《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》即死使いの譫言詠唱《ワールドエンド》 その④

「これは君たちに差し上げるでおじゃるよ」

グルツは紙幣の山を、そのままミアに渡す。

さすがのミアもし驚いたような顔をしていた。

「へー、凄い。こんな特技があるなら、おじさん、どうして道端で倒れてたのさ?」

「君はハルフォードの名を聞いたことがないでおじゃるか?」

ハルフォード?

「ううん、全然、まったく。今初めて聞いたよ」

「そ、そうでおじゃるか」

しょんぼりするグルツ。

「ミアは? 聞いたことある?」

振り返ると、ミアは山のような紙幣を、幾帳面に一枚ずつ財布の中へれているところだった。

「確か、新興貴族の名前だったような気がするわ。まあ、貴族ならこんなところで行き倒れていないでしょうけれど」

「いやいやお嬢さん。わしこそがハルフォード家の當主なのでおじゃるよ!」

「あなたが?」

怪訝そうな顔をするミア。

確かに、グルツの著ている服はボロボロで、お世辭にも貴族には見えなかった。

「訊くのは二回目な気がするけど、どうしておじさん、こんなところに倒れてたわけ?」

「実はこの魔導王國グラヌスに捕まっていたのでおじゃる。そして、命からがら逃げだしてきたところなのでおじゃるよ」

「捕まってただって?」

「そうなのでおじゃる。わしは気持ちよくお金を増やしていただけなのに、スキルの濫用? 通貨のバランス? 向こうは良く分からないことを言っていたでおじゃるなあ。それで捕まったのでおじゃる」

「ミア先生、解説を」

「つまり、お金を勝手に増やすのはよくないということだわ」

「なるほど、分かりやすい説明ありがとう」

「ねえグルツさん、あなたの言うことが本當なら、あなたは今國に追われているということよね?」

「そうでおじゃるな。だから、君たちもすぐわしから離れたほうが良いでおじゃる。食べの禮は忘れないでおじゃるよ」

「分かったわ。でも、最後に私の質問に答えて。あなたを捕まえた國の機関の名前、分かるかしら?」

「國の機関? なんといったでおじゃるかのう……確か、ふぁーば……じゃったかのう」

「ファーバ?」

「確かそんな名前だったはずでおじゃる」

「……えーくん、この人を私の部屋に連れて帰るわ」

「なんだって?」

この薄汚いおじさんを僕とミアのの巣に?

やっぱりミアは僕みたいなのより、おじさんの方が好きなんだろうか。

そういう的嗜好なのだろうか。

「どうしてさ、ミア?」

「もしこの人が捕まっていたのが【異能者処理統括機関(ファーバ)】なら、その機関こそ私たちが倒すべき敵だからよ」

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