《俺+UFO=崩壊世界》俺ですが、車の空気が最悪です
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「ほら、コイツを付けろ」
軍用トラックに乗り込むと、さっそく宮木伍長が何かを手渡してきた。
一見するとタダのゴーグルだが、よく見ればそのゴーグルは淵にし突き出ている部分が複數あり、スイッチの様なが裝備されている。
まさかコレがレイルガンと言うわけではないだろう? だが特殊な裝備っぽい雰囲気はある。
俺は今更恥心とか気にしないし、知ったかするつもりも無いので素直に疑問を口にした。
「あのぉ……何ですか? コレ」
「ん? お、ぉお……木津は初級だもんな。こういう裝備にはまだ縁がねぇか……いいから著けてみな」
宮木伍長に促され、しづつ速度が上がって行く軍用トラックの不安定な揺れの中、し手間取りつつ俺は素直にゴーグルを裝著する。
その狀態で目を凝らすも、やはり特別な所は何も見當たらない。
俺がそのままアホの子の様にボーっとしていると、対面に座って苦笑している宮木伍長がゴーグルに手をばしてきた。
「ん……お、おお!? か、カッコイイ!!」
宮木伍長の手がゴーグルの淵にあったスイッチにれたと思った瞬間、俺の視界に目まぐるしい変化が沸き起こる。
まず視界の中央には大きく円を二つ描いた、ロボットゲーのコックピット表示を思い起こす様なが表示された。次に視界の右上に見知らぬ銃の形が浮かび上がり、そのすぐ下に殘弾數らしき表示と共に僅かに端が減っている白いゲージも表れ、96%と記された數字も記載される。
おいおい、何なの? 今からカタパルトデッキで俺は打ち出されたりしちゃうの? 『ソーヤ、出るぞっ!! 』とかんでいいの?
昔、自転車に乗ってそんな事を言いながら家の敷地から飛び出して、死角に居た犬の散歩してる爺さんに生暖かい目で見られた事があるんだよね。犬がメッチャ吼えてたな。
とりあえず、男心をこれでもかと擽る素晴らしい景だ。これに勝る景は、某ポ○モン主人公も歌ってたあの子のスカートの中ぐらいだろう。
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「ははは!! 良い反応だ。電子補助ゴーグルは中級辺りからようやく手が出る代だろうしな。ゴーグルと同調が出來る銃を使えば、素人でもかなり高い命中率が叩き出せる一品よ!! おっと、初級だからってお前さんの腕の良さを疑ってる訳じゃねぇぞ? レイルガンの弾は高いんだからな。分かってくれ」
正直、ロボットやらHAを見た時よりもした。
まぁ上記の二つは命のやり取りをした訳だからその想もやむなしだろうが、それでも、だ。
俺が高度な技力を文字通り間近で目にしで打ち震えていると、宮木伍長の一聲で他の兵士達が荷臺の奧で布に包まれていたを解きだす。
そして姿を表し始めた銃を見て、それがレイルガンだと直に気付いた。
何故ならゴーグルの右上に表示されている銃の形とソレが一致したからである。
銃――そう聞いて俺が思い起こすのは、闇夜を思い起こす漆黒で彩られたが多數だ。
だが、今目にしているそれは眩いばかりの銀で彩られており、まるで新調されたばかりの新品であると言われても納得が出來るくらいである。
兵士二人が慎重にレイルガンを抱え、荷臺のり口近くに座る宮木伍長と俺の元へと來ると、僅かに太を浴びただけで鋭くを反して荷臺の中の明るさが増す。
「どうだ? コレがレイルガンだ。凄いだろう」
宮木伍長がけ取ったレイルガンのストック部分を床に當て、ゆっくりとその場で回しながら俺に問いかけてくる。
銃の長さはおよそ八十cmを超え、同時に太さも兼ね備えており、そこを通って打ち出された弾丸の威力は余程凄まじいだと予測できる。銃の先からストック部分までの長さが余裕で一メートル五十cmを超えるであろうソレは、レイルガンと言うよりかは、レイルキャノンと言われた方が納得できる出で立ちだ。
よく見れば銃の所々に小さいが開いているが、あれは何だろうか?
