《ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ》13 『やぎさんゆうびん』

YO!

元気かブラザーマイメン!

夏は暑くて超ホット!

汗だく全開で猛暑はSOバッド!

俺の好きな一位はユミんちのグッドキャット!

ん?

暑さでついに脳みそをやられたのかって?

……おめー、段々口が悪くなってんな。

いやYO。

実は最近ヒップホップにハマっててYO。

キムラ先輩んちで聞いたラップが超ビーフで。

バリバリかっこよくて、すっかりTORIKOになっちまったってわけ。

DEYO。

どうも俺ってそっちの才能があるみたいでYO、最近はもう自然とライム踏んじまうんだよね。

……なんだよ、その嫌そうな顔は。

なんか文句あんのかYO。

お前の気くさい顔見てると超サッド!

最近はこれでなんでも出來るぜアイパッド!

俺の好きな一位はユミんちのキャット!

どうよ。

バッキバキのライムが決まってんBE。

え?

普通に喋れって?

読者が読みにくくてしょうがない?

何わけワカメなこと言ってんだよてめー。

まあいいよ。

しょうがねえな。

普通にしゃべってやるよ。

いやよ。

ものすげー昔によ、とある村によ。

黒ヤギと白ヤギのおっさんが住んでたのよ。

二人はダチでよ。

離れていたから、手紙を出そうって思うわけよ。

まず黒ヤギは「元気ですか」って手紙書くわけ。

で、それをけ取った白ヤギはよ、久しぶりの黒ヤギさんからの手紙に喜ぶわけよ。

でもよ。

を読もうとした瞬間、白ヤギは我慢できなくて読まずに食べちゃうの。

で、白ヤギはよ、「こないだの手紙の容はなんでしたか?」って黒ヤギに手紙を出すの。

黒ヤギは返事が來たって喜んで読もうと思うんだけどよ、やっぱり我慢できなくて食っちゃうの。

あとはもう無限ループよ。

お互いに手紙を出し合って、そのたびに手紙読まずに食ってんの。

……あのよ。

メール使おうや。

多分おっさんだからスマホとか苦手なんだろうけどよ。

時代についていかねーと駄目だぜ。

まあ俺もよ。

スマホとかよく分かんねーから未だにガラケーなんだけどよ。

しかもらくらくフォンなんだけどよ。

さすがにメール機能はついてるぜ。

黒ヤギのおっさんも白ヤギのおっさんもよ、手紙書けるんならきっとメールも覚えられるぜ。

メェ~とか言ってねえで、まずはケータイ買おうぜ。

通話プランとかややこしくてくっそめんどくせえけどよ。

ん?

……ちょっとまてよ?

よく考えたらこいつら、我慢できなくて契約書とかも食っちまいそうだな。

もうよ、直接會いに行けや。

でよ。

結局二人のヤギは連絡がつかずに疎遠になったらしいぜ。

まじでメールは便利だぜ。

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