《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》この中に一人、クソザコがいる!

「たくさんの人を見て、驚いた?」

「かなりね」

「どう思ったの?」

「人間っていっぱいいるんだって思ったよ」

この中から何人かいなくなったとしても、誰も気づかないだろうな……とも。

考えてみれば、今この料理屋にだって何人もの人間がいる。

そして、その全員がいずれ死ぬ。

そこにあるのは、遅いか早いかの違いだけだ。

もしくは、自分自がその死をれられるか否か……。

幸福なまま死ぬか、不幸だと嘆きながら死ぬか。

死は平等。

いや、不平等だ(・・・・)。

だって僕は人の何倍、何十倍、何百倍、何京倍も死んでるから。

あ、噓。何京倍は言い過ぎ。

せいぜい百數倍くらいだろう。

それに、平等とか不平等とか言い出したらキリがない。

僕より偉そうだから、僕より幸福だから、僕がムカついたから、

殺す。

理由はどうだっていい。あってもいいけれど、単純な方がいい。

余計な考えは僕をわせる。

ナイフの一振りを遅らせる。

僕は、皿の上の焼いたを、ナイフでもう一切れ切り取った。

「ミア、食べたい?」

「いいえ。もうお腹いっぱいだわ。でも、えーくんがどうしてもって言うなら、食べてあげないでもないけれど?」

「じゃあ、どうしても食べて」

「分かったわ」

ミアが僕の皿へフォークをばす。

僕はそのフォークを、僕のフォークで止めた。

不満げな顔をするミア。

「なんで止めるのよ」

「僕が食べさせてあげる」

「えっ」

「口を開けて」

フォークでの一切れを突き刺し、僕はミアの口へ持って行った。

僕の上半が、自然とミアの方に流れる。

「ミア(・・)、よく聞いて(・・・・・)」

「!」

「僕らを狙ってるやつがいる」

僕はミアの耳元に囁きながら、フォークを彼の口に突っ込む。

ミアがむせた。

「あ、ごめん」

「丁寧にやってよ、バカ!」

「次は気を付けるよ」

「次があると思ってるの? 私、帰るわ(・・・・・)」

そう言い殘して、ミアは店を出て行ってしまった。

というか、出て行かせた。

テーブルの上には食事代が置かれている。多分、ミアが置いていってくれたんだろう。

よかった、危うく食い逃げ犯になっちゃうところだった。

※※※

「で、僕を追って來てるのは何人?」

『一人だわ。どうして狙われていると分かったの?』

「僕、生まれつきが弱くてね。他人の視線にも敏なんだ」

『ふうん、そう』

「冷たいね」

魔導學校を卒業しているだけあって、ミアもそれなりの魔法の使い手だ。

特に、地形の把握や人の探知、信なんかをするサポート型の魔法が得意らしい。

『敵が近づいて來てるわ。私たちのこと、どのくらいづかれてるのかしら』

なくとも、僕らが食事してるところをわざわざ見にくるくらいは、僕らに興味があるんじゃないかな」

『來たわ、えーくん。くれぐれも荒れには気を付けてね』

「帰ったら、きちんと保しておくことにするよ」

ミアからの信魔法が途切れ、僕は後ろを振り向いた。

そこには、長髪で無ひげを生やした、黒いローブを羽織った長の男が立っていた。

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