その他にもマガジンとは別に裝著されているカートリッジらしきも気になる。あれがコンデンサーと呼ばれただろうか? 気になる部分が多すぎるぜ。
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俺はレイルガンに目を惹かれながらも、宮木伍長に返答する。
「そうですね……。綺麗です」
昔、學校の行事で博館へ見學に行った時、磨き上げられた日本刀を間近で見て似た様なを抱いたのを俺は思い出した。
しくを放つその二つが持つ共通點は、どちらも《武》であるという事だ。
他者を打ち倒す為に改良が施され、無駄が削られて完した一品は図らずともしいになってしまうのだろうか。
「綺麗? あぁ……確かになぁ。良かったな、ケニー二等兵。お前のマス掻き技は一流だそうだ! お前に任せて正解だったな! っははは!」
宮木伍長が下品な言葉を口走り、豪快に笑い聲を上げると他の兵士達も釣られて笑い聲を上げた。
ケニー二等兵と呼ばれ、ヘルメットからブラウンの髪がはみ出した若い兵士は僅かに頬を赤く染め、視線を下げて気恥ずかしそうに笑みを浮かべている。
二等兵……と言う事は軍隊に良くある新兵弄りだろうか? とは言えその様子は険な雰囲気ではなく、どちらかと言うと寧ろ暖かさをじる雰囲気だ。
その空気に當てられて、俺も自然と口角の端が上がるのが分かった。
マス掻きって単語は恐らく銃を磨く事を指すのだろうか? こういう軍人同士が行うやり取りはよく映畫で見ていたのだが、現実で験すると一際に楽しさが違うな。
ひとしきり笑い終えると、宮木伍長は俺に向き直りレイルガンを構えてみる様に進言してくる。
俺は素直にレイルガンをけ取ると、何の気にも留めずに普通に持ち上げようとして、すぐに自分の馬鹿さ加減に気付いた。
この大きさのレイルガンは大変重いに違いない。
生半可な代では重さをじない俺は、こういう時にボロが出そうで困るな。
俺は慌てて武鮫を裝備している左手を主軸にして持ち上げる様にし、銃部分の元下部付近を摑んで固定する。
映畫やドラマで見たスナイパーライフルの構え方を真似しようと、ストックを右肩へ當てようとした所でこのレイルガンにはスコープが裝備されていない事に気付く。
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その事を疑問に思い宮木伍長に問うと、彼はHB仕様であるレイルガンの反は強すぎて、とてもじゃないが顔を寄せる事はできない代だと言うではないか。
戸う俺を見かねてか、隣に座っていた兵士がHB仕様レイルガンの持ち方を教示してくれた。
彼の言葉を頼りに右腕をストックの上を通し、ストックを軽く脇で挾むようにしながら右手はグリップを摑み、トリガーへと指が屆く位置に添える。脇で抱える様に構えると、まるで大砲を攜えているかの様な錯覚に襲われる。レイルガンの重厚な銃が與える印象があまりにも強烈だからだろうか。
ふと、ゴーグルを裝備した視界に変化が訪れた事に気付いた。
ゴーグル中央に大きく描かれていた二つの円の部に更に小さい円が表示され、その中には十字を描いた線がある。
……もしやこれはゲームでよく見るようなレティクルか?! いや、もしくはターゲッティングサイトであろうか!?
俺は興を抑えながら確かめる様にレイルガンの銃を僅かにそらすと、その円もきに合わせて僅かに位置を変えた。
凄い便利な代だ。なるほどな、リアサイトやスコープを使わずにどう狙いを定めて撃つか疑問に思ってたが、これで狙いを付けられる訳だな。
アカン。このゴーグル凄くほちぃ。誕生日には是非コレを頂きたい位だ。
床に転がって両手足をバタバタさせたら貰えたりしないかな? いや、貰えるのは々脳天への鉛弾ぐらいだろうか?
とは言え、ゴーグル単品だけではこの機能は発揮できないのだろうがな。宮木伍長も『同調できる銃』とか言ってたし。
俺は視界の変化を楽しむ為、小刻みにレイルガンを揺さぶりながら宮木伍長に質問を飛ばす。
「凄い仕組みですねぇ。サイト部分とかって一どうなってこうなるんですか?」
「銃口の近くに極小のカメラが裝備されていてな、ゴーグルを通してソレが表示されてる。他にも便利な機能があるぞ、試しにゴーグルのスイッチを押してみな」
驚くのはなんとそれで終わりではなかったらしい。
宮木伍長の言葉に従いゴーグルの淵に複數あるスイッチの一つを押すと、スナイピングモードとやらに移行し、視界の右半分だけレイルガンに備え付けられたカメラ視點になる。引き金の側面近くにはレイルガンに備え付けられたつまみがあり、それを摑んで回すとカメラのズーム倍率も調整可能だと教えてくれた。
「おぉ……!」
俺が嘆の聲を出してつまみを弄くっていると、宮木伍長は両腕を組んで話しかけてくる。
「電子制されている銃の大半には似た様な裝備が施されているぞ。木津よ、電子制製の銃はそれなりに高値が付くぞ。いつか前世界の軍事施設か何かを探索する時は、その事を頭の隅に置いておくといい。コンテナ一杯に詰め込まれた電子制銃なんかを見つけた日にゃあ、暫くは遊んで暮らせるぞ! そんな日が來たら是非とも一杯奢ってくれや!!」
宮木伍長は最後にそう言うと、また豪快に笑い聲を上げた。
うーむ、電子制銃かぁ。里津さんの店にも置いてあるのかな?
