《リターン・トゥ・テラ》39話『激闘』
月面付近に到著。姿勢制を行い、月面基地本部隊とデータリンクを繋ぐ。
24機の防衛部隊だったが、もう殘りは5機だけとなっていた。インペリアル・ロイヤル・ガード2機、しかも1機は、あのアルファの乗る新型だ。無理もないだろう。
月面基地本部隊に通信を送る。
「こちらストライカー・ジ・アース。援護に來た。」
月面基地本部隊の1人から通信が返ってくる。
「ストライカーが來てくれたのか!あの2機をなんとかしてくれ!隊長もやられて、もう俺たちは……。」
そう言いかけたところで、通信が途絶え、エーテライトエンジンの発が遠くで起こったのが見えた。
別な1機からまた通信がる。
「我々はモノアイの機を抑える!その間にあの新型を!」
新型、アルファの乗る機。
「了解だ。そちらも無理はしないでくれ。」
「サイ、言われた通りだ。ブレイブ隊が到著するまで、アルファと戦し、出來るなら……。」
「パイロット、気持ちはわかりますが、焦りはですよ。」
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「わかっている。」
そう言って僕はまたブースターを點火する。
高速でアルファの乗る機に近づく。
アルファはそれを察知し、アサルトライフルを構える。
ロックオン警報が鳴る。
お構いなしに盾を構え、そのまま突っ込む。
アサルトライフルの弾丸が左の盾に命中するも、まだ盾は壊れはしない。
そのまま慣を乗せて突撃。
アルファの乗る機は弾き飛ばされる。
バックスラスター點火。姿勢制。
こちらもアサルトライフルでロックオン。
フルオートで撃ち込む。
敵機はすぐ勢を立て直し、高速で回避。
ドッグファイトとなった。
「パイロット、先ほども話しましたが、敵機の中はジ・アースです。それに、火星の工廠から鹵獲した特殊裝備や、銀河帝國で作られた外部裝甲を取り付け、出力、防力、パワーバランスの取れた機だと計算しました。」
「アサルトライフルでは致命的なダメージを與えるのは難しいかと思われます。ミサイルポッドの使用を推奨します。」
「了解だ。アサルトライフルでかして、ミサイルで取る。」
僕が敵機を追う形でのドッグファイトだったが、狀況が変わる。
別位置からロックオン警報。そしてサイが告げる。
「戦データリンク、パッシブ。月面基地本部隊が全機やられました。」
アサルトライフルの撃が飛んでくるが、この速度だ。躱せないことはない。
しかし、2機相手では間違いなくこの機の機を持っても不利だ。
僕は新型を追い、そしてサイクロプス1機に追われる狀態になった。
「パイロット、腳に著弾したらエーテライトエンジンので機が壊れます。ここは一度引きましょう。」
「引くって言っても!」
「それか、後ろの1機を相手取るかです。敵の意表を突きます。」
「パイロット、速度をさらに上げてください。パイロットに凄い負荷はかかりますが、ハイGターンをします。」
「その方法で狀況が打破できるならやる!サイ!細かい姿勢制を頼む!」
「パイロット、了解です。」
さらに速度を上げ、僕らはターンをする。
機が軋む音まで聞こえる。特殊なパイロットスーツを著ていても目が霞む。
「パイロット。今です。ヒート・ブレードを。」
僕はすぐさま左手でヒート・ブレードを抜き去り、刀を放熱させる。
相手はアサルトライフルを構えてロックオンをするが。
「遅い!」
僕は相手の機のコックピット目掛けて橫にヒート・ブレードを振る。
溶斷。
丁度コックピットのある位置から真っ二つに敵機、サイクロプスは切り裂かれた。
エーテライトエンジンも同位置にあるため、し遅れて大発が起こる。
僕はそれから離。
しかしすぐさまロックオン警報。
アルファの機からアサルトライフルの撃が飛んでくる。
それをなんとか躱す。
これで1対1だ。
「パイロット、何度も言うように、焦りはです。」
「わかっている。」
