駅までは自転車で10分ほどなのだが、ゾンビがいると言うことで1時間と予想をたてたのだが30分で近くまでたどり著いてしまう。

「めんどくさいなぁ」

なぜならゾンビが駅に集まっていくために道にゾンビがいなかったのだ、理由は簡単だ。

「そうだね、抵抗してるのかな」

「アホ臭いよなぁ」

駅の方から銃聲が聞こえるのだ、たぶん籠り戦っているのだろうが正直面倒くさいだけだ。なぜならここからも聞こえるように銃聲と言うのは響いてしまう。だから初めのはなんとかなるのかもしれないが、時間がたつにつれどんどんとゾンビの數が増え、いつかは対応できなくなってしまう。そしたらもう戦だがゾンビの方が數が多く勝てるわけもなく食われていく。それを避けるために隔離と時間稼ぎに罠なのでどうにかするべきなのにあいつらは戦っているのだ。

「あんなところに菜々をおいておくわけにはいかないよな」

「うん當たり前よ」

そう言い合うが菜々の所に行くためにはこのゾンビを乗り越えないといけない、だが車はダメだ、キーを持っていない。そこら中に車はあるのだが。

「あれ発させようよ」

「それしかないよなぁ」

出た回答はありきたりなものだった、車を発させ囮を黙らせ、ゾンビを集め、その隙に抜ける。というのは簡単なのだが。

「どうやって発させようか」

「ガソリンに火をつけるとか」

それしかないのだがそのガソリンがない、ガソリンタンクにはあるのだろうがそもそもそれをどうやって開けるべきなのかわからない。

「銃で撃ってみる」

「それ発するのかな」

ガソリンは気化しないと発しないときいたことがある、ような気がする。だから銃で撃ってもなかなか発せず、ゾンビどもは銃撃音に反応してしまいそうだ。ならどうするか。

「紗枝この辺りにガス缶ないか」

「ガス発でもさせるの」

「ダメかな」

「それよりいい手段があるよ、あなた菜々のことお願いね」

「わかった」

そう言って紗枝が車の元に向かう。そして1臺の車に近づくと。

「なるほど」

ぶっ叩く。警報音が鳴り響く、ゾンビの注目を集める。紗枝はその車から大急ぎで離れる、ゾンビは警報音の鳴り響く車へと集まる。

「よしっ突っ込むか」

紗枝が頑張って作った隙だ、駅まで全力疾走するしかない。