《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》あぶな荘のデッドな即死 その②

「君が僕にお客かどうかなんて聞くから、勘違いしちゃったんだよ。責任は君にあるだろ?」

「常識で考えろよ。勘違いするバカがどこにいるっつーんだ」

「ここに」

僕が答えると、男は鼻で笑った。

鼻で笑われた……。

「やっぱりよ、魔導學院の落ちこぼれってやつはここも足りてねえんだな」

男が、自分の頭を人差し指でつつく。

「君にユーモアのセンスが欠落してるとは考えないわけ?」

「お前にあって俺にないものなんて、それこそ存在しないぜ。そこを勘違いしないことだな、落ちこぼれ」

「そう學歴に拘らないでしいな。悲しくなるよ」

「そんなのはいいわけだぜ。一度落ちこぼれたやつは一生落ち続けるのがこの世の常ってやつだ、今のお前みたいな。なあ、落ちこぼれ」

「……ねえ君、もしかして前に會ったことある?」

「おいおい、落ちこぼれすぎて脳細胞までどっかに落としてきちまったか? 俺だよ。魔導學園のぶっちぎりエリート、切れ者で知られたこの俺様だ!」

……あっ。

こいつあれだ、覚えたてのスキルで僕の部屋を切り刻んだ奴だ。

つまり知り合いだ。

道理で馴れ馴れしいと思った。

「ああ、思い出したよ。じゃあ、もしかしてここはし早めの同窓會場かな?」

「そんな冗談言ってる余裕あるのか、落ちこぼれ。お前は俺たち【異能力者処理統括機関(ファーバ)】に殺されるためにここへやって來たようなもんなんだぜ」

「それじゃ、君、もしかして卒業後はここに?」

「そうよ。俺様くらいのエリートになりゃ、國の諜報機関からお呼びがかかるのさ。てめーにゃ想像もつかねえだろうがな!」

こいつ、あの白髪ホモの下で働いてるのか……。

心中お察しする。

「つまり、要するに、君の話と僕の考えをまとめると、君を倒さなきゃ僕は先に進めないってこと?」

「先に進む? バカ言ってんじゃねえ、お前はここで終わりだぜ。このぶっちぎりエリートの俺様、コードネーム【の赤(ロット)】様の前に敗れてな!」

「君の名前を覚えられるほど僕は賢くないけど、一つだけ訂正させてもらう。僕が悲しくなるのは、學歴に拘ったまま死んでいく君の気持を想像しちゃうからだ」

僕はロットの方へ(あ、名前覚えてる)一歩踏み出した。

「悪いけど、すぐに決著をつけさせてもらうよ。【死線(デッドライン)】」

僕の背後から現れた黒い鎌が、ロットめがけて振り下ろされる。

しかし、ロットはそれを見ても微だにしない。

「これだから落ちこぼれは落ちこぼれなんだよ!」

次の瞬間、僕の鎌は細切れになって、四散していた。

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