「口ではそう言ってても焦りが出ています。こういう時ほど慎重にいきましょう。」
「了解だ。サイ。でも、なんとしてもここでアルファを倒す。」
アサルトライフルの撃がまた僕らを襲う。
またドッグファイトにもつれ込む。
先ほど振り向いたのもあり、今度は僕が追われる。
撃。
回避。
そしてまた撃。
それをまた回避。
一向に僕が優位を取れない。この速度を持ってしても。
そんな時だった。サイから聲がかかる。
「戦データリンク、アクティブ。ブレイブ隊が到著しました。」
「坊主!無事か!」
「派手にやってんじゃねぇか!混ぜろよ!」
「ケイくん!僕も援護します!」
3人から通信がる。
「形勢逆転ですね。」
サイがそういう。
「ああ、4人なら、行ける!」
相手はまず、僕以外の機を潰しにかかる。
真っ先に狙われたのはグリム機だった。
高速で飛び込んで當たりを仕掛けられる。
グリム機はアサルトライフルを構えていた。
撃。
命中。
しかし相手の機はびくともせず、そのまま當たりをかまされる。
グリム機は跳ね飛ばされる。
そこに追撃しようとアサルトライフルを構えたところを、エドワードがとる。
「させるかよ!」
エドワード機が放ったアサルトライフルの弾は敵機のアサルトライフルに命中。
アサルトライフルは発砲できなくなり、グリムは勢を立て直す。
そのままアサルトライフルをフルオートで撃ち込むエドワード機に対して、敵機はヒート・ブレードで応戦。
高速でエドワード機に突っ込み、右腕を溶斷する。
「かかったな!俺は囮なんだよ!」
そう言ったエドワード機の背後からマキシ機がアサルトライフルを撃ち込む。
それでもまだ敵機は怯まない。
そのままエドワード機にヒート・ブレードを突き立てようとする。
「そうはさせない!」
今度は僕が敵機に向かって高速で飛び込み、シールドで當たりを喰らわす。
そのままドッグファイトに持ち込む。
「おい!坊主!無茶するなよ!」
マキシから聲がかかる。
「多分無茶しなきゃ勝てない。」
「サイ。いい事を思いついた。」
思考を読み取ったサイは。
「うまく行くかどうかわかりませんが、いい作戦だと思います。やってみましょう。」
「ワタシはパイロットに賭けます。」
僕は高速で敵機を追う。
敵機ははどうやらサブマシンガンを抜いて、応戦しようとしているらしい。
「サイ!行くぞ!リンクシステム最大!」
「リンクシステム最大化承認。かかる負荷に備えて下さい。」
これで機を手足をかすように扱える。
しかしこの狀態、持って30秒が限界だろう。
「サイ!腳の追加武裝をパージしてくれ!」
「パイロット。了解しました。」
腳のブースターが外れる。
機に急ブレーキがかかったように遅くなる。
敵機はエーテライトエンジンを持った熱源を探知し、それを僕の機と間違えてサブマシンガンで撃する。
敵機の足が止まる。
背後で発が起こる。
「喰らえ!」
ロックオン完了していた僕は、ミサイルポッドから合計10発のミサイルを敵機に向けて放つ。
全弾命中。
シールドとアサルトライフルをパージ。
敵機の裝甲がボロボロになったところに
"頑丈"と聞いていた、タイプ・ムーンの腕でコクピット付近に拳を突き立てる。
敵機の深くまで拳はり込んだ。
接回線でアルファから通信がる。
「なんで……。君が……。」
「僕を超える事なんて……。」
「せめて道連れに……!」
リンクシステムは最大だ。
僕は拳を抜き取り、敵機に蹴りをれる。
し離れた場所でエーテライト・オーバーロードが起こる。
「パイロットリンク、正常値に戻します。」
サイがそう告げる。
「し無茶をしたな。」
「パイロット、本當にしですか?」
「ああ……。し……な……。」
パイロットリンクのフィードバックが僕を襲う。
でも、まだ、戦爭は終結していない。
そう。
この戦場に來ているはずの、ヴィンセント皇帝を倒すまでは。
40話へ続く。
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