《リターン・トゥ・テラ》35話『後退』

マキシが大聲をあげる。

「エドワード、そっちへ行ったぞ!」

「了解です隊長!そんな大聲あげんでも!」

エドワードは冷靜に敵機の攻撃を躱し、ドッグファイトを仕掛ける。

「落ちな!」

エドワード機がフルオートで放った、対アームド用アサルトライフルの攻撃は、敵機に命中し発を起こす。

「グリム!ボサっとしてんなよ!」

その後、エドワードはグリムの援護に周り、2人で協力し、また1機、相手の數を減らす。

「エドワードさん!助かりました!」

「貸しな。ツケといてやるから、この戦爭が終わったら酒でも奢ってくれや。」

僕らは敵のクイーン級戦艦の近くで敵のアームド、エメラルド隊のサイクロプスと戦している。

僕も高速で敵を追いかけ回していた。

「サイ!ロックオンはどうだ!」

「パイロット、後もうしです。」

ドッグファイトになるならば、アサルトライフルの方が取り回しが良かったが、敵戦艦をも相手にするとなると、もちろんビーム・ブラスターの方がいい。

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今はこの裝備で頑張るしかない。

「パイロット。ロックオン完了しました。」

サイが僕に告げる。

「了解だ!」

敵機、サイクロプスをビームが貫く。

「これで何機やった?」

「我々部隊で5機目です。パイロットの報によれば、この部隊は後3機殘っているはずです。」

マキシから聲がかかる。

「坊主、こっちも1機ダウンさせた!後2機じゃ!後のことはワシらに任せて目の前のデカブツをなんとかしてくれ!」

「了解だ。デカブツとは戦艦の認識でいいのだな?」

「伝え方が悪かったな!そうじゃ!戦艦じゃ!」

「了解した。行くぞ、サイ!」

「了解ですパイロット。対空撃と対アームドミサイルに気をつけてください。」

僕らはフルスロットルで敵戦艦に向かう。

相手は戦艦だ。対空撃やミサイルの數も多いが、ストライカーがセカンドとなり、バックパックスラスターの出力も上がり、さらに接近戦用に調整されているマーキュリーの腳を取り付けたことで、実質、腳のスラスターの強化にもなっている。

そのまま敵の懐に突っ込み、ビームを放つ。

敵戦艦のエーテライトエンジンにし、大発。巻き込まれる前に離する。

そうするとまた管制機から連絡がる。

「タイプ・ムーン、荷電粒子チャージ完了。線のアームドは退避せよ。」

まもなくして、遠くの敵艦が発する。

マキシから通信が

「坊主!よくやった!こっちもエメラルド隊だかってのは掃討したぞ!」

その報告に僕は安堵する。

そしてふと疑問に思う。

「サイ、今のところ僕らが有利に見えるが、インペリアル・ロイヤル・ガードが戦線に上がってきていない。」

「そのようですね。ところで、インペリアル・ロイヤル・ガードは4機編隊なのですよね。この狀況によって出し惜しみするとなると……」

「まずいかもしれませんね。」

「何かあるのか、サイ。」

「ブレイブ隊、こちらサイです。敵のきに注意を……」

そこで管制機から連絡がる。

「こちら管制機プロヴィデンス・アイだ!敵フリゲート級1隻がスタースピードにった!出現場所の計算が間に合わない!」

「これは……!全軍に通達!直ちに引き返し、タイプ・ムーンの護衛に回れ!」

「敵フリゲート級は月面基地に近い場所へ航行してきた!各艦隊は対処を!」

「さらに敵フリゲート級より、アームド4機の出撃を確認した!」

「3機はサイクロプスだが、1機、新型がいる!」

「繰り返す!全軍に通達!タイプ・ムーンの護衛に……」

マキシから通信がる。

「聞いたか!?おそらく、坊主を打ち負かした奴が月面基地付近に近づいた!」

「このままじゃ、タイプ・ムーンだけじゃなくて、セレーネまで危ない!」

「帰る家を守りたきゃ、一旦引き上げるぞ!」

そうは言ってもここからはかなり遠い。ブースターも取り外してしまった。

でも、一旦ここは引くしかないだろう。

「おそらくタイプ・ムーンを脅威と見た敵の采配ですね。この戦法、してやられました。」

サイすらそう言っているほどだ。

「とりあえず艦砲撃に注意しながら、戻るしかない。時間と推進剤を使うが、仕方ないだろう。」

「ですね。パイロット。あの強さの兵士の編隊なら、タイプ・ムーンどころか、艦隊も心配です。」

またマキシから通信がる。

「坊主、お前はそのスピードがある!できれば先に行け!飛んだ先でタイプ・ヴィーナスと合流できるはずじゃ!」

「ワシらは敵に背を向けて後退することになる!しんがりはワシが務める!さぁ!いくぞ!」

エドワードからも通信がる。

「アイツが先に行くなら、こっちの先頭は俺が行く。グリムは真ん中だ。その方が安全だろうからな。」

グリムからも通信がる。

「気にかけて頂いてありがとうございます!エドワードさん!そしてケイくん、僕らの到著まで、セレーネを頼みます!」

「了解だ。サイ。フルスロットルでいくぞ。」

「パイロット、了解です。行きます。」

そうして、大規模な後退が始まった。

36話へ続く。

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