《リターン・トゥ・テラ》33話『開戦』
ジェームズから放送がる。
「各艦、出撃用意!アームド部隊は出撃準備急げ!」
「最悪すぎるイレギュラーが起きてしまったが、我が軍もある程度月に艦隊を集結させている!」
「月面基地、月面都市はバリアを展開する!月面都市に配備されているアームド、兵士は市民の避難を優先してくれ!」
重ねてムラクモから放送がる。
「おそらく敵はもう展開し終わって攻撃を開始してくるだろう。」
「基地を出たところを敵アームドにやられてはもうひとたまりもない。」
「この間に出撃できるアームドはカタパルトに……」
そこで僕は放送を返す。
「僕が行く。偶然だが、もうストライカーに搭乗済みだ。」
「エレナ、カタパルトの準備を頼む、発進シークエンスにらせてくれ。」
エレナから
「了解です。どうか私たちを守ってください。」
と返ってくる。
そうして僕はカタパルトへと向かった。
*
カタパルトに乗り、両側面のコンテナから武裝をけ取る。
シールドとビーム・ブラスター
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そしてサブマシンガンが二丁、両腰に取り付けられた。
初陣の時と同じ裝備だった。だが、今は一人での出撃となる。徐々に他のパイロットの搭乗は始まってるようだが。
エレナから通信がる。
「進路クリアー、オールグリーンです。発進どうぞ。」
「了解した。ブレイブ2、出撃する。」
カタパルトから出され、セレーネがっていたドックを抜ける。
遠くに停泊していた艦が既に攻撃をけて発するのが見えた。
ドックの方に何機か敵アームドが向かってくる。
敵は第7世代機。モノアイが特徴のサイクロプス。
となるとサファイア隊か。
「パイロット、迎撃準備を。」
サイが敵のきを読んだ図をモニターに映し出す。
「了解だ。行くぞ。」
足のペダルを強く踏み込む。
スピードならこちらが上だ。ドックから出てくる艦を叩かれる前にサファイア隊8機を落とす。
エンゲージ。
ロックオンした相手にビーム・ブラスターを放つ。
その放たれた閃は敵機を貫いた。
殘り7機。
敵機は散開してこちらに攻撃してくる。
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ストライカーセカンドなら振り切れる。
逆に固まらなければ、1機に狙いを定めやすい。
「ビーム・ブラスター、ロックオン完了です。パイロット。」
「了解だ。確実に當てる。」
ビーム・ブラスターから閃が放たれる。
著弾までは恐ろしく速い。
敵機は散した。
殘り6機。
そこで通信がってくる。
「演習ぶりね、ジ・アースのパイロット。なかなかやるじゃない。」
の聲、そして金の機が近寄ってくる。
「タイプ・ヴィーナス、エミリアか。」
エミリアはかなり自ありげに
「ようやくヴィーナスの完全形態での実戦ですもの。腕がなるわ。」
と言う。
よく見ると腳や肩にスラスターが裝著され、ブースターも付いている。
「高速タイプなんですね。ヴィーナスは。」
サイが言う。
その問いに
「まぁそうね。この子で踏み込むと本當に凄いんだから。まぁ見てなさい!」
そう言ってブースターを全開にし、敵機の中へと突っ込んでいく。
「ま、まて、戦で見たらエレメントを組んだ方が……!」
僕の呼びかけには応じなかったが、一気に白兵戦で敵の數を減らしている。
「凄いですね、パイロット。我々も負けてはいられません。」
「サファイア隊を一人であれだけやるのは、エミリアの腕があるからだ。下手に手を出すと、エミリアを巻き込みかねない。」
僕はエミリアに通信する。
「こっちの掃討は任せた。僕は艦隊が集結するまで、月面前方にいる銀河帝國の艦からくるアームドを叩く。」
そうするとエミリアは
「了解!任されたってーの!」
と言い、サファイア隊を攻撃していく。
金星の艦隊の部隊も出撃したようだ。エミリアの援護に回っている。
僕はセレーネに通信を送る。
「セレーネ。ドックに取り付いてた周りの敵は金星の艦隊、そして金星のストライカーが掃討している。ドックから出て打撃艦隊と合流を。」
セレーネから通信が返ってくる。艦長のムラクモからだ。
「ケイくん。ありがとう。では、ツクヨミ、アルテミス、ヘカテーと合流すべくこちらもく。アームドは狀態が安定してからの出撃とする。それまで持ち堪えれるか。ケイくん。」
その問いに
「もちろんだ。確実に持ち堪えてみせる。」
と返す。
「頼もしい限りだ。頼んだよ。」
そう言って通信は途切れた。
セレーネからの援軍、そしてブレイブ隊が揃うまではまだ時間がかかるだろう。
月面前方からこちらに迫るアームドの部隊を確認する。
4機編のグラディエーターだ。
年兵団の生き殘りだろう。
敵の対アームド用アサルトライフルの攻撃を躱し、ビーム・ブラスターで応戦する。
放たれたビームは敵1機を貫いて、エーテライトエンジンに。発を起こす。
3機が編隊を崩さずこちらに迫ってくる。
「ここから先は行かせない!」
ビームブラスターを後ろの腰にマウントし、サブマシンガンを両手に裝備する。
盾を構え、敵の編隊に突っ込む。
敵は當然対アームド用アサルトライフルで撃をしてくるが、それを盾で防ぎつつ、そのまま慣を乗せて1機に當たり。
すかさず向きを変え、サブマシンガンを構えて2機に撃ち込む。
2機とも沈黙を確認した。
そうしてまたサブマシンガンをマウントし、ビーム・ブラスターを裝備する。
