《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》あぶな荘のデッドな即死 その⑥

よし、何とか時間は稼げそうだ。

だけど、肝心の打開策は見當たらない。

【追尾(ストーカー)】は致命傷になりえないし、やっぱり接近して攻撃するしかなさそうだ。

問題はどうやって接近するかだけど、そのためにはあの全方位攻撃をどうにかしなきゃならない。

躱すのは無理だ。なんとか打ち砕く方法を見つけなきゃいけない。

正面から打ち砕く方法を。

さすがにあれだけの大技、連がきくとは思えない。

迫り來る刃を、僕はしゃがんで躱した。

原理の良く分からないこの刃に、僕がプライドを捨てて使った【死線(デッドライン)】は二度壊されている。

今のところ躱すしか方法がない。

くっそー、どうすりゃいいんだ。何か強力なスキルが僕にあれば。

強力なスキルが。

……あ。

あるじゃん。

「見えてきたぜ、落ちこぼれ。そこだな!」

気づけば、小麥の霧はいつの間にか晴れかけていた。

だけど、まだロットの攻撃は見える。

「……【切斷《キル・ユー》】!」

僕は、僕に迫る刃に向かって、同じように刃を放った(・・・・・)。

刃と刃はぶつかり合い、そして、同時に上下へと弾け飛んだ。

「なっ……なんでお前が俺のスキルを使えるんだよ!」

「やっぱ、あれかな。人徳?」

「ふざっっけんじゃねえ!」

ロットは一度に3つの刃を、僕めがけて放った。

僕も同じように、それを3つの刃で弾く。

「落ちこぼれの僕に、同じ技を使われる気持ちはどう?」

「最っっ悪だな!」

「そりゃ栄だ」

僕はロットの周囲を、円を描くように走った。

放たれる刃を、僕も同じように弾き返す。

弾かれた刃が床や天井を破壊し、破片をまき散らす。

「敵の能力をコピーでもするってのか? 危険だな。それに、俺のきを分かってる(・・・・・)みてえな言も気に食わねえ。てめーはここで始末する!」

「やってみなよ」

「てめーみてえな落ちこぼれに言われなくても、超絶エリートで切れ者の俺はもうやってる(・・・・・・)んだよ!」

「!?」

突然、僕の鼻先が斬れ、そして僕の足元にあの刃が突き刺さった。

真上からの攻撃!?

顔を上げると、そこには、僕を見下ろすように滯空する數枚の空気の刃があった。

気づけば僕の周囲を取り囲むように、ロットの刃が浮かんでいる。

これが全部僕に降って來たら、さすがに捌ききれない。

「前に飛ばすことしかできねえとでも思ったのか? 便利な能力も、扱いきれなきゃただのゴミクズさ。ま、お前にはそのゴミクズさえも與えられなかったわけだけどな」

「いつの間に仕掛けてたの? みみっちいことするね」

「懺悔は済んだか?」

「済んでないって言えば、待ってくれるの?」

「んなわけねーだろ」

「ですよね」

「【切斷《キル・ユー》】!」

ロットが親指を下に向けた瞬間、僕の周囲に浮かぶ刃が一斉に僕へ襲い掛かって來た。

これは予想外だ。迎え撃つには一瞬足りない。

だけど、やるしかない。

「【死線《デッドライン》】!」

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