《私たちだけ24時間オンライン生産生活》23. ボス討伐

森の中を採取しながら移したら、無駄に薬草が100個ほど集まった。

タンポポ草も無駄に、30個ほど集まった。

他のパーティーの人はタンポポ草は知らなかったそうで、教えてあげたらアイテムも普通の表示になった。

分配とかどうしよう。

もうすぐ夕方で、奧の方まできたので、引き返すコースにする。

敵は出てくるそばから前衛組がやる気十分で切りつけるので、すぐ終わって、後衛組は暇だった。

半分まで引き返してきたとき、オオカミがでてきた。

しかし今回は1匹ではない。ひ、ふ、み、と數える。

そして1匹明らかに大きい。全部でまた7匹だ。

アルクさんが指示を飛ばす。

「來たぞ。ボスだ。前衛踏ん張れ、後ろに抜けさせるな」

アルクさんの大盾と、短剣と両手剣の人が左前方を固める。

隙間なくその右側を、クルミの槍、サクラちゃんの大盾が並んで防線を作った。

オオカミの集団は、全部前から現れたので対処がしやすかった。囲まれていたら防が難しい。

コマチさんは、敵が抜けてきたときの保険だ。

なお武は、両手に短剣の二刀流のようだ。

片方はし錆びているので、プリン産だろう。

オオカミも並んで、様子をうかがいつつ、代わる代わるに攻撃を仕掛けてくる。

突っ込んできたオオカミを、剣と槍とで、攻撃する。

たまに敵とのタイミングが合わず、オオカミの突撃をけてしまう。

すぐに後ろからヒカリちゃんのヒールが飛んでくる。

短剣使いの人が、ボスのオオオオカミの突撃をけて、後ろに倒されて、のしかかられた。

『ガルウゥ』

オオオオカミが一鳴きする。

私と魔法職の人がすかさず、マジックボールを叩き込んだ。

すぐあとにコマチさんが短剣の連続切りを披して、ボスにダメージを負わせたと思う。

ボスはさすがに後退していった。

殘されたのは、倒れた短剣の人、アリクイだ。

HPの表示は13/108まだ殘っているが死にそうだ。

ヒカリちゃんがすぐに、何やら長めの詠唱を始める。

「ヒカリの名のもとに、神の使(みつか)い天使の癒しの力を我に授けたまえ、ヒール」

ちょっと恥ずかしいけど、かっこいい。

ロールプレイングってじがする。

ちょっとまって!

何か、1回のヒールで、アリクイさんのHPが全回復した。

私の回復量は10HP。ヒカリちゃんの回復量は100HP位あることになる。

アリクイさんも、頭を2回振ると立ち上がって、前線に合流しなおした。

「いまのなに?」

「後で説明するね」

回復できない敵側が、じわじわHPを減らしてきている。

私もいままで隠していたけれど、アイスブリーズを唱えて、敵の足を止める。

すかさず魔法職のシロガネさんから突っ込みがった。

「マジックボール以外の攻撃魔法なんて、知らないっすよ。このチームどうなってるんすか」

足止めしたところを、クルミはじめ前衛が全力で攻撃する。

取り巻きのHPが次々に0になっていき、ついにボスのみになった。

アイスブリーズの氷結攻撃は、ボスには効かないようだ。

「よし、このまま押し切る」

アルクさんが、ボスにシールドバッシュを決め、ボスが後退して一瞬直した。

そこを全員で一斉攻撃、最後はクルミが槍の3連撃をお見舞いして、敵は倒れた。

戦場はなくなり、いきなり靜まり返った。

「やりましたわ」

サクラちゃんが1人つぶやいた。

「「うおー!」」

警ら隊のメンバーも勝ドキを上げた。

ドロップアイテムはと。

子オオカミは、普通と同じ。

オオオオカミからは以下の通り。

・オオオオカミの皮x5

・オオオオカミの爪x5

・オオカミのx5

・お腹の中の石x5

石? は何に使うんだろう。特に説明はなかった。

ドロップアイテムがユーザー數で割れないので、私たち2つ、警ら隊2つ、ヒカリちゃんたちが1つの割合になった。

こういう時の定石は、アイテムを貰う人がその分、貰わない人にお金を払って、均等にするのが、普通だそうだ。

アルクさんが話し出す。

「ところで、ドングリの人たちは、初見魔法は使うわ、武もなんかいいの裝備してるみたいだし、どうなってるんですかね」

「えっと、それは……です」

「ぜひ説明を! にするって約束しますから、お願いします!」

結局私は、アルクさんの気迫にまけた。

ボノックじいさんと、氷結の杖について、説明したよ。

杖については、魔法使いのシロガネさんに貸し出して、アイスブリーズを覚えさせてあげた。

『北東の森のエリアボス「オオオオカミ」が討伐されました。ゲーム時間で2週間、夜の森のオオカミが群れなくなります。』

このシステムメッセージは、全ユーザーに表示されたらしい。

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