《俺+UFO=崩壊世界》見知らぬロボには気をつけろ。

基本は主人公視點ですが、語を円にする為に後々視點が変わる時があります。

8/22 誤字や字修正を行いました。

目を覚ますと、俺は荒野にいた。

こう聞くと俺が突然狂ったように聞こえるかもしれないが、それが事実だから仕方が無い。

まずは自分の狀態を確かめよう。

に痛みは無い、パッと見どこも欠けてない、俺がの子になってるというラブコメちっくなTSもしていない。

し殘念な気持ちで間を覗くのをやめ、次に辺整理する。

攜帯は予想通りと言うか、圏外を表示している。

ただ圏外と言うのがここは奴等の星で、もしかしたら地球圏外と言う意味では無い事を祈ろう。

鞄は俺からし離れている所に落ちていたが、中の教科書等は別に紛失した様子は無い。

周りの狀況から見ても先程の出來事が夢では無い事は確かだろうが、結局宇宙生共が俺に何をしたかったのかが分からない。

とりあえずここはどこだろう。

某DBでよく戦ってる荒野と違うのは、巖の塊が無いって事くらいかな。

だが先程まで宇宙生共に取り囲まれていた俺には大分マシな環境だ。

は雲が邪魔して見えないが、恐らく晝ごろではなかろうか。

問題はここがどこか、と言う事だ。

こんな広大な荒野は恐らく日本にはないと思う。

だとすると外國の可能が高い。

そもそも、あんな事の後では最悪ここはやはり地球では無いと言う可能も捨てきれない。

いや、だが重力のじや呼吸も普通にできている事を考えると……うーむ。

『――警――! 警――中! 警戒中! 市民の皆様! お近くのシェルター、もしくは地下街への避難を開始して下さい!』

「なんだあれ……」

遠くから聞こえて來た聲に顔を向けると、奇妙なが同じ言葉を繰り返しながらウロウロしているのが目に見えた。

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とりあえず迷ったら行、暇になったら即オナ○ーが信條の俺としては、すぐ様その正を確かめるべくき出した。

川○探検隊に負けない好奇心と無謀さを兼ね備えていると自負している俺だが、そのに徐々に近づくにつれてしづつ歩みが遅くなるのは否定できなかった。

率直に言うならば、謎のはロボットだった。

しかし、その狀態は旅行から帰ってきて覗いた冷蔵庫の中並みに酷い有様だ。

青を強調としていたであろう塗料は所々剝がれ、今では下から覗く薄汚れた鉛がメインカラーとり果てている。

次に裝甲らしき部分はは勿論の事、酷い所だと裝甲板自が剝がれ落ちており、下のフレームがバッチリと見える。

そしてそのフレームに纏わり付いている配線がまるで人の筋の様に見えて吐き気をうし、その配線が所々千切れかけているのも、その不気味様に一役買っている。

もはやロボットと言うよりかは、ボロットと呼稱した方が合ってる気がする。

だが何よりも不気味なのは、その狀態でき回ってるという事実だ。

多分、前にTVで見たア○モより軽快にいているのだ。

もしあれが完璧な狀態ならば、どれ程のスペックを披してくれる事だろう。

それに壊れかけのロボと言うは、なからず男の浪漫をくすぐる部分があるのも否定できない。

しばらく遠目から眺めていると目が合った。

目と言うかバイザーみたいなが俺の視線と合致したのだが、すると一目散に此方へと駆け寄ってくるではないか。

お手本のようなランニングホームで此方に駆け寄ってくる姿は、某ター○ネーター2に出てくる敵役にそっくりだ。

一瞬逃げるべきかの考えが過ぎったが、相手の速さがそんな考えを吹き飛ばすほど圧倒的だったので大人しく待つ事にした。

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それに日本語で周囲に何かしらを呼びかけていたので、もしかしたら言語機能があるやもしれん。

