《お月様はいつも雨降り》第七目
「人が消えちゃうんだって」
「前を走っていた車が消えたやつだろ」
「へぇーっ、消えちゃった人ってどこに行っちゃうんだろう?」
「四次元の世界だって、テレビで言っていたよ」
廊下から鬼ごっこをしていた誰かが先生から怒鳴られている。グラウンドからは、はしゃぎまわる聲。
日のが差し込む教室の後ろの席に子どもたちが集まって昨日のテレビの話題で盛り上がっている。
「四次元ってなに?」
「そんなことも知らないのかよ、四次元ってどこか不思議な世界に繋がっているだよ」
「不思議な世界って?」
「だからそれが四次元だろ」
そう説明された小學生は答えを理解できなかったが皆、わかったようなふりをしている。
「でさ、最後見た?ほら、川の上の空に変な赤い雲みたいなのが寫ってたじゃん、絶対、あれが四次元の口だよ」
「見た見た、何百枚も寫した中で一枚だけ寫ってたって」
「あそこからUFOとかネッシーも出てくるんだってさ」
「そうなんだ!」
「でも、一番怖いのはそこに住む四次元人だって本で見たよ」
「四次元人?」
「すげぇな、そんなのもいるんだ」
「行方不明になるのは、そこで解剖とかするみたいだって」
「かいぼう?」
「アフリカの村が一日で全員死んじゃったのもそいつらの仕業なんだって」
「怖え!」
小學生たちはたわいのない話で盛り上がっている。その様子を見ていた他の子どもたちのその話題に混ざってきた。
「そいつらが攻めてきたらどうするの?」
「俺は戦うな」
し太った子が手で拳銃の構えをしながら力強く言った。
「どうやって?」
「どうしようかなぁ」
「〇〇はどうするの」
「僕、逃げてかくれるかな」
「逃げちゃうの?それだったらみんな死んじゃうよ」
あれ?〇〇は僕のあだ名だ。何でこの子は僕のあだ名を知っているのだろう。みんなの顔がよく見えない。
「どうすればいいかな」
「それはわたしが考えるから」
自信ありげにそう言ったの子の顔だけはよく見えた。
シャンに瓜二つだった。
子どもらの騒ぐ教室に休み時間の終わりを告げるチャイムが響き渡った。
僕の乗る列車が駅を出発する振が僕を夢の世界から現実へ引き戻した。
駅には人影がない。
それもそうだ、この列車が走るところは山間部でほとんど人が住んでいない。駅燈にわずかに浮かび上がる周囲には雪がうず高く積もっているのが見えた。
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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