《リターン・トゥ・テラ》33話『開戦』

ジェームズから放送がる。

「各艦、出撃用意!アームド部隊は出撃準備急げ!」

「最悪すぎるイレギュラーが起きてしまったが、我が軍もある程度月に艦隊を集結させている!」

「月面基地、月面都市はバリアを展開する!月面都市に配備されているアームド、兵士は市民の避難を優先してくれ!」

重ねてムラクモから放送がる。

「おそらく敵はもう展開し終わって攻撃を開始してくるだろう。」

「基地を出たところを敵アームドにやられてはもうひとたまりもない。」

「この間に出撃できるアームドはカタパルトに……」

そこで僕は放送を返す。

「僕が行く。偶然だが、もうストライカーに搭乗済みだ。」

「エレナ、カタパルトの準備を頼む、発進シークエンスにらせてくれ。」

エレナから

「了解です。どうか私たちを守ってください。」

と返ってくる。

そうして僕はカタパルトへと向かった。

カタパルトに乗り、両側面のコンテナから武裝をけ取る。

シールドとビーム・ブラスター

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そしてサブマシンガンが二丁、両腰に取り付けられた。

初陣の時と同じ裝備だった。だが、今は一人での出撃となる。徐々に他のパイロットの搭乗は始まってるようだが。

エレナから通信がる。

「進路クリアー、オールグリーンです。発進どうぞ。」

「了解した。ブレイブ2、出撃する。」

カタパルトから出され、セレーネがっていたドックを抜ける。

遠くに停泊していた艦が既に攻撃をけて発するのが見えた。

ドックの方に何機か敵アームドが向かってくる。

敵は第7世代機。モノアイが特徴のサイクロプス。

となるとサファイア隊か。

「パイロット、迎撃準備を。」

サイが敵のきを読んだ図をモニターに映し出す。

「了解だ。行くぞ。」

足のペダルを強く踏み込む。

スピードならこちらが上だ。ドックから出てくる艦を叩かれる前にサファイア隊8機を落とす。

エンゲージ。

ロックオンした相手にビーム・ブラスターを放つ。

その放たれた閃は敵機を貫いた。

殘り7機。

敵機は散開してこちらに攻撃してくる。

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ストライカーセカンドなら振り切れる。

逆に固まらなければ、1機に狙いを定めやすい。

「ビーム・ブラスター、ロックオン完了です。パイロット。」

「了解だ。確実に當てる。」

ビーム・ブラスターから閃が放たれる。

著弾までは恐ろしく速い。

敵機は散した。

殘り6機。

そこで通信がってくる。

「演習ぶりね、ジ・アースのパイロット。なかなかやるじゃない。」

の聲、そして金の機が近寄ってくる。

「タイプ・ヴィーナス、エミリアか。」

エミリアはかなり自ありげに

「ようやくヴィーナスの完全形態での実戦ですもの。腕がなるわ。」

と言う。

よく見ると腳や肩にスラスターが裝著され、ブースターも付いている。

「高速タイプなんですね。ヴィーナスは。」

サイが言う。

その問いに

「まぁそうね。この子で踏み込むと本當に凄いんだから。まぁ見てなさい!」

そう言ってブースターを全開にし、敵機の中へと突っ込んでいく。

「ま、まて、戦で見たらエレメントを組んだ方が……!」

僕の呼びかけには応じなかったが、一気に白兵戦で敵の數を減らしている。

「凄いですね、パイロット。我々も負けてはいられません。」

「サファイア隊を一人であれだけやるのは、エミリアの腕があるからだ。下手に手を出すと、エミリアを巻き込みかねない。」

僕はエミリアに通信する。

「こっちの掃討は任せた。僕は艦隊が集結するまで、月面前方にいる銀河帝國の艦からくるアームドを叩く。」

そうするとエミリアは

「了解!任されたってーの!」

と言い、サファイア隊を攻撃していく。

金星の艦隊の部隊も出撃したようだ。エミリアの援護に回っている。

僕はセレーネに通信を送る。

「セレーネ。ドックに取り付いてた周りの敵は金星の艦隊、そして金星のストライカーが掃討している。ドックから出て打撃艦隊と合流を。」

セレーネから通信が返ってくる。艦長のムラクモからだ。

「ケイくん。ありがとう。では、ツクヨミ、アルテミス、ヘカテーと合流すべくこちらもく。アームドは狀態が安定してからの出撃とする。それまで持ち堪えれるか。ケイくん。」

その問いに

「もちろんだ。確実に持ち堪えてみせる。」

と返す。

「頼もしい限りだ。頼んだよ。」

そう言って通信は途切れた。

セレーネからの援軍、そしてブレイブ隊が揃うまではまだ時間がかかるだろう。

月面前方からこちらに迫るアームドの部隊を確認する。

4機編のグラディエーターだ。

年兵団の生き殘りだろう。

敵の対アームド用アサルトライフルの攻撃を躱し、ビーム・ブラスターで応戦する。

放たれたビームは敵1機を貫いて、エーテライトエンジンに発を起こす。

3機が編隊を崩さずこちらに迫ってくる。

「ここから先は行かせない!」

ビームブラスターを後ろの腰にマウントし、サブマシンガンを両手に裝備する。

盾を構え、敵の編隊に突っ込む。

敵は當然対アームド用アサルトライフルで撃をしてくるが、それを盾で防ぎつつ、そのまま慣を乗せて1機に當たり。

すかさず向きを変え、サブマシンガンを構えて2機に撃ち込む。

2機とも沈黙を確認した。

そうしてまたサブマシンガンをマウントし、ビーム・ブラスターを裝備する。

吹っ飛ばされた1機は姿勢制をし、こちらを向き直すとアサルトライフルを構える。

「遅い!」

僕がそう言う頃には既にビームが相手を貫いていた。

そうしてまた月の正面を目指す。

「パイロット、4機相手にこれほどとは。驚きました。」

「相手も練度が低かった。サイの姿勢制なんかの微調整があってこその戦闘だ。」

「それはどのAIにも等しく備わったものです。パイロットの腕ですよ。」

そこで通信がる。マキシからだ。

「おい坊主!こちらの打撃艦隊が合流した!坊主やら金星のストライカーがあらかた掃除してくれたおかげだな!」

「今から合流する!位置座標を頼む!」

「そしてだな、アルテミスから新たなストライカーが出撃するそうだ。タイプ・ムーンだとよ。ついにお披目だ。」

僕は通信を送り返す。

「了解だ。艦との距離を見るに隨分遠いところまで來た。合流するならゲタを履いたほうがいい。」

「タイプ・ムーンについても了解した。では、合流を急いでくれ。敵機と遭遇し次第そちらには行かせないようにする。」

マキシから通信が帰ってくる。

「位置座標を把握した。たしかにこりゃブースターが必要じゃな。なるべく早く合流できるようにする!待ってろ、坊主!」

そう言って通信が切れる。

位置座標を送った手前、ここからくことができない。

「銀河帝國の艦がこんなに集結して、攻撃も集中しているのに、月面基地からの反撃はあまり見られない。何故だ。」

僕はサイに問う。

「それは提督が言っていた、バリアというものによります。」

「バリアも古代の産で、基地に特殊なビーム防護フィールド、言わば障壁を発生させ、艦砲撃、ミサイルなどのの攻撃を防ぎます。」

「逆に、その中にいる我々の基地もこちらからも攻撃ができないので、こう著狀態が続くと言うじにはなりますね。」

その時、ロックオン警報。

「パイロット、データにない機がものすごい速度でこちらに迫ってきてます!注意を!」

その剎那。

がストライカーの左腕を貫いた。

はなかったが、何故銀河帝國にビーム兵が?

考えてる暇はなかった。

を乗せたまま、敵機に蹴りを喰らう。

その場から蹴り飛ばされる。

僕はまず戦うにしてもデータが必要だとじた。

「まずい、サイ!分析はどうだ!」

「パイロット、それなのですが、まったくもって中はジ・アースです!それに外部裝甲をプラスして出力を上げてます!おそらく火星で鹵獲された機かと!」

そう言いながらサイと僕で機の姿勢を制する。

しかし遅かった。今度は右足を撃ち抜かれる。

溶斷され、スラスターに発が起こる。

「相手は相當手慣れだ!」

僕は敵の攻撃を躱すことで一杯だった。

「パイロット、敵に関して何か報はありますか。」

「わからない。ただ可能の話だが、ヴィンセント皇帝がこの戦場に出てるなら、インペリアル・ロイヤル・ガードのうちの一人だ。」

「インペリアル・ロイヤル・ガードはものすごく強い。模擬戦で100回戦って1勝もできなかった。」

「そんな兵士が、ぐっ……!」

白兵戦に持ち込まれる。腕と腕がれ合う。

したことによって、回線が繋がってしまう。

敵から聲をかけられる。

「K-201、オリジナルは"アルファ"。」

「と言うことは、君は僕のクローンなんだね。K-201。」

自分と同じ聲だった。

「君はなんて愚かなんだ。」

「反省してね。あの世で。」

敵アームドの右手に対アームドダガーが握られている。

それを防ぐストライカーの左手はもうない。

部フロントスラスターによる目眩し?いや、もう遅いだろう。

死ぬのか……?ここで……

「サイ、ごめ……」

そう言いかけたところで、援護がった。

ブースターをつけたマキシのガーディアンが相手の機に向けて突進。

相手は弾き飛ばされた。

マキシだけじゃない。エドワードもグリムもいる。

そのほかにも、セレーネの部隊が勢揃いしている。

分が悪いとじたのか、敵機は高速で去っていく。

マキシから通信がる。

「坊主!大丈夫か!」

「死にかけたが大丈夫だ。しかし、左手と右足を失った。」

「全然大丈夫じゃないじゃろが!早く艦に戻れ!」

「確かにこのままでは戦えない。戦線はなんとか守り切った。後は頼む。」

そう言って僕は他のメンバーに戦線の維持を任せて帰投する。

完全に完敗だった。

またあの機が戦線に上がってくることがあれば、間違いなく犠牲が出るだろう。

「パイロット、今は余計なことを考えず、帰投しましょう。ある程度の機のデータも取れました。解析すれば、きっと勝てます。」

「サイ、あれは僕のオリジナルと言っていた。」

「しかも、アルファは何回戦っても負けていた相手だ。」

そこでサイがこう言う。

「不安なのはわかりますが、弱気になってはダメです。パイロット。」

「パイロットは言っていましたよね。みんなで守りあえば、確実に勝てると。」

「間違いなくそうだと思います。」

「一人で挑もうとせず、仲間を頼りましょう。」

僕はサイに問う

「仲間をまた失うかもしれない。僕はどうすれば……」

サイは

「それでもやるしかないのです。仮にそれがパイロットだったとしても、彼を倒さない限り、地球に平和は訪れません。」

「刺し違えても、か……」

そんな事を考えているとセレーネが見えてきた。

セレーネがガイドビーコンを出す。

それに従い、僕はやっとの思いでセレーネに著艦するのだった。

34話へ続く。

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