そんな事を考えながら俺はどの制が一番撃つのに楽かを確かめるため、レイルガンを抱えている左手の位置を僅かに銃の先へと持っていく。
すると俺の様子を見ていた宮木伍長は素早く笑みを引っ込めた。
俺は彼の変化を視界の端で捉え思わずきを止めていると、長年使い古しているであろう所々解れが目立つ灰のグローブを裝備した手で指を一本立て、銃にあるを指差しながら注意してくる。
「おっと、そこは駄目だ。そのは撃った時に加熱された銃を冷やした後で、蒸気が噴される廃熱口なんだ。HAを裝備してるとは言え、気をつけてくれ」
「そ、そうなんですか? 廃熱口か……気をつけます」
銃に空いた無數のの正が分かり、俺は大人しく最初に抱えていた銃下部元付近に左手を戻す。
やっぱりと言うべきか、トンデモナイ代っぽいなこのレイルガンとやらは。
宮木伍長のご好意が無ければ一生れる機會さえ無かったんじゃないか?
最初は何だかんだで撃たずに終わっても構わないと思っていたのだが、徐々に『撃ちたい!!』って気持ちが強く湧いてきたぞ。
どこぞの心優しきサイ○人風に言うなれば『オラ、ワクワクすっぞ!』ってなじである。
徐々に俺がテンションを上げていく間に建の姿がポツポツと消えていき、次第に空間の間に開きができてくる。
そして気付けば荒野の茶い地面が目立つ様になり、テントや塹壕等が視界にる様になってきた。
たまにTシャツとカーゴズボンだけを裝備し、ランニングを行う兵士の一団を追い越していく事もあった。
もうすぐ迎撃戦とやらが始まる場所の近くまで來てると分かり、俺は張からかゆっくりと息を吐いて心を落ち著かせる。
俺が張を解していると、対面に座っていた宮木伍長はふと何かを思い出したかのように視線を斜めに向け、近くの兵士に何やら耳打ちした。
耳打ちされた兵士は小さく頷きを返すと、素早く荷臺の奧に詰まれた袋の中を漁りに行ってしまった。
俺が何をやってるのかと気になって好奇の視線を向けていると、宮木伍長は俺に向き直り短く問いを投げかけてくる。
「木津。お前さんの型は?」
「え? あーっと……A型です。はい」
まさか此処に來て、合コンで必ずと言って良いほどに行われると噂の型チェックをけるとは思わなかった。
うーん、やはり定番通り『えー☆ 何型に見えますぅ?』的な返しをした方が盛り上がっただろうか?
俺が面白可笑しく返事をしていればと僅かな後悔を抱いていると、耳打ちをけた兵士が紙とマジックペン、更にはガムテープを攜えて戻ってくる。
それ等をけ取って宮木伍長は兵士に禮を言うと、スラスラと紙に何やら書き込んだと思ったら席を立って俺の傍に寄ってきた。
「さて、何処に張っておく? お勧めは足の脹脛辺りだな。そこに張っておくと目立つし、撃つ時にも邪魔にならんぞ」
「ぅえ? いや……その、何ですか? それ」
極自然なじで宮木伍長は話を振ってくるが、俺は何の事か分からず戸いを隠せない。
ふと、彼の手に持っていた紙に大きく『A』と書かれているのを見つけ、俺は直にそれを指摘する。
「そ、それって俺の型ですよね?」
俺はとりあえず大人しく左足を差し出すと、宮木伍長は型が書かれた紙の周りをガムテープを使ってぐるりと一周させ、俺の左足の脹脛にジーンズの上からり付ける。
「ああ……そうだな、っと。よし、固定できたな……。木津よ、今回だけに限らず、探索や依頼をけに行く時も自分の型が記されたをの目立つ部分にり付けておけ。そうすれば大怪我した時の輸がスムーズに済む。勿論ベースキャンプには型を判別する機材は常備されてるが、仮にかせない程の重だったらキャンプじゃなく、その場で治療しなければならん時もある。俺達は基本『探索場所』でスカベンジャーには干渉しない。他の慈悲深いスカベンジャーか、チームを組んでる相手の治療をけるしか手段はない。キャンプ外での救助活を行う事を俺等は許可されていないんだ。いいか? 長生きしたいならば信頼できる相手を見つける事だ。余程運が良い奴か……強者でなければ単獨行はしない方が良い」
宮木伍長は最後にそう言うと、同意を求める様に俺を見つめる。
先程までの気の良い人とは同一人とは思えない程、彼の瞳と表は真剣さを帯びていた。
