《リターン・トゥ・テラ》35.5話『銀河帝國 3』

「ダイヤモンド隊、エメラルド隊共に全機撃墜を確認。」

「クイーン級戦艦さらに2隻轟沈。」

「敵新型アームドよりさらに砲撃。ポーン級駆逐艦、轟沈。」

クローン達がが淡々と狀況を説明している。

キング級戦艦、CICの中、ヴィンセントは、徐々に削られていく戦力に対して焦燥にかられていた。

何故だ。

これまでの作戦もことごとく失敗してきた。

またしても、今度もか。

いや、そうはさせない。

そうなってたまるものか。

しかし。

地球國家には、何故あのような兵が存在している。

新型機だけでなく、あんな防衛兵まで。

私が地球に辿り著く前にこのままでは落とされてしまう。

そう。

そうだ。

私の目的。

リターン・トゥ・テラ計畫。

地球より一番遠い冥王星のコロニーに捨てられた人々の想いによって、何年も、何十年も、何百年も練られてきた計畫。

木星、土星、海王星の征服。そしてブーステッド、クローン人間の複製。

全てはこの時の為に。

我々一族を地球に帰す為に。

そして銀河を我々が統一し、願いを葉える為にも。

父は売國奴だった。

地球國家と協定を結び、地球國家の良いようにられ、銀河を統一させられる事など、あってたまるものか。

「必ずや、我々一族を地球へと返す……。」

しかし、このままだと、艦の數も減らされ、地球國家の月面基地を叩きにくくなるのは間違いない。

艦船や、アームドの數ももう減り続ける一方だ。

私の作戦は間違っていたのか。

いや違う。

想定を遙かに超えたスペックの機が地球國家に存在している。

アレを壊すには。

そうだ。彼らしかいない。

「ビショップは健在か。」

ヴィンセントはクローン兵に問う。

「ビショップ級1番艦、ビショップは健在です。我々の右舷前方にて守備を固めています。」

クローン兵は淡々と答える。

「わかった。ならば。」

そう言ってヴィンセントは通信端末を起する。

「インペリアル・ロイヤル・ガードの諸君らに急な任務を與える。」

ヴィンセントはインペリアル・ロイヤル・ガードの4人に対し通信を送る。

インペリアル・ロイヤル・ガード。それぞれのクローンの元になった人達で、全員がブーステッドで構された部隊。

彼らはこの戦艦、キングのハンガーにて待機中だった。

「君たちには、ビショップに乗り込み、スタースピードで月面付近まで航行、そして例の狙撃手を破壊してほしい。」

「了解です。皇帝陛下。」

4人が同時に応える。

「君たちならやれると信じているよ。」

「そういえばアルファ。君はクローンと対決したそうじゃないか。」

ヴィンセントはアルファに問う。

「はい。皇帝陛下。あの場で撃墜はできませんでしたが、次は必ず。」

こう応えるアルファに、ヴィンセントは

「あの裏切り者が出てから、我々の計畫に大きな支障が出ている。」

「期待している。頼んだぞ。アルファ。」

と言う。

栄です。皇帝陛下。」

とアルファから返ってくる。

そうして通信を切る。

奴らが戦場に出れば、狀況も変わるだろう。

ここまで溫存させたのはイレギュラーに対応する為。

アルファだけで、勝てたはずだったが。

4人送り出せば、確実に戦況はく。

必ずや月を落として、地球にたどり著いて見せる。

この戦爭。勝たせてもらう。

to be continued

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