《リターン・トゥ・テラ》34話『再出撃』
ハンガーへとる。ハンガーには、以前鹵獲していたタイプマーキュリーの腕と腳が準備されていた。
ストライカーのパーツは替えが効かないと言っていたが、ストライカー同士であればパーツの換は可能のようだ。
機を格納している場所に預けると、大勢の整備兵たちが僕とサイのために、パーツの換を始めている。
バランスの問題だろうか。右腕と左足もブロック単位で外される。
各種腕と足の取り付け、そうして、推進剤の補充も始まる。
サイが取り付けられたパーツについて念にチェックをし、スムーズに可するかの計算を行ってる。
「パイロット、オールクリアーです。」
「了解だ。」
僕は拡聲機能を使って整備兵に伝える。
「助かった。整備兵の皆は離れてくれ。」
マーキュリーの腕がついた右と左を互に確認し、ストライカーの指を握り、開きを繰り返す。
これなら問題ない。
次の出撃に備えるだけとなった。
そこで、接回線の機械がコックピットに取り付けられる。
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サクラだった。
「どうせ無茶したんでしょ。」
僕は答える。
「相手が強過ぎるだけだ。」
「サクラ、すまない。今回限りはもう帰って來れないかもしれない。」
サクラは
「コックピットを開けて。」
と言う。
「了解した。」
僕はコックピットを開ける。
サクラが中にってくる。
「ヘルメットのバイザーをあげて」
僕は言われるがまま、ヘルメットのバイザーをあげた。
サクラは僕の口に口をつけた。
起していたサイは「あら。」と驚いてる様子だった。
サクラはそのままコックピットから離れると
「死なないで。お願い。」
と言い、去っていった。
僕はサイに問う
「サイ、今のはなんだ。そして何故驚いた。」
「今のはヒトのを示す行です。その行為に意味がわからなくても、本能的に心拍數は上がるんですね。」
「そうなのか。サクラは僕をしていたのだな。」
「の定義は前に教わった通りだとしたら、フィルとシャーロットの関係みたいなものだよな。」
「サクラが、そんな風に僕を思っていてくれたなんて。」
「パイロット、死ねない理由ができましたね。」
「ああ、さらに死ねなくなった。」
「今しがた送られてきた管制機からの報を見るに、我々の部隊も戦中ですね。まだ一人も欠けてません。ワタシタチも早く行かねばですね。」
そうこうしている間に推進剤の充填が終わる。
「サイ、行くぞ。みんなの元へ。」
「了解ですパイロット。」
そう言ってカタパルトデッキに向かって歩く。
*
背中にブースターが取り付けられる。
ビーム・ブラスター、シールドをけ取る。
サブマシンガン1丁が腰にマウントされ、片方の腰にはヒート・ブレードがマウントされた。
確かにこの戦闘は白兵戦も多い。ヒート・ブレードがあった方が役に立つだろう。
エレナから通信がる。
「ケイさん、どうか無理はなさらずにお願いします。」
「みんな心配していましたから……。」
「すいません。進路クリアー、オールグリーンです。発進どうぞ。」
「こちらこそすまない。ブレイブ2、出撃する。」
カタパルトは使わず、ブースターに點火し、そのまま推力で出撃する。
一刻も早く、戦している仲間の元へ。
*
サイが告げる。
「戦データリンクアクティブ。しかし、これは……」
「どうしたサイ、眼では何も確認できない。」
「アレを見てください。」
遠モニターが拡大する。
すごい數の銀河帝國の艦隊が破壊されていた。
「おそらくこれをし遂げたのは、タイプ・ムーンですね。」
「他アームドとの通信可能區域まで來ました。通信を繋ぎます。」
「ブレイブ隊、こちらサイ、ストライカーです。戦線に復帰しました。ご迷おかけいたしました。」