気付けば俺は、彼のその様子に圧倒され大人しく一つ頷いていた。
ただ、俺は気になる事があったのでそれを問うてみる。
「あの単純に疑問として聞くんですが……。何でベースキャンプからかないんですか? 人手が減るのは組合所としても痛手じゃあ……?」
「勿論痛手だ。スカベンジャーの働きはヤウラにとって、とても重要な貢獻となってるさ。……木津よ、ヤウラで昔大規模な徴兵が行われた事を知ってるか?」
「え? えー……っと。あ!! はい、昔は問答無用で連れて行く事もあったって知人から聞きました」
最初にこの町に來た日、弓さんは宿に向かう道中で同世代の子の大半がその徴兵でいなくなった事を。
教會ではロイ先生に子供達が徴兵の危機にあるとの話を聞かされた際、ロイ先生が昔はもっと酷かったらしい、そう言っていた事を俺は何とか思い出す。
宮木伍長は俺の返答を聞き、細かく頷きながら視線を下げた。それはさながら恥を認めるかの様な仕草に見えた。
「そうだ。戦力を増強する事は別段悪い事じゃない。おでヤウラ周辺の防衛線を押し上げる事もできて、無人兵を食い止めやすくもなった。だが――あまりにも強引すぎた。軍への印象は當然最悪になり、を連れて行かれたスカベンジャーやハンターも居て、武裝蜂起による大規模な混が起こって一時期組合所の活を停止した時もあった程だ。その混は幾人かの返還が行われ、何とか沈靜する事ができた。だが……そのまま軍に留まる事を自分の意思で選んだ者もいたんだ」
「え?」
「別段、可笑しい事じゃないさ。外と壁向こうの生活は段違いなんだよ。毎日食べを口にできて、騒な輩に絡まれる事も無い。寒さで眠れない日も無い。そんな――安定した生活を知らなかった者が大勢居た。勿論、軍に隊した以上は厳しい訓練をける訳だから、資産がある中級や上級のは戻る事を希した。ただ、稼ぎが不安定な初級のの大半はそのまま軍に留まった者が多かった。辛かっただろうな、裏切られた気分だろう。家族の為に危険を承知で組合に所屬した奴もいただろうからな」
そう沈痛に言葉を搾り出すと、宮木伍長はそこで一旦口を閉じた。
俺は過去の徴兵行為の詳細を頭の中で整理しながらも、それが何で探索地での救助活が行われない事に繋がるのか分からなかった。
宮木伍長はそんな俺の戸う表を見て、一言謝罪を口にした後で話を本筋に戻した。
「すまん、し話がずれたな……。昔は軍も救助活を積極的に行っていたんだ。生存者がまだ生きている事がわかれば、クースでお前がやった様に廃墟の中へ乗り込んでった時もある」
そう言って表を緩め、宮木伍長は眩いを見るかの様に瞼を細めた。
俺はそんな彼の視線け、気恥ずかしさで顔をし背けてしまう。
たが、次に宮木伍長の口から出た言葉を聞いてすぐに俺は視線を戻してしまった。
「混がある程度収まり、組合所が再開して久々に各所にある探索地に出向いた。だが、予定を過ぎても戻ってこなかったグループがあってな。勿論すぐに何があったか確かめる為に調査隊が出発して――ベースキャンプ跡地で兵士達の慘殺された死を発見した。資は勿論の事、送迎トラックも丸ごと持ってかれていた。ただ、ベースキャンプで見つけた死の數がなくてな。徹底的に調べるため、危険を承知で街中を隈なく探索して何があったかを調べた結果――」
そこで一旦言葉を區切り、宮木伍長は大きく息を吸った。
それはさながら、己の中に出てきたを抑える為の作に見えた。それが悲しみなのか、怒りなのかは俺には分からない。
ただ、彼の手は強く握り締められ、グローブのれる音がいやに大きく聞こえてしまう。それは俺の優れた聴覚が無くても聞こえていただろう。
「廃墟の中で見つけた死の傍の近く、醫療品がってる事を示すマークが記された空の鞄を見つけてすぐに分かったそうだよ、怪我人が居るって騙して連れてきたんだってな。その行為を起こす原因となったのが徴兵のせいだって確証は無いが、時期的に高いって事は明らかだ。犯人達はその數ヵ月後、他の町で見つかってその場で殺されたそうだ。結局ただの金目當てか、やはり徴兵でを連れて行かれたからか、それとも何も考えていなかったのか……。死んじまった以上、真相は分からん。とまぁ、犯人達が起こしたその行為を機に當然と言うべきか……廃墟部への救助活を行う事は止された訳だな」
