《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》あぶな荘のデッドな即死 その④

それにしてもちょっとヤバいな。

ズタズタに切り裂かれて死ぬなんて、何度も味わいたいような経験じゃない。死ぬときはできるだけ楽に即死させてくれるのがいい。

だけど、恐らく僕からのどんな攻撃も斬られて終わりになってしまうだろう。

とりあえずチャンスを待つしかないか。

「おいおい落ちこぼれ! 何もしてこねえならこっちからいくぜ!」

「どうぞ、ご自由に」

「だったらおみ通り!」

ロットはカウンター席を飛び越え、僕の方へ近づいて來る。

同時に風を切るような音がして、僕は橫へ跳んだ。

瞬間、酒場のボロボロの壁に大が開けられた。

ものすごい力で引きちぎられたようなだ。

「こんなに壊しちゃって大丈夫? ここ、君たちの隠れ家じゃなかったの?」

「こんな場所の一つや二つ替えはいくらでも効く。てめーみてえな無能と同じようにな」

「どうしても僕を見下さないと気が済まないらしいね。いったいどこでどういう教育をけたんだ」

「王國最高峰の魔導學院で最上級のエリート教育をだよ!」

「!」

ロットの見えない刃が、僕のを貫いた。

焼けるような痛みが全に広がる。

踏ん張ろうにも、足がちぎれかけている(・・・・・・・・)。無理だ。

「っ……!」

ぐちゃっ、と、僕は僕のだまりに沈んだ。

そして時は巻き戻る。

ロットがカウンターを飛び越えた瞬間へ。

さっきも聞いた風切り音に、僕はもう一度橫へ跳んだ。

そしてまた、さっきと同じように酒場の壁が破壊される。

敵の攻撃は、敵の意思と連して発されるタイプだろう。

刃が僕の方へ飛んでくるのに、タイムラグはほとんどない。あっても一瞬だ。

來ると分かっていれば躱せるけど、しかし、それが分かれば苦労しない。

せめて目に見える攻撃ならやりようがあるんだけど。

目に見える……?

ああ、なるほど。やってみる価値はあるかもしれない。

僕は酒場のカウンターめがけて走り出した。

「なんだ、やけになったか、落ちこぼれ!」

ロットの刃は直進的にしかけないらしい。

だから、相手の攻撃するタイミングと僕がくタイミングをずらしてやれば、なくとも攻撃が直撃せずに済む。

そのまま、僕はカウンターの裏側に飛び込んだ。

そしてその棚には、小麥の大袋があった。

「逃げ回ってんじゃねえ! さっさと死ね!」

敵の攻撃が來るだろう位置に、僕は両腕で袋を放り投げた。

ロットの刃が袋を引き裂き、酒場中に白いが舞い上がった。

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