《ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ》42 『かしき長者』
マジで昔々のことだよ。
あるところに、グズでどうしようもねえ、のろまののろ助っていうにーちゃんがいたのよ。
のろ助はよ。
漁師の村に生まれて、毎日船に乗ってたんだけどよ。
いかんせんグズだから、いつまで経っても一人前の漁師になれねえの。
でよ。
どうにも使いようが無いってんで、船長はのろ助を“かしき”っつー役職にしたのよ。
かしきっつーのはよ、まあ、今でいう食事當番のことだよ。
普通は漁に參加できない食事當番なんてやってられっかってとこだけどよ。
のろ助は毎日毎日、真面目に、ひたすらみんなの食事を作ってたのよ。
意地悪な先輩漁師たちにバカにされながらよ、文句ひとつ言わずに働いたのよ。
でよ。
心優しいのろ助は、「おいお(お魚さん)、おあがり」つって、余った食事を海の魚たちに分け與えてたのよ。
すると、ある日のことよ。
船のみんなが寢靜まった真夜中。
のろ助は船が全く揺れていないことに気付いて、一人で甲板に出たのよ。
すると、だよ。
なんと、海の水が黃金の砂に変わっていたのよ。
のろ助はこれはすごいと言って、桶に一杯だけ砂を詰めて、船に戻ったんだって。
次の日、目覚めると、桶の砂は砂金に変わっていたってわけ。
これを聞いた親方はよ。
「のろ助は毎日、文句も言わず、立派に働いていた。これはそのご褒だ」
つって、その砂金をすべてのろ助にあげたんだってよ。
マジ、めでたしめでたしだよな。
でもよ。
俺ぁよ。
この話が大嫌いなのよ。
だってよ。
こののろ助ってにーちゃん。
別に全然特別な人間じゃねえぜ。
俺みてえによ。
この世界のどこにでもいる、普通の奴だ。
だから俺は言いてえのよ。
毎日真面目に仕事を全うしてたらいつか神様からご褒をもらえる。
そんなの、噓っぱちじゃねーか、ってよ。
來る日も來る日もひたすら我慢して。
それでも、結局なんにも起きねえのが人生だぜ。
待てど暮らせど、ご褒なんて誰もくれやしねえ。
俺たちゃそれにすっかり慣れちまっててよ。
いくら追いかけても無駄なことに気が付いちまって。
楽しむことさえ忘れちまうんだよな。
だからよ。
毎日、自分からおもしれ―ことを探さねーといけねえのよ。
俺がマドカさんに面白ぇ話を聞くのもよ。
その話をおめぇに話すのも。
きっと、そのためなんだよ。
俺ぁよ。
なんかおもしれえ話と、それを聞いてくれるやつがいるならよ。
世の中のムカつくことは、ま、大許してやってんだ。
本當は、腹が立ってしょうがねえけどな。
仕方がねえから許してやってんのよ。
ったくよ。
とくに不幸でも幸福でもない俺にもよ、たまにはご褒をくれってんだよな。
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