《ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ》16 『舌きり雀』
ふんふふーん。
ふふふーん。
ふふん。
ふふふん。
ふーん!
ふふふーん!
ふふふふふふふふふふーん!
……ふん。
ふふん。
ふーんふーん。
ふふふんアメリカ~。
……ん?
お、おい、てめえどっから見てやがった?
え?
かなり前から?
俺がイヤホンで音楽聞きながらエアギターしてたとこから?
……て、てめぇ。
み、見てたんなら早く聲かけろよな。
ま、まあいいよ。
んじゃ、早速今日も始めんべ!
すげー昔よ。
あるところにジジイとババアが住んでたワケ。
でよ。
その夫婦のとこによ、雀がよく飛んで來てたのよ。
で、ある日、雀のの一匹が、ババアの使ってる糊を食っちまったわけ。
そしたらババアぶちギレちまってよ。
雀のベロを切っちまったのよ。
ったくよ、どうしようもねえ、ひでえババアだよ。
糊くらいいいじゃねーかって思うぜ。
でよ。
ジジイも俺と同じように思ったらしくてよ、ババアの代わりに雀に謝りに行くの。
雀の村に著くと、舌を切られた雀が出てきて言うのよ。
「勝手に食べた私が悪いんです。でも、わざわざ謝りに來てくれてありがとう」
つってよ。
んで、雀はそのお禮にっつって、ツヅラをお土産にあげますって言うの。
驚くべき謙虛さだべ。
用意されたツヅラは二つ。
大きいのと、小せえの。
この2択よ。
俺なら迷わず小さい方を選ぶね。
え?
意外だって?
俺ならでかい方を選びそう?
いやよ。
実は俺ぁ、大きい箱のプレゼントにトラウマがあんだよ。
その昔よ、俺の誕生日の日のことよ。
自分の部屋に戻ったら、機の上にメモが置かれてあったのよ。
メモにはこう書かれてあったわけ。
「お兄ちゃんにプレゼントがあるの。私の部屋に置いてるから取りに來て ヤヨイ」
ってよ。
俺ぁ、正直びびったよ。
前にも言ったけどよ、ヤヨイの部屋は超こえーんだよ。
変な魔方陣が描いてあるし、暗がりからよく分かんねー生きの鳴き聲がするし。
でもよ。
可い妹からのプレゼントよ。
無下にするわけにゃ行かねーだろ。
ってことでよ。
行ったよ、ヤヨイの部屋によ。
そしたら、異様な魔方陣の上によ、置いてあったんだよ。
異常にでけー箱が。
なんかドクロがいっぱい書かれててよ。
箱から禍々しいオーラが出てんのよ。
俺は嫌な予でよ、心臓が張り裂けそうだったよ。
でもよ。
思い切って開けてみたんだよ。
そしたらよ……
中には真っ黒いだらけの生きがってたんだよ!
その中心には真っ赤なのようなもんがついててよ!
超やべーじなんだよ!
俺ぁ恐怖で戦(おのの)いたぜ!
そして次の瞬間――
そいつが飛び出して來たんだよ。
……俺ぁあまりの恐怖に気を失っちまってよ。
気付いたら自分の部屋に寢てたよ。
目覚めたら隣には頭に真っ赤なリボンをつけたヤヨイがいてよ。
なんか抱き著きながら、こう言うんだ。
「プレゼント、け取ってくれてありがと、お兄ちゃん」
……こえーよ!
あの箱には何がってたんだよ!
俺ぁ何をけ取ったんだよ!
……え?
その箱、ヤヨイ本人がってたんじゃないかって?
に見えてたのはヤヨイのつけてた赤いリボンじゃないかって?
……まあ確かにヤヨイの量なら、上から見るとだらけに見えそうだけど。
でも、それだといよいよ意味が分からねーだろ。
自分がプレゼントってどういう意味だよ。
ま、とにかくよ。
そういうことがあってよ、俺ぁ、でけえ箱のプレゼントが怖いワケ。
でよ。
ジジイは小さいツヅラ選んだらしいのよ。
んで、話を聞いたババアも雀の村に押しかけて、ババアは大きいツヅラを選んだの。
そしたらよ。
小せえ方には財寶が。
んで、大きい方には――やっぱり妖怪がってたらしいぜ。
マジでけえ箱には要注意だぜ。
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