《星の見守り人》004 探査船の船員たち

ミオの淹れた茶を飲みながらスクリーンに映った星を眺めながめ私がつぶやく。

「この星も別に変わり映えのない星だなあ」

「はい、直徑2000kmほど、恒星からの距離は約80天文単位。

は主構が酸化珪素・ニッケル系、形狀もほぼ球の典型的な準星級天です」

「近くに大型の天もないので、汐作用によるエネルギー流もなく、中心まで完全に固ですね」

淡々としたミオの報告に思わず私がつぶやく。

「中まで完全に固まっていて、これといった特徴も一切ない巖の固まりか・・・」

私の呟きに合わせたかのように突然パッと畫面が変わり、そこには豪奢な緩い巻いた金髪のが映し出される。

「せんちょーだいり~またこの星系でも私の活躍はないんですか~?」

甘ったるい聲で畫面一杯にっぽく迫る顔に私がタジタジとなる。

「第一探査艇長…」

そこには探査艇長、正確には第一大型探査艇長のミランダが甘えるようなポーズで映っていた。

「また、そんな他人行儀な・・・普通にミランダって呼んでくださいな。

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それにしても前の恒星系でも全然、やる事無かったし~」

「あ、あ・・・すまないね、ミランダ艇長。

前回の所も今回のも恒星が小さいから星がなくて、大型探査艇を使用するまでもなかったからね」

「そうですか~?

でも用事がなくっても格納庫まで會いに來てくださいね」

「あ、ああ・・・近いに伺うよ」

「本當ですよ?それじゃお待ちしてま~す」

プツンとの映像が切れて元の天の畫像に変わる。

いきなり重苦しく靜かな第一艦橋。

場を変えるために私が周囲に聞こえるように話す。

「あ~、まあ・・・彼も出番がなくて退屈って所かな?」

何の反応もない艦橋・・・く・苦しい。

助けを求めるように私が副長を見る。

その目線で悟ってくれたのか、傍らにいた副長が問いただす。

「どうしますか?そろそろこの星系は切り上げて次の星系へ移しますか?」

副長のナタリーはB2級亜人だ。

短い黒髪に整った顔立ち、連邦の制服をキッチリと著こなし颯爽としたの典型だ。

命令や助言は的確で厳しく若い教師を髣髴させる。

指揮系統としては、この探査隊の唯一の人間である隊長兼船長代理の私の下で、船の指揮全般はこの副長のナタリーという事になっている。

この船の実質的な船長といっても過言ではない。

他に艦橋にいるのは、船務長、機関長、航宙飛行長、戦闘隊長、通信長という構である。

「そうだな…ちょっと副隊長の意見を聞いてみよう」

私の言葉に副のミオがパネルの作をする

「こちらは第1艦橋です。

副隊長、隊長がお呼びです」

すぐに前面の映像パネルにの姿が浮かび上がる。

「副隊長、どうかな?探査の進行狀況は?」

私の下で探査隊としての指揮であるリンディ副隊長はC1級亜人だ。

見た目はおっとりとした30代の人妻といったじである。

この探査隊の実質的探査指揮であり、母親のようなイメージがある。

「そうですね。

ちょっとある場所を探査してみたいのですが・・・

こちらにいらしていただけますか?」

「わかった、それでは船の方はよろしく、副長」

「了解しました」

「ミオ、行こう」

「はい」

ミオを伴い、エレベーターで第1艦橋のある第1甲板から第5甲板の探査司令室へ向かう。

「探査司令室」と書いてある部屋にると副隊長のリンディが待ち構えていて話を始める。

私とミオはリンディ副隊長と検討し、次の計畫を決める。

どうやら亜人探査艇を1隻殘して調査すれば大丈夫なようだ。

「では、大型探査艇を一隻殘して調べれば良いね?」

「はい、そうですね」

「ではその処置をしてから、次の恒星系へ向かうか?」

「はい、そうしましょう」

こうして我々は1隻の大型探査艇を殘して次の恒星系へと向かった。

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