《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》シンダラリセット その②

そして、生き返る。

気づけば僕はドアノブに手をかけようとしていた。

「っ!」

咄嗟にドアノブからを引く。

このドアを開けない方がいい。また心臓にが開く。

……いや、そんな悠長なことをやっている場合じゃない。

敵の正を見極めるためにも、ここは、開けたほうが良い(・・・・・・・・)。

僕は再びドアノブを回した。

「!」

その瞬間、再び僕のの中心に、丸く切り取られたようなが開いた。

だけど、まだ死ぬわけにはいかない。

見れば、僕の目の前のドアにも同じようなが開いている。

要するに、攻撃はドアの向こうから行われたということだ。

なら、このドアの向こうに、僕を攻撃した敵がいる。

死ぬ前にせめてそいつの顔だけでも見ておかなきゃ、割に合わない。

に空いたから空気とれ、視界も徐々に暗くなっていく。

を引きずるようにして、僕は、ドアを開けた。

その先にあったのは細長い、そして曲がりくねった通路だった。

廃墟みたいな酒場とは違い、きれいに舗裝された通路が奧まで続いている。

だけど、その通路には誰も(・・)いなかった。

僕を攻撃したはずの人間は、誰も(・・)。

「……遠距離攻撃?」

そんな言葉が僕の頭に浮かんだのを最後に、僕の意識は途切れた。

それから再び、僕がドアノブに手をかけた瞬間に巻き戻る。

この向こうに敵がいるはずだ。

だけど、その姿は見當たらない。

……し考えを整理しよう。

「ミア、聞きたいことがあるんだ。話せる?」

『……ええ、大丈夫よ』

そう答えるミアの聲は、明らかに力がなかった。

焦る。

「あのさ、この先の廊下に誰か(・・)いる? 探知魔法で探れないかな」

『この先に廊下があるって、よく分かったわね? もしかしてもう何度か死んでるの?』

「そこはミアの気にすることじゃないだろ。僕の命なんて安いものさ。大量消費社會のあおりをけた、製濫造品だからね。返品もけ付けない」

『えーくんって、案外分かