《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》16.一方その頃、勇者ビビアたちは⑥~

16. ~ 閑話 一方その頃、勇者ビビアたちは⑥~

「隣に侍《はべ》る神ぃ???? はぁ、何よ、それ???? ん? いや、でもそれってどこかで聞いたことがあるような・・・」

「1萬年以上前のおとぎ話ですよ。いわく、世界を救う勇者が現れる時、その隣にはあらゆる助けを行う神が侍《はべ》る、と」

「あいつが神だって言うの⁉」

「ああ、いえいえ。さすがに神ではないと思いますけど・・・。伝説なのでエッセンスだけ殘されたんだと思います。恐らくですけど、アリアケさんは神に選ばれた存在なんじゃないでしょうか。例えば神の使徒として神託をけていらっしゃるとか? 例えば、私たち勇者パーティーを後方支援せよ、とかでしょうか。まあ私の勘ですけど」

「そんなわけない! あいつが私たちより優秀だなんてことある訳ない!」

え、そこですか。

「えーっと、まあ、いえ、いいんですけどね。理解できないことは、そのままで。無理しなくても。ですが、ダンジョンにもぐって分かったと思いますけど。されたと思いますけど、彼はあらゆる補助スキルでこのパーティーを助けていたんですよ。ですが、もちろん、それだけではありません」

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私はそろそろフェンリルに集中しだす。まもなく、戦闘の間合いとなるからだ。

「アイテムの管理、罠の発見と回避、ダンジョンナビゲート、スケジュール管理、魔力・力量管理、食糧調達、休憩場所の確保。旅に必要な準備や技のほとんどはアリアケさんがもたらしてくれたものでしたよね? それって、おとぎ話のまんまじゃないですか?」

おとぎ話の中でも、その神様というのは、勇者に必要な助言や準備を手伝ってくるありがたい存在として描かれる。魔王討伐に集中できるのは、その神様のおかげだったと言う風に。

「そ、そんな・・・。じゃ、じゃあ私たちは」

プララさんがやっと現実を理解し、顔を更に青ざめさせ始めた。

だけどもう遅い。彼は遠くに行ってしまった。というか、きっと田舎で畑でも耕そうとか言っているだろう。あの私の英雄は、ひどく一般人のように振る舞うからだ。それがまた周りのマイナス面の誤解を招く。特別な存在なのに。

そして、だからこそ、節がちの人々は、彼の真価に気づかない。でもそれはいい。

私だけが気づいていればいいのだ。それはそれでとても優越のあることなので。聖にあるまじき、はしたない思いですが。

さて、

「あなたたちは勇者パーティーの要を・・・。いいえ、この世界の英雄を、自ら追い出したのですよ。あの人に隨分助けられながら。恩をあだで返すかのように」

プララさんが絶句されてますが、悠長なおしゃべりはここまでです。

「おしゃべりはもうよいか? では死ぬがよい!」

「!!」

フェンリルが跳躍した。

「消えた⁉ ひいいいいいいいいいいい⁉ 助けてえええええええええええええええ⁉」

プララさんは悲鳴を上げながら、私を放って、こけつまろびつ後ろに逃げ出して行きます。

プララさんには消えたように見えたのでしょう。相手が早すぎて見えなかったようですね。っていうか、助けに來た私を放って逃げるとは、ある意味潔いですね。ちゃんとこの先も運よく逃げ切れるといいのですが。

もう結界は解いています。あれはフェンリルさんがビビアさんたちを追いかけない様に張っていたんじゃあありません。

ビビアさんたちが邪魔してこないように張っていたんです。だって、

「なに⁉」

「何を驚いているのですか? フェンリルさん。まさかまさか、一撃で私を屠れるとでもお考えだったのでしょうか?」

ガキイイイイイイイイイン!

鉄と鉄を激しく打ち鳴らすような音が鳴り響く。それは私がフェンリルが振り下ろして來た爪を私のロッドでけ止めた音だ。

地面がミシリと音をたてて砕ける。

だけど、私の勢は崩れない。

「⁉ なるほど、でもアリアケさんの補助がないと、やはり普段の何百分の一程度の力しかでないのですね。さすがあの方は偉大です。さすが私の英雄様♡」

「なにを戦闘中に言っている! 今度は杖ごとへし折ってくれる!」

ブオンと、もう一度大ぶりの一撃が放たれる。

それを今度は、

「しゃらくさいです!」

「なっ⁉」

再度、弾き返した。その衝撃でフェンリルが10Mほどふっとぶ。

「な、なんという力だ。人間・・・。お前はなぜこれほどの力を手にれることができた? いかな呪法に手を染めればこうなる?」

呪法? フェンリルさんがけったいなことを言ってきます。

「修行したからです‼」

私は宣言した。

「しゅ、修行だと? 噓を吐くな! 限界があるだろう。たかだか人間がフェンリルと打ち合うなどと・・・」

「だって、強くならないとアリアケさんの隣に立っていて恥ずかしいじゃないですか!」

「は? アリ・・・誰だそやつは⁉」

フェンリルさんがなぜか戸います。

「もう、アリアケさんはアリアケさんに決まっています!」

私はそう言ってから、

「あの方ったら強すぎて、才能ありすぎで、隣に立っていても助けられてばっかりで・・・。それだと対象として見て頂けないでしょう? やっぱり夫婦は持ちつもたれつじゃないと・・・。並び立てるような存在じゃないといけないと・・・だから頑張ったんです!」

それはもうのにじむような! 反吐はくくらい! いいえ、吐きました。

「だが、お前は聖だか大聖だか言われていたのではなかったか? そういう會話が聞こえて來た気がするが?」

「そんな、よそ様からの評価はどうでもいいんです! アリアケさんのスケールはそんなんじゃないんです。ぶっちゃけますと、アリアケさんにちゃんと私を見てもらうには、、そんな稱號は邪魔なくらいでして。私はアリアケさんにちゃんと評価してもらい、稱號を頂きたいと思っているのです」

そう妻として、人生の相棒的なじの!

「く、くくく」

なぜかフェンリルさんが笑いだしました。

大きなお口に牙をのぞかせながら、ニーっと笑いますので、迫力がすごいですね~。

「面白かった!」

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