《私たちだけ24時間オンライン生産生活》59. 2回目の問診

この日は問診の予定があったので、夕方に丸木先生の病院のようなところへと向かう。

場所は事前に知らせてもらっていた。デルタ町の道を一本った場所にある。

ついてみると周りと変わらない、普通の建だ。

中にはいると人のエルフのがいた。

「こんにちは、リング・ウッド先生いらっしゃいますか?」

「はい。もちろんです。ミケさんたちですね。伺っています」

どうやら話は通じているようで、順番に一人ずつ呼ばれた。

一番手は私だ。

「こんにちは、丸木先生」

「どうも、こんにちは。調子はどうだい?」

普通に変化はないかとか、食べているか、眠れているか、悩みはないかとか、3人の関係は問題ないか、などを聞いてきて答えるだけだった。

「わかりました。他に質問は?」

「そういえば、チームおやつって人たちいますよね。かなり強くて先を進んでいるとか聞きます」

「そうらしいですね」

「知らない、とは答えないんですね。ひょっとして、ライバル的な何かですか?」

Advertisement

「んむむ。守義務というのがあるから、答えられないけど、私の擔當ではないですね」

「なるほど、ということは、他の病院でも同時に実験をしていると」

「んむむ。私の口からは何も言えないよ」

口は堅い丸木先生だった。

しかしそうなると、いつか「おやつ」の人たちと、お互い気にしたり、衝突したり、するかもしれない。

「うーん。トラブルになる予?」

「それは無いと思う。たぶん」

「たぶんですか? ライバル意識とか持たれたりしません?」

「ミケ君たちはまだ、知られていないはずだし」

「そういえば、そうですね。このゲーム、ユーザー名マーカーとかもないんですよね。不便だけど助かってます」

「現実をわりと大切にしているみたいだよ、開発は。非現実で現実を追求する矛盾みたいのはある」

「ははは、こっちも相手を確認できないから、不意の遭遇とかありそうです。まさに邂逅」

「それは、頑張ってくれとしか言えないな」

「ですよね」

私はお禮を言って、一度部屋を出る。

次はクルミの番だ。待っている間に待合室に、見知らぬってきて、空いている席に座った。

クルミが終わり、サクラちゃんの番になり、再び3人ともが呼ばれる。

呼ばれるときは、付でもらった番號制になっている。個人報保護大事。

「3人一緒で、なにか確認したいことは?」

「まだ特には、ないです。家がしいというほどでもないし、話し相手もいますし」

「そうですか」

「ああそうだ。姉妹風に苗字そろえたんですけど、姉妹システムってどんなじになるんですか?」

「それか、それはな」

「はい」

「知らないわけじゃないが、まだだ。しゃべれない。監視もされてるし、怒られる」

「そうでしたね」

「あと、待合室にお客さんが來てるみたいですけど、他にも見てる患者さんがいるんですね」

「ああ。ギルドや主要人には俺の仕事のことについて、それとなく伝えられていて、悩み相談室みたいになっている。病気のデバフは擔當外だ」

「なるほど、病気実裝されてるんですね」

「おっと口がったかな」

「はい。そうそう、リアルのほうの、ちゃんと管理してくれています?」

「それはもちろん、そういう契約だ。24時間監視は無理だが、専用ベッドが優秀だな。事前説明どおり部屋はロックが掛かっていて、無斷侵も無理」

「鍵持ってる先生がエッチなことしちゃだめですよ」

「分かっています。醫者として誓って」

私と先生が二人で會話した後は、クルミとサクラちゃんともし話した。

サクラちゃんがまだ聞いていないことについて突っ込みをれる。

「ところで先生。付のエルフの、お綺麗ですわ。先生の趣味かしら?」

「運営がいい人を紹介してくれたよ」

「NPCさんですか?」

「ああ。俺はいつもログインしているとは限らないから」

「そういえば、そうですわね」

後は、たわいのない會話をしだけして、お開きになった。

AIは別にVRゲーム専門というわけではない。だからロボットので現実世界やネットにもAIがいて活躍していて、とても便利なものだ。

ただ優秀なAIはコストも高いらしく、命を預かる醫者のAIは法律で止されている。癥狀などから病気を特定したりする補助AIは存在しているものの、最終判斷は今でも専門醫がくだすことになっている。

病院には看護用ロボットなどもあり、患者の手助けや見回りの強化、薬品の確認など、人間の看護師と連攜して作業することが多い。

特に患者を持ちあげたりする力仕事は、人間が監視をしつつロボットが行うように分擔しているようだ。

一般社會にもAIロボットはそこそこいるが、安いバイトは人間のほうがコストが安いらしく、いまでも人間の仕事だ。

ある程度の仕事はAIが使われるようになり、仕事が減っているのでワーキング・シェアの考えがとても広まっている。24時間戦っているサラリーマンは過去のものとなった。

だから給料の高い高度な判斷が必要なものと、ロボットでは高くなってしまうすごく安い仕事の二極化が進んでいて、貧富の差があるとか報じられていた。

仕事が安くても、ベーシックインカムという一定の給付を國からもらえる法律ができたことにより、ホームレスなどは違法外國人を除いてまずいない。

ある程度以上のAIロボットには、給料が支払われない代わりに、AIロボット稅が掛かるようになり、それを財源に社會福祉を充実化したのだ。

    人が読んでいる<私たちだけ24時間オンライン生産生活>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください