《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第5話、バレンタイン③

キッチンでエプロンをに付けて腕まくりをする俺。やる気満々でキッチンに立っているわけだが、今の時點では作業の量がどれくらいなのかを知らなかった。そのままユキが來るのを待っていると、彼が部屋から持ってきたそれを見て口をあんぐりと開けたまま固まった。

が持ってきたダンボール箱には大量の板チョコレートが未開封のまま詰まっていて、それにラッピングの資材などもこれでもかという位にっている。その景を見ただけで俺は顔を青ざめさせた。

「あの……殘り半分は昨日までに終わらせたのですが……まだこれだけあって」

「こ、これが殘り半分か。材料費だけでもやばそう、だな」

「今後の食費だったり……お金の面では、晴くんに絶対ご迷はおかけしないので……」

食費は折半しているので、バレンタインの準備にお金を使い過ぎた事を申し訳なく思っているのだろう。けれどそこは心配ない。ユキには味しい料理を毎日振る舞ってもらっているし、普段から俺の方が多めに負擔した方が良いと思っていた位だ。今回の件でお金を使いすぎていてもカバーするつもりでいた。

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「まあお金の方は気にするなって。ともかく今は明日に向けて、チョコレートの方をどうにかしないとな」

「ありがとうございます、晴くん……作るのはこれです」

ユキはダンボールの中から既にラッピングまで終わっているチョコレートを取り出した。ハートや丸形、星形に花のような形をしたチョコレートにカラフルなトッピングが施されていて、それが明な袋にいくつかって、その一つずつに可らしいリボンが巻いてあった。

大量に作る必要もあるので、チョコレート自は手間が省けるように簡単なもので、ラッピングも既製品を上手に活かしてあるようだ。しかし、量が量なのでユキ一人じゃ全てを綺麗に用意しきるのは無理だろう。

二人でやったとしてもかなりの時間を要する事になるはずだし、これは作業に集中する必要がありそうだと思いながら、ユキの持ってきたダンボールの中を覗き込んでいた。

ユキは俺の方を向いて申し訳なさそうな表を浮かべていた。

「そんな顔するなって。大丈夫、二人なら十分間に合うさ」

「うう……本當に助かります」

落ち込む様子のユキの頭を優しくでた後、俺達は早速バレンタインのチョコレート作りに勵む事にした。最初に俺がしたのは、ユキの指示に従ってチョコレートを細かく刻むところからだった。

二人でそれぞれまな板の前に立って、包丁を使ってチョコレートを細かくしていく。それからボウルに移し替えたチョコレートを湯煎で溶かす。そして溶けたチョコレートをユキが用意した型にれて冷やして固め、最後にユキがトッピングしていった。

そして途中から俺達は作業を分擔し始める。昨日のうちに固め終えていたチョコレートをユキが綺麗にラッピングし、俺はその間にチョコレートをまた細かく刻んで湯煎で溶かす。

単調な作業であるがとにかく數が多い。

もし俺がこうして手伝いをしなかったら、これが全てユキ一人の負擔になっていたわけで……そしたら寢ずに朝まで作業を続ける事になったかもしれない。彼の健康の為にも、出來る限り負擔がなくなるように頑張ろうと、俺は一心不に作業を続けた。

そして――ようやく作業が終わったのは、日付をいだ深夜2時頃。最後の一つのラッピングが終わった瞬間、達と同時にどっと疲れが溢れ出たようにじた。隣ではユキも同様に疲れ果てていて、その場に座り込んでゆっくりと息をついていた。

「ありがとうございます……晴くん、無事に終わりました」

「ユキ、頑張ったな。一つも手を抜かずに丁寧だったし、本當にユキは凄いよ」

「晴くんが手伝ってくれたからです、あたし一人じゃ終わりませんでした……」

「ユキの手際が良かったからさ。俺は全然大した事はしてなかったし」

ぺこりと頭を下げるユキ。俺はそんな彼に手を差しべて立たせると、二人でリビングへと移した。ソファーに座って一息ついたら部屋に戻って寢ようと、そう思っていた。

ユキからチョコレートを手渡されて歓喜に震える男子達の姿を想像しながら、子にとってのバレンタインは大変なものだなと苦笑する。まあユキの作ったチョコレートの半分は俺も関わっているわけなのだが、それを知られるとやばい事になりそうなので伏せておいた方が良さそうだと、それをユキに伝えようとした時だった。

急に肩へ何かが當たったがあって、その何かを橫目で確かめた。

ふわりとじるシャンプーの甘い香り、すうすうと聞こえる可らしい寢息。

ユキの頭が俺の右肩に寄りかかっていたのだ。瞼を閉じて穏やかな表を浮かべて、ユキは俺の真橫で夢の世界に落ちていた。

は毎日のようにバレンタインに向けて準備していたわけで、きっと寢不足な日々が続いていたのだろう。そんな仕草を全く俺に見せる事はなくて、普段と変わらない様子だったから気付かなかったが、かなりの疲労が溜まっていたはずだ。

「全く……頑張り過ぎだぞ、ユキ」

そう小聲で囁きながらユキの頬を指先でそっとでる。ぐっすり眠っているのか反応はなくて、俺の肩を枕にしたまま気持ち良さそうに眠っていた。

らかなユキの頬を堪能しながら、あどけなさの殘る可らしい寢顔を見つめた。長いまつに整った鼻筋、ふっくらとして潤んだ桜、そのどれもがしくおしく思えて、そして今それは俺だけのものなんだと考えるだけで幸せな気持ちに包まれた。

しばらくの間、ユキの安らかな眠りを妨げないようにじっとしていたのだが、彼が寢返りを打とうとして勢が変わったのを見て、これだと朝まで起きそうにないなと彼の部屋にまで連れて行く事にした。

ユキの頭を優しくでた後、そっと彼を抱き上げる。彼は背も小さくて、小柄だから重いとじる程ではない。けれどしっかりと付きのあるの子らしいらかなをしているので、こうして抱き上げているだけでも思わずドキドキしてしまう

冷靜さを失わないよう、必死に煩悩を振り払いながら彼を起こさないよう靜かに歩き、ユキの部屋の前まで來たところで一旦足を止める。扉を開けるのに四苦八苦しながらも、なんとか開けることが出來た。

普段はあまり立ちらないユキの部屋。

足元に気を付けながらベッドに近づき、ユキのをゆっくりとベッドに下ろした。

ぐっすりと眠っている姿を見て、起こさずに連れて來れた事にほっとで下ろしながら彼布をかけた。部屋を出ていく前にもう一度ユキの寢顔を見る。さっきと変わらず幸せそうな顔をして眠るユキを見つめて、そっと彼に聲をかけた。

「おやすみ、ユキ。良い夢を」

その言葉にユキは優しく微笑んだように見えて、俺は安心してユキの部屋を出る。そしてそのまま自分の部屋へと戻った俺は、布団を被る前にスマホへと手をばした。

「さて……明日は早起きしないとな」

スマホのアラームを珍しい時間に設定した後、忘れずに充電して目を閉じる。毎日のように頑張っていたユキ。俺も彼を支えられるように頑張らないとなと思いながら、すぐに夢の中へと意識を手放すのだった。

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