻き、コートを羽織って帰り支度を済ませようとしていた所。他の生徒達が教室を出ていく一方で、ユキは自のスマホを眺めながら悩んでいるような表を浮かべていた。

「ユキ、何を見てるんだ?」

「あ、晴くん。しだけ考え事を……」

小さくため息をつきながらスマホを鞄へと片付けるユキ。その様子をしだけ気にしつつも、俺は鞄を肩にかけて立ち上がる。冬の天気はすぐに顔を変えるから、穏やかなうちに下校しようと思っていたのだが。席を立った直後にユキが俺の方に手をばした。

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コートの裾を摑んでこちらを見上げるユキ。

突然の事に困しつつ、どうしたのかと聞いてみる。

「やっぱり困り事なのか?」

「は、はい……一人ではどうしようもない位には悩んでいます」

「何があったんだ、言ってくれ」

學校に居る時のユキがこうして不安げな表を浮かべるのは珍しい事だ。いつもはクラスメイトに囲まれて爽やかな笑顔を振りまくユキが、校で悩みを吐するというのはよほどの事態なのだろうと思い、俺はユキの次の言葉を待った。

するとユキは意を決したように小さく息を吐いて、教室に他の生徒達がいない事を確認した後、真剣な眼差しで俺の顔を見つめる。

「あ、あの、晴くん――バレンタインのチョコレート作り、手伝ってもらえませんか……?」

「え? バレンタインのチョコ?」

「い、一緒にチョコレートを作ってしいのです……。晴くんさえ良ければ……ダメですか?」

「いや……別に構わないけど」

それくらいお安い用なのだが、どうして俺とチョコレートを? と首を傾げるとユキはおずおずと事を話し始めた。

包帯を巻いていた頃のユキにとってバレンタインと言えば、誰かからチョコレートをねだられるなんて事は一度もなくて用意するチョコレートは必ず一つ。

らしいリボンで裝飾のされた赤い箱に手作りのチョコをれ、それを下校する直前の靴箱の前で俺に渡してくれる。恥ずかしがって照れながら、もじもじと目を逸らしながらも勇気を出して、ユキが俺を喜ばせようとチョコレートを手渡す姿を今もはっきりと覚えている。

けれど包帯を外し天使のように可い素顔を見せた今、彼を取り巻く環境は大きく変わった。彼のチョコレートを求める男子達が大量に現れたのだ。

「あたしのチョコレートをしいと言って下さる方の為に、一つ一つ用意しようと思ったのですが……間に合いそうになくて」

「まさか全員に……か?」

「はい、全員です……」

今までチョコレートをねだられた経験がなかったから、それを上手に斷ったりする事も出來ず、ユキはそのまま全て抱え込んでしまったというわけだ。健気で素直で優しいのはとても良い事だとは思う。ただ今回ばかりは彼の誠実さが故に、それが大きな負擔となってしまったようだ。

ユキの話を聞いて思わずため息がれる。

何人分を用意するのかは定かじゃないが、ユキ一人で対応しきれないというのなら相當な數だろう。彼はこつこつと準備するタイプなので、以前からバレンタインに向けて用意していたはずだが、連日のように新しい人からチョコを頼まれてきっと予定していたスケジュールもパンクしてしまったに違いない。

「それで貓の手も借りたい狀況になった、ってわけか」

「うう……ごめんなさい、晴くん。こんな事になるなんて思ってなくて……」

「いいよ、謝らなくても。遠慮せずに頼ってくれ」

「ありがとうございます……」

しゅんと肩を落とすユキを勵ますつもりで、ぽんと頭をでた。今回の経験を活かして來年のバレンタインはきっと上手くやるはずだ。今はとにかく明日のバレンタインに向けて、ユキのチョコレート作りを協力するのに集中した方が良いだろう。

「それじゃあ帰って明日に向けて準備をしよう」

「はい、お願いします。晴くん」

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