吹っ飛ばされた1機は姿勢制をし、こちらを向き直すとアサルトライフルを構える。
「遅い!」
僕がそう言う頃には既にビームが相手を貫いていた。
そうしてまた月の正面を目指す。
「パイロット、4機相手にこれほどとは。驚きました。」
「相手も練度が低かった。サイの姿勢制なんかの微調整があってこその戦闘だ。」
「それはどのAIにも等しく備わったものです。パイロットの腕ですよ。」
そこで通信がる。マキシからだ。
「おい坊主!こちらの打撃艦隊が合流した!坊主やら金星のストライカーがあらかた掃除してくれたおかげだな!」
「今から合流する!位置座標を頼む!」
「そしてだな、アルテミスから新たなストライカーが出撃するそうだ。タイプ・ムーンだとよ。ついにお披目だ。」
僕は通信を送り返す。
「了解だ。艦との距離を見るに隨分遠いところまで來た。合流するならゲタを履いたほうがいい。」
「タイプ・ムーンについても了解した。では、合流を急いでくれ。敵機と遭遇し次第そちらには行かせないようにする。」
マキシから通信が帰ってくる。
「位置座標を把握した。たしかにこりゃブースターが必要じゃな。なるべく早く合流できるようにする!待ってろ、坊主!」
そう言って通信が切れる。
位置座標を送った手前、ここからくことができない。
「銀河帝國の艦がこんなに集結して、攻撃も集中しているのに、月面基地からの反撃はあまり見られない。何故だ。」
僕はサイに問う。
「それは提督が言っていた、バリアというものによります。」
「バリアも古代の産で、基地に特殊なビーム防護フィールド、言わば障壁を発生させ、艦砲撃、ミサイルなどの発の攻撃を防ぎます。」
「逆に、その中にいる我々の基地もこちらからも攻撃ができないので、こう著狀態が続くと言うじにはなりますね。」
その時、ロックオン警報。
「パイロット、データにない機がものすごい速度でこちらに迫ってきてます!注意を!」
その剎那。
閃がストライカーの左腕を貫いた。
はなかったが、何故銀河帝國にビーム兵が?
考えてる暇はなかった。
慣を乗せたまま、敵機に蹴りを喰らう。
その場から蹴り飛ばされる。
僕はまず戦うにしてもデータが必要だとじた。
「まずい、サイ!分析はどうだ!」
「パイロット、それなのですが、まったくもって中はジ・アースです!それに外部裝甲をプラスして出力を上げてます!おそらく火星で鹵獲された機かと!」
そう言いながらサイと僕で機の姿勢を制する。
しかし遅かった。今度は右足を撃ち抜かれる。
溶斷され、スラスターに。発が起こる。
「相手は相當手慣れだ!」
僕は敵の攻撃を躱すことで一杯だった。
「パイロット、敵に関して何か報はありますか。」
「わからない。ただ可能の話だが、ヴィンセント皇帝がこの戦場に出てるなら、インペリアル・ロイヤル・ガードのうちの一人だ。」
「インペリアル・ロイヤル・ガードはものすごく強い。模擬戦で100回戦って1勝もできなかった。」
「そんな兵士が、ぐっ……!」
白兵戦に持ち込まれる。腕と腕がれ合う。
接したことによって、回線が繋がってしまう。
敵から聲をかけられる。
「K-201、オリジナルは"アルファ"。」
「と言うことは、君は僕のクローンなんだね。K-201。」
自分と同じ聲だった。
「君はなんて愚かなんだ。」
「反省してね。あの世で。」
敵アームドの右手に対アームドダガーが握られている。
それを防ぐストライカーの左手はもうない。
部フロントスラスターによる目眩し?いや、もう遅いだろう。
死ぬのか……?ここで……
「サイ、ごめ……」
そう言いかけたところで、援護がった。
ブースターをつけたマキシのガーディアンが相手の機に向けて突進。
相手は弾き飛ばされた。
マキシだけじゃない。エドワードもグリムもいる。
そのほかにも、セレーネの部隊が勢揃いしている。
分が悪いとじたのか、敵機は高速で去っていく。
マキシから通信がる。
「坊主!大丈夫か!」
「死にかけたが大丈夫だ。しかし、左手と右足を失った。」
「全然大丈夫じゃないじゃろが!早く艦に戻れ!」
「確かにこのままでは戦えない。戦線はなんとか守り切った。後は頼む。」
そう言って僕は他のメンバーに戦線の維持を任せて帰投する。
完全に完敗だった。
またあの機が戦線に上がってくることがあれば、間違いなく犠牲が出るだろう。
「パイロット、今は余計なことを考えず、帰投しましょう。ある程度の機のデータも取れました。解析すれば、きっと勝てます。」
「サイ、あれは僕のオリジナルと言っていた。」
「しかも、アルファは何回戦っても負けていた相手だ。」
そこでサイがこう言う。
「不安なのはわかりますが、弱気になってはダメです。パイロット。」
「パイロットは言っていましたよね。みんなで守りあえば、確実に勝てると。」
「間違いなくそうだと思います。」
「一人で挑もうとせず、仲間を頼りましょう。」
僕はサイに問う
「仲間をまた失うかもしれない。僕はどうすれば……」
サイは
「それでもやるしかないのです。仮にそれがパイロットだったとしても、彼を倒さない限り、地球に平和は訪れません。」
「刺し違えても、か……」
そんな事を考えているとセレーネが見えてきた。
セレーネがガイドビーコンを出す。
それに従い、僕はやっとの思いでセレーネに著艦するのだった。
34話へ続く。
リターン・トゥ・テラ
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