《包帯の下の君は誰よりも可い 〜いじめられてた包帯を助けたら包帯の下はで、そんな彼からえっちで甘々に迫られる高校生活が始まります〜》第6話、ホワイトデー④

初めて訪れる立夏の家の中、そこは想像を遙かに上回る豪邸だった。

何階建てなのか分からないほど高く、広いエントランスホールに高い天井。綺麗に掃除された床には汚れ一つない。こんな場所に足を踏みれるのは初めてなので、靴をぐ場所を探すのにも一苦労してしまった。

俺の家とは比べにならないくらい広くて立派な造りなのに、立夏曰くこの家は本當の意味で飾りみたいなものなのだという。財界の有名人やらを招待してパーティーを開いたり、小鳥遊家の権力と財力を誇示する為の言わばハリボテに過ぎないらしい。

「だからハリボテだと思って來て、って言ってたのか……」

「そういう事。住むにしては広すぎるしさー、部屋余らせちゃってるんだよね。掃除するのも大変だからメイドさんとか何人も雇ってるし」

「すげえな……メイドさんまで雇ってるって俺には現実離れし過ぎて言葉が出てこないぞ」

「まぁわたし一人っ子だし? パパもママも忙しい人であんまり家にいないから寂しくてさー。ちっちゃい頃はメイドさん達が良い遊び相手になってくれたりして、本當にお世話になってるんだよねー」

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父親も母親も家にいなくて寂しい、か。

毎日親と顔を合わせて生活していた俺にはその寂しさが想像出來ない。けれどきっと、子供ながらに辛い思いをしてきた事だろうとは思う。それでもこんな明るい子に育ったのだから、彼の言うメイドさん達はよっぽどできた人達なのかもしれない。

そうして話をしていると俺は小鳥遊家のキッチンへと通される。そこはまるで大きなレストランの廚房のように立派だった。並べられたたくさんの調理、一般家庭にあるようなものから、家では見た事のないような変わった形のものまで々な揃っている。

俺は思わず嘆の聲をらした。

キッチンをぐるりと見渡すと、奧の方には冷蔵庫や食棚などもある。これだけ設備が整っているのは良いのだが広すぎる。

あまり料理が得意とは言えない俺が借りるにはしばかり――いや、かなり手に余ってしまうのは明白でどうしたら良いのかと呆然としてしまう。

「あはは、雛倉くんお口開けたままぼーっとしてる」

「いや……キッチンも凄すぎると思ってさ」

「広すぎるのも問題だよね~。調理一つ取るにしてもあっち行ったりこっち行ったりしなきゃだし」

「確かに……これだと食探すだけでも大変そうだ」

「家でパーティーするって言ったじゃん? たっくさん人來るからさ、それ用に無駄に広いんだよね~。ま、今日のお菓子作りに使うとかは全部一つにまとめてあるから。あそこのスペースだけ使って早速作っていこうー!」

立夏はそう言って楽しげな様子でエプロンを著ける。

俺も彼にならうように手渡されたエプロンをに著けた。ふわりとしたらかい生地でできたシンプルなデザインで著心地も良い。こうしてエプロンを著けただけでもやる気のスイッチがるなと、腕まくりをしながらさっそくお菓子作りをし始めようと思った。

「わたしが指示しておいた材料とかは買い揃えてるねー、よく出來ましたー」

「ああ、スマホに書いてあったのは全部買ってきたと思う」

お菓子を作るのが初めてな俺でも簡単に味しいものが作れるようにという事で、立夏から指示された材料で作るのはクッキーだった。小麥だったり卵だったり、溶かして混ぜるココアパウダーに後はバターも忘れていない。

それと『型抜きは種類がたくさんあると映えるクッキー作れて良いじになるよー』という立夏のアドバイスを元に、んな形のものをいくつか購してきた。ただラッピングについてのセンスが俺にはないので、それだけは立夏から用意してもらっている。

袋にれられた材料を並べて確認し、それを見ていた立夏は「うん大丈夫だねー」と言って微笑んだ。

「それじゃあ早速お菓子作りを始めますが、雛倉くんには先に伝えておくべき事がありまーす」

「なんだろうか、伝えておくべき事って」

「それは、余計な事をしない、でっす!」

立夏はスマホに映っているクッキーのレシピを見せながら『余計な事はしない』というアドバイスの重要を伝え始める。

「料理が下手な人が失敗する原因の大半が何か、雛倉くんは分かる?」

「え……なんだろう、砂糖と塩を間違える、とか?」

「ぶぶー、違いまーす。砂糖と塩を間違えるのはうっかりさんにも程があるよー? 正解は『変にアレンジを加える』でしたー」

「あ……」

そう言われて思い出す。以前ユキにペペロンチーノを作ってあげた時の事だ。

味としては味しい部類だったのだがユキが普段作っているペペロンチーノの味に到達出來ず、それなら俺特製パスタを作り上げようと

意気込んだ結果、出來上がったのは理想とは程遠い何か。味しくしようとアレンジを加える度にどんどんと味の不協和音を生み出していったのを覚えている。

「料理が下手な人でもさ、ちゃんとレシピ通りに作れば失敗なんて滅多にないんだよ。けど下手な人はレシピにない事をしちゃったりして、それが結果的に大慘事になっちゃうってわけ」

「なるほど……確かにその通りかもしれない」

「それに今日作るのは初心者向けの簡単なものだからねー。変に手を出したりせず言われた通りにやっていけばまず間違いはないから、それに橫で見てるから安心してねー」

「了解だ。よろしく頼む、立夏先生」

「あはは、先生って良い響き。それじゃあ早速始めちゃおー」

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