《ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ》37 『かぐや姫』
ういーっす。
いっやーメンゴメンゴ。
ちっと遅れちまったぜ。
いやよー。
今日はよー。
サテンでレーコー飲んでたら、ちっとトッポいにーちゃんに絡まれてよ。
トサカに來たけどよ。
面倒だからバイナラしてきたぜ。
ほんとチョベリバな気分よ。
じゃ、今日も始めんべ。
昔々あるところによ。
ジジイとババアが住んでてよ。
ジジイが竹を切りに出かけたのよ。
したらよ。
竹がすんげーってたんだって。
ジジイがその竹切ったらよ。
中からすんげーかわい子ちゃんのの子が出てきたんだって。
ジジイとババアはその子に「かぐや姫」って名付けてよ。
大事に育てるのよ。
その甲斐あってよ。
かぐや姫は超人に育ったよ。
そりゃもう荻野目洋子くらい可いのよ。
いや、そんなもんじゃねえ。
マジでありゃあダブル淺野もメじゃねえよ。
ボディコンワンレンのいいよ。
そんくらい人だからよ。
すげーモテるのよ。
まあ、人がモテるのは「當たり前だのクラッカー」だよな。
でよ。
んなやつに求婚されるんだけどよ。
ジジイはその中で一番ナウいやつを選んで、かぐや姫とアベックにしてやりてーからよ。
そいつらに々と試練を與えるわけよ。
でもよ。
かぐや姫はどういうわけかよ。
毎日毎日、メソメソ泣いちゃってんの。
ジジイはよ。
何がそんなに気にくわないのかと聞くのよ。
するとよ。
かぐや姫はこういうのよ。
「私は本當は月からやって來たのです。ですからもうじき、月に帰らねばならないのです」
……いやよ。
これマジで――
おったまげ、だよな。
いやよ。
俺ぁ、この時の姫の気持ちが分かるぜ。
かぐや姫はよ。
んな男にチヤホヤされてもよ。
すんげー虛しかったんだと思うのよ。
彼はそんな贅沢な暮らしよりよ。
殘された時間を、するジジイとババアと過ごしたかったんじゃねえのかな。
見知らぬイケメンたちと過ごすよりよ。
昔みてーに。
家族水らずで暮らしたかったんじゃねーのかな。
でよ。
ある日のことだよ。
かぐや姫が言った通り、ついに月から使者がやってくんのよ。
ジジイはかぐや姫をとられたくねーからよ。
弓とか使って反撃すんだけどよ。
結局、かぐや姫は月に帰っちまうのよ。
いやー、悲しい話だよな。
俺にもよ。
年頃の娘がいるからよ。
ジジイの心を想うと、涙がちょちょぎれるぜ。
ってことでよ。
これって全然めでたしめでたしじゃねぇ――
ん?
なに?
さっきから、あんた一どこの誰なんだって?
いやいや。
そりゃねえだろお前。
俺はあれだよ――
大変申し訳ございません。
申し遅れました。
わたくし、このファミレスで『店長』をやらせていただいている「タケダ」というものです。
……はい。
そうですよね。
いきなり見知らぬおっさんが目の前で語りだしたらビビりますよね。
しかし、聞いてください。
わたくし、実はですね。
お客様たちがいつもここで楽しそうに昔ばなしをしているのを拝見しておりまして。
ええ、ええ。
それはもう楽しそうで。
恥ずかしながらわたくし――
ぶっちゃけ、あのヤンキーさんに憧れちゃいまして。
ええ、ええ。
マジリスペクトというやつですね。
それというのも、ですね。
私最近、この年になって急に、言いようのない孤獨をじましてね。
娘は口を聞いてくれないし、嫁は骨に私を煙たがってる。
部下は私を嫌っているし、社員は私の口ばかり。
今さら親しい友人なんていないし、考えることと言えば殘った家のローンのことだけ。
これといった趣味もなく、家とお店を往復するだけの日々。
……いえね。
かぐや姫じゃないんですが。
時々、無にむなしくて泣けてくるんですよ。
殘りの人生。
もっと自由に生きてみたいってね。
そんなとき、です。
私のお店でいつも楽しそうに話す、ヤンキーさんとあなたを見かけたんです。
二人の姿が、すごく羨ましくて。
特にあの不良の彼。
毎日毎日、なんて楽しそうに暮らしているんだと。
私もあんな風に生きれたらなあ、なんていつも思ってたんです。
で、ですね。
是非、わたくしもあのヤンキーさんみたいに昔話をしてみたいなと。
常々、そのように思っておった次第で。
ええ、そうです。
そのがついに、今日発しちゃいまして。
気付いたら――
お客様の向かいに座ってました。
いや、しかしどうでしたかね。
正直、自分でもなかなかの出來だったと思うのですが……
え?
全然ダメ?
言葉のチョイスが古い?
あと出てくる蕓能人が昭和?
ややっ。
これは申し訳ない。
何しろ私も、今年で50になりますので。
悩んだんですがね。
やはりキョンキョンとかミポリンあたりを出すべきでしたか。
ああ、すいません。
そろそろお晝休憩が終わりますので、バックヤードという名の月の世界に戻りますね。
それでは私はこの辺で。
ドロンさせていただきます。
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