『とまぁ』ってアンタ……。俺的には『ちょ、オマ……』ってじなんですが。
最後にしおどけて見せたのは暗くなっていた車の空気を紛らわせる為だろう。だが、その効果はいま一つである。
突然始まった過去話のおで車に居る兵士達は、今やスターリング○ードに向かう第二次大戦下の○連兵並に士気が低くなってますがな。
俺としても過去の同業者がそんな事件を起こしていたと知り、し居心地が悪いよ。
そんな車の空気の悪さを気にも留めず、宮木伍長は再び口を開く。
「まぁ、元々救助活ってのはプラントがあるおで資に余裕があるヤウラ獨自に行っていたモノなんだ。今のやり方は他の都市と変わらんって事だな。ただ、救助活がけられるならって事で昔は態々この街に登録しにくる輩が多くてな、全盛期の登録人數は凄まじいだったらしいぞ。必然的に運び込まれるも大量になってだな、ちょっとした……えーバブルだったか? って奴が起こったんだと」
「へ、へぇ! 凄かったんだろうなぁ」
「そうだなぁ。ただ、徴兵の所為で嫌気が差した奴が大勢他の町に行ってしまって、もう見る影もないんだがな」
「…………」
しでも車を盛り上げようと聲を出した途端、すぐに気勢を挫かれて俺も他の兵士達の様に項垂れてしまう。
話が終わって數分後に目的地に辿り著いたのだが、車の重たい空気の所為でその時間が永遠にじられる程だったと言う事を、ここに記しておこう。
【コミカライズ&書籍化(2巻7月発売)】【WEB版】婚約破棄され家を追われた少女の手を取り、天才魔術師は優雅に跪く(コミカライズ版:義妹に婚約者を奪われた落ちこぼれ令嬢は、天才魔術師に溺愛される)
***マンガがうがうコミカライズ原作大賞で銀賞&特別賞を受賞し、コミカライズと書籍化が決定しました! オザイ先生によるコミカライズが、マンガがうがうアプリにて2022年1月20日より配信中、2022年5月10日よりコミック第1巻発売中です。また、雙葉社Mノベルスf様から、1巻目書籍が2022年1月14日より、2巻目書籍が2022年7月8日より発売中です。いずれもイラストはみつなり都先生です!詳細は活動報告にて*** イリスは、生まれた時から落ちこぼれだった。魔術士の家系に生まれれば通常備わるはずの魔法の屬性が、生まれ落ちた時に認められなかったのだ。 王國の5魔術師団のうち1つを束ねていた魔術師団長の長女にもかかわらず、魔法の使えないイリスは、後妻に入った義母から冷たい仕打ちを受けており、その仕打ちは次第にエスカレートして、まるで侍女同然に扱われていた。 そんなイリスに、騎士のケンドールとの婚約話が持ち上がる。騎士団でもぱっとしない一兵に過ぎなかったケンドールからの婚約の申し出に、これ幸いと押し付けるようにイリスを婚約させた義母だったけれど、ケンドールはその後目覚ましい活躍を見せ、異例の速さで副騎士団長まで昇進した。義母の溺愛する、美しい妹のヘレナは、そんなケンドールをイリスから奪おうと彼に近付く。ケンドールは、イリスに向かって冷たく婚約破棄を言い放ち、ヘレナとの婚約を告げるのだった。 家を追われたイリスは、家で身に付けた侍女としてのスキルを活かして、侍女として、とある高名な魔術士の家で働き始める。「魔術士の落ちこぼれの娘として生きるより、普通の侍女として穏やかに生きる方が幸せだわ」そう思って侍女としての生活を満喫し出したイリスだったけれど、その家の主人である超絶美形の天才魔術士に、どうやら気に入られてしまったようで……。 王道のハッピーエンドのラブストーリーです。本編完結済です。後日談を追加しております。 また、恐縮ですが、感想受付を一旦停止させていただいています。 ***2021年6月30日と7月1日の日間総合ランキング/日間異世界戀愛ジャンルランキングで1位に、7月6日の週間総合ランキングで1位に、7月22日–28日の月間異世界戀愛ランキングで3位、7月29日に2位になりました。読んでくださっている皆様、本當にありがとうございます!***
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