マキシが通信に出る。
「サイ!坊主!戻ってきたか!無事で良かった!」
エドワードも通信に出る。
「水星モデルとごっちゃか。合い悪いな。ま、しょうがねぇか。にしてもあの狀況でよく生き殘った。あの逃げてったアイツ、確実に落としてやろうな。」
グリムも通信に出る。
「ケイくん!心強いです!僕らはタイプ・ムーンの護衛が主です。タイプ・ムーンを守れば、確実に敵の戦力を削ぐことができます。」
僕はサイに問う
「タイプ・ムーンとはどんな機なんだ。」
「パイロット、データを調べたところ、防力も火力も兼ね備えた、拠點防衛用に改造されたストライカーのようです。」
「完までに時間がかかったのも無理もありません。あれだけの裝備を積んでいるんですもの。」
戦闘が行われているわずか後方、そのタイプ・ムーンは靜かに戦闘態勢をとっていた。
タイプ・ムーン。その背中、バックパックに大きな迎撃用ミサイルコンテナを裝備。
そして右手には、ものすごく長い銃。これはビーム兵だろうか。おおよそアームドを橫に3機程並べたほど長いものを裝備している。
そして左手にはサブアームから取り付けられた、巨大なシールドが構えられてある。
「すごい重裝備だな。取り回しが悪そうに見えるが。」
僕の問いにサイが答える。
「コンセプトとしては拠點防衛兵ですからね。対アームドの白兵戦などは考慮してないのだと思います。」
そこで管制機から通信がる。
「こちら管制機プロヴィデンス・アイ。敵アームド部隊の更なる出撃を確認した。各隊、退所にあたれ。タイプ・ムーンの線だけには充分に気をつけてくれ。」
僕はブレイブ隊と合流し、敵戦艦からこちらに向けて攻撃をしてくるアームドを迎え撃つ。
僕らはタイプ・ムーンの護衛が主になるみたいだ。近寄らせないように、確実に撃破していく。
そこで管制機から通信がる。
「タイプ・ムーンの荷電粒子充填を確認した。線にいるアームドは直ちに回避行を取れ。」
管制機からモニターにタイプ・ムーンから放たれるビームの線の警告が表示される。
マキシ機から通信がる。
「聞いていたか?散開だ!」
敵アームドと戦しながら、その線から外れるように回避行を取る。
管制機は常にタイプ・ムーンの撃を秒単位でモニターに通達している。
「3・2・1、ファイア。」
管制機がそう告げると、太い閃が橫切る。
遠くまでびたその閃は、敵の戦艦に著弾。遠くの方で大発が起きる。
その攻撃に巻き込まれた敵アームドもいるようだった。
「これが、タイプ・ムーンの攻撃力か。凄いな。」
戦していた敵アームドを破壊した僕は、サイに話しかけていた。
「ラグナレク戦爭でもあれ程の兵はありませんでした。現代人達の技力も凄いですね。」
「グリムの言う通り、あれを守り続ければ、押し切れそうだ。」
そこにまた管制機から通信がる。
「金星の艦隊もまもなく合流だ。提督からは戦線を押し上げると通達が來ている。一気に銀河帝國の艦隊を叩く作戦との事だ。」
各部隊がどうくかのシミュレーションがモニターに映し出される。
僕らは敵の中心まで僕らは突撃する事になっているようだ。
となると間違いなく、アルファが出てくるだろう。
「サイ。間違いなくこのままいけば先ほどの新型、僕のオリジナル、アルファと戦う事になる。」
「大丈夫です。パイロット。今回は仲間も、さらにタイプ・ヴィーナスもついています。」
「どうか、仲間と自分を信じてください。」
「絶対、生き殘りましょう。パイロット。」
僕は自分の言った"必ず生きて帰る"という言葉を思い出していた。
そうだ。必ず生きて帰るんだ。
「ああ、わかったよ。サイ。弱気になってごめん。」
「必ず、生きて帰るぞ。」
35話へ続く。
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