『政府が発令した避難警報から、九萬九千九百九十九日と二十三時間五十九分五十九秒が経過しています!! 警報が解除されるまで市民の皆様は私の導に従い、お近くのシェルター、もしくは地下街への避難を開始して下さい!!』

ロボは俺の前で急停止すると、中々に狂った容を流暢に話してくれた。

勿論、シェルターも地下街も近くには見當たらない。

「あ……はい、分かりました。あ、お先に失禮します。おつかれっしたー……」

どうやら関わってはいけないロボに関わってしまったかもしれん。

腰を低くして、脇を通り抜けようとした瞬間、俺の右腕に衝撃が走った。

『市民の皆様は、わたっわたwtttttttttttttsyuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu』

「お、おっふ」

あかん、れた。

気付けば俺の右腕は、ロボにがっちりと摑まれている。

しかもその摑んでいる本人は首から上をグリングリン振り回して、もはや言語になってない音を撒き散らしている。

『ゆ、導をををををををををををををを開始します!!』

「あっ、ちょっ!」

俺のそんな抗議の聲を無視し、ロボは俺を引き摺り倒すとそのまま走り出し始めた。

い、いかん。このままではとても良くない事が起きるのは確定だ。

と、言うよりどこに向かってるのか分からんが、この勢いでは現地に著く頃には俺の下半り切れて無くなっている事だろう。

「ちょ、調子に乗ってんじゃねぇ!!」

反撃を開始すべく、裝甲版が無くなっている箇所に左腕を突っ込んで、何かの線の束を勢いよく引きちぎってやる。

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俺が一通りのプランを立て、ロボの裝甲の隙間に渾の左パンチを叩き込むと、その破壊力は俺の想像を超えてフレームを破壊し、反対側の裝甲まで突き抜けていた。

その衝撃でロボは勢を崩したが俺の右腕を離そうとはしない、とはいえ余程のスピードがついていたのだ、俺のおニューの制服はその衝撃に耐え切れず、肩口から一気に千切れてしまった。

制服が千切れ、勢いよく荒野を土埃を上げて転がるロボを目に俺は立ち上がると顔を拭った。

「は、ははっ、見たか。俺はパンチングマシーンで六十は出すんだ!」

揺して変な事を口走りつつ、左腕を確かめる。

怪我は無い。

うん、怪我は無いのはいい事だ。

しかし、ガタが來ているとはいえ鉄の塊を貫いてかすり傷一つないとはどういう事だ?

土埃が収まり、ロボの姿が見え始める。

を貫いた俺の左腕はよほどの破壊力があったと見える。

上半と下半を繋いでいるのはフレームでも裝甲でもなく、もはや僅かな配線だけ。

転がった時の衝撃のせいか右腕も取れている。

ただ、俺の制服の袖を握り締めている左手はそのままで機能を停止している。

それがコイツの執念深さを表しているように見えて寒気が過ぎる。

くそ、おで制服は勿論の事、下のシャツまで一緒に持っていかれた。

今の俺は半ケン○ロウスタイルである、まぁ今の狀況にピッタリかもしれないが。

「はぁ……何? 本當の私、デビュー? 実は俺って心優しきサ○ヤ人だったの?」

だったら、もうし真面目にかめ○め波の練習をしとけばよかったな。

壊れたロボに近寄って何か使えるがないか一通り眺めたが、よー分からんばっかだし、錆びてるし、どうしようも無さそうかな。

「ん……日……察……何だ……? 中國語か?」

よく見ると文字が刻まれている事に気付く事ができたが、り切れていてまったく解読できない。

一つ分かったのは、ここがアジア圏である可能が高いと言う事くらいか。

「いやいやいや、そもそもアイツは日本語を喋ってたんだぞ? え、じゃあ……ここは日本?」

俺が知らない間に日本語が世界共通語にでもなってない限りは、その可能が一番高いはずだ。

それらの事実を認識して周りを見渡し、俺は愕然とする事しかできなかった。

「あの宇宙生共は、一俺に何をしてくれやがったんだ……?」

まず間違いなく今の最悪な狀況に奴等は関わっているだろう。

しかし、それを俺が確かめるは今の所全く無い。

どうしたもんかと悩んでると、遠くから何か聞こえて來た。

もしやコイツの増援かもしれない、慌てて周りを見渡して隠れる場所を探すが巖等は無い。

仕方なくその場に這い蹲り、音が聞こえてくる方向に顔を向ける。

そして見えて來たを見て俺は大きく安堵した。

車だ。

此処に來てようやく見慣れてるを発見できた。

助けを求めようと膝立ちになるが、よくよく見れば既に車は此方に向かって來ているではないか。

「助かっ……て…………なくないっすか?」

近づいてきた車両を見て俺は絶せざるをえなかった。

パッと見は普通の田舎をよく走ってる軽トラだが、今此方に向かってきている軽トラは後部の荷臺に大きな大砲らしきを裝備しているのだ。

あれでは重トラと呼ばざるを得ない、もしかして此処はアフリカの紛爭地帯か何かだったのだろうか? TOY○TAウォーなの?

そうこうしているにトラックは俺の數十m先に止まると、一人が後部の荷臺から降りてきた。

砂漠を橫斷する時に著るようなローブを裝著していて顔は見えないが、背は大きくは無いように見える、俺と同じくらいかな。

ただ一つ気になるのが背中に背負ってるである、恐らくあれは銃ではなかろうか?

「驚いた、君がコイツを仕留めたの?」

「うぇ?! あっ、はい。お、俺がやっちゃいました。偶然ですが……」

聲をかけてきた相手は有り難くも友好的な態度だった。

多分、……に見える。

もしくは顔のジャニーズ系男子という可能もあるが、の線がローブで見えないので何とも言えない。

「謙遜しなくてもいいじゃない。コイツがここら辺をうろついてるのは知ってたけど、このタイプは軍事用でも無いのに丈夫だからね。下手すりゃ弾薬費が収を上回るし、無視してたんだけど……。そっか、やっちゃったのね」

言いつつ彼がローブを下ろすと顔がになった。

黒い髪は一見ショートに見えるが、耳周りや首に掛かる部分は長めでらしさを醸し出している。

切れ目な瞼から見える茶い瞳は真っ直ぐと此方に向けられており、し黒く薄汚れているピンクは不敵に見える笑みによってし歪んでいる。

う、うーん。だ。

何だろう、TVで見るアイドルとは違うしさというか……力強いものをじますなっ!

「どうやって倒したの? あ、待って! 當ててみるから! えーっと……電磁銃かな? それもライフル用! どう? あってる?」

クール系かな、と思ってたら意外に子供っぽい所がある。

をコロコロ変えつつ楽しそうに喋る彼を見て、ようやく心を和ませる展開に出會えた喜びに自然と此方も笑顔になってしまう。

「あ、いや……。ほら、コイツ思った以上にガタが來てたみたいで、素手で倒せちゃったんですね。はい」

「え、えぇ~? い、幾らなんでもそれは……。あっ、なるほどね」

俺の答えが気に食わなかったのか、彼はつまらなそうにを尖らせたと思ったらいきなり俺の右腕を摑んできた。

先程生まれたトラウマが蘇り一瞬をビクつかせてしまうが、直に彼溫をじ取ってなんとか心を落ち著かせる。

「うわ~……こんなな義手初めて見た。このフレーム部分が見えてなかったら本と見分けがつかないよ。なるほど、これ程の義手ならパワーもあるんだろうね~」

は俺の右腕にある例の宇宙人によって埋め込まれた黒い線が見える異の部分、そこを人差し指でなぞりながら嘆の溜め息を零す。

いやいやいや、俺の右腕は義手ではないし、そもそもロボを貫いたのは左腕だ。

俺が彼にその趣旨を伝えようと口を開きかけた瞬間である、トラックからこのいいじの雰囲気を掻き消す野太い聲が聞こえてきた。

『おい! ぺちゃくちゃ喋ってないで渉をさっさと済ませないか!』

トラックの運転席の窓からを乗り出している男は、遠くからよく見えないが白髪なのは分かった。

聲のじからして結構お歳を召していらっしゃるのではなかろうか。

「わぁかってるぅ!! ジージは黙っててよぉ!」

慌てた様子で俺から手を離すと彼は後ろを向いてそう怒鳴り返す。

そこで初めて彼が背負ってる銃の全容を見る事ができた。

何だろう、全く知らない銃だ。

いや、そもそもそんなに銃の事に詳しくは無いのだが。

と、言うかなんで銃を持ってるん?

あれ、何か々と疑問が湧いてきたぞ??

「ねぇ、君。見たところ……移手段を持ってないようだけど」

「え? あ、へぃ」

考えてる最中だったので生返事になってしまった。

しかし、それでも彼は安心した様に顔を綻ばせた。

「だよね?! それでさ……は相談なんだけど~~。君を町まで送る代わりに、そいつのパーツを幾つか譲ってくれない?」

そいつ、と指差されたのは先程俺が撃破したロボだ。

俺としてはコイツにトラウマを植え付けられた関係でしかないので、未練も糞もない。

「ああ、どうぞどうぞ。どれでも好きな部分を持ってって下さい。ちなみに俺の一押しはこの袖口を摑んでる左手です」

「え? あっ、なるほど。派手にやりあったみたいだね~。ふふっ」

口を両手で隠して嬉しそうに笑う彼を見ると、先程まで湧いていた疑問が吹っ飛んでしまった。

いは正義。とりあえず、近くの町まで戻ってから考えよう。

がトラックに向かってOKサインを出すと、ようやく近くまで寄って來た。

そこでようやく彼達が俺の事を警戒していた事に気付く、とはいえ子に偵察に行かせるとは男の風上にも置けねぇな。

そんな事を思いながら運転席の男を見つめていると、ただでさえ皺が多い顔をさらに歪ませて皺の數を増量させて睨み付けてきた。

あかん、あの爺は何人か葬ってますわ。

あれが渉に來てたら俺はロボの全部品と、俺の所持品も一緒に差し出して命乞いしていたかもしれない。

俺は爺から視線を逸らし、何でもない風を必死に裝いながらロボの殘骸をかき集めて荷臺に乗せる準備をした。

『な――て?』

『了――てく―よ――い―子――』

『あん―――斷――ゃ―ぇぞ』

『はぃ――い』

盜み聞きするつもりはないのだが、やけに聞こえが良い気がする。

先程のトラックやロボを見つけた時も、そういやそれなりに距離があったような気がするな。

何だろう。さっきの事といい、俺のってば今日は調子が良すぎる気がする。

細かい部品はともかく、大の部分は集まったので持ち上げてトラックに近づく。

顔に千切れた配線がチクチク當たって地味に辛い。

「これ、どこに置けばいいですかね?」

運転席にいた爺さんはの子みたいにローブを著ていなかった。

だから肘にプロテクターを付け、には防弾ベストらしきを著ている姿がハッキリと見えてしまった。

さらには皺が目立つ顔とは別に、し覗き見える首元は張りがあって筋質に見える。

しかもよーく顔を見てみると、皺に隠れて細かい切り傷やらが無數にある様に見えた。

ふえぇぇ……。とりあえず、この爺さんに逆らう事は今後一切しない事を此処に誓いました。

「おう。適當に空いてるトコに放っておいてくれや……。お前、力あんだな」

爺さんがし意外そうにそう語りかけてくる。

そりゃあ、アンタくらいの歳になってくるとこういう作業は腰に來るだろうが、こちとらまだ十五だぞ。

「この子って、こう見えて凄い義手を使ってるんだよ」

そんな爺さんのメンタル面を気にしてか、すかさずフォローをれるの子。

義手どうこうはUFOの話をする訳にもいかないし、このまま勘違いさせておくか。

「ん、ああ……そうなのか。若いのに大変だな」

「いえいえ、そんな……僕なんてまだまだです」

なにがまだまだかは定かではないが、大抵こう言っておけば丸く収まる不思議な言葉だ。

恐る恐る荷臺に設置してある大砲らしきに接しないよう、慎重に部品を置く。

後は細かい部品も回収しようと思ったら、既にあの子が抱えて持ってくる所だった。

の子は部品を下ろした後に荷臺へ軽やかに飛び乗ると、そのまま俺に手をばしてきてくれた。

やだ、彼が男で俺がならキュンとくる場面だわ。

しかし、逆の立場だとし気恥ずかしいと言うか、男としてけないじがしてしまう。不思議だよね。

「あ、あざーっす」

「ん? んん~? 変わった言葉だね」

また一つ世界の真実に気がつきながら、俺は苦笑する彼の手を握って荷臺に飛び乗った。

その直後にいきなりトラックがき出した。

しバランスを崩しかけつつ運転席に目をやると、またもや爺がバックミラー越しにこちらを睨みつけていた。

何なんだよ、そんなに睨んでも俺の防力は下がんねぇぞ。

釈然としないまま、適當に腰を下ろすと一気に気が抜けるのが分かった。

やはり、相當疲れが溜まっているらしい。

それもそうだ。高校初日を過ごし、帰り道で拉致され、UFOで何かされ、気がつけば荒野でロボとバトルと來たもんだ。

この験を語ったら、恐らく俺は二度と神病院の中から出れないこと間違いなしだ。

俺がいつか人生に疲れ切ったら、是非そうしよう。

「ねぇ、君いくつ?」

「ぅえ? あ、十五です」

「きゃー! 年下なんだ! 私より若いハンターは初めて會ったよ! 私は十六だよ!」

足をドタバタさせつつ、何が嬉しいのか笑顔ではしゃぐ彼

その落ち著きの無さは、下手をすれば俺より年下に見えてもおかしくはない。

だが彼のそういう振る舞いは本當に自然で、煩わしい所は一切無い。

「ははは……。俺もモン○ンなら得意っすよ。初期武縛りでドス○ァンゴまでクリアしましたから」

「う……ん?? あ、自己紹介がまだだったね、私は志菜木 弓(シナギ ユミ )。で、運転してるのがお爺ちゃんの志菜木 弦(シナギ ゲン)だよ」

言われて、運転席に目を向けると弦さんはクールに片手を上げて無言で挨拶してくる。ヒュー!

「俺は木津 沿矢です。遅れましたが……助けて頂いて、ありがとうございます」

両膝に手を置いて頭を下げる。

正直、あのまま荒野に一人でうろついてたら良い目に合う事はなかっただろう。

だからこの二人には謝の気持ちで一杯だ。

「いいって、そんな事しなくてさ。お互いに利益ある取引をしたんだからさ。対等だよ、ね? ねっ?」

し慌てた様子で弓さんが答える。

俺も彼を困らせるのは本意では無いので、後ろ頭を掻きつつ顔を上げた。

「いやー、そう言ってくれると助かります。 今日は々と大変だったので……本當に」

「うんうん、服もボロボロだもんね~。あ、町に著くまで橫になってても良いよ? あ、その……私達を信用してくれれば、だけど」

此方としては最高に有り難い申し出なのに、何故か弓さんは不味い事を言ったかのように言葉がつぼみだ。

「あ、じゃあ有り難くそうさせてもらいます。町に著いたら、適當に駅の近くで下ろしてくれればいいんで……じゃあ」

言いつつ荷臺に橫になると車の揺れもなんのそので、すぐさま眠気が襲ってくるのが分かった。

その流れに逆らうような事は勿論せずに瞼を閉じると、すぐに世界が遠ざかっていくのが分かる。

「――駅―て――軍―っ――な……」

弓さんが何事かを呟いているのがわかったが、俺にはもう返事をする気力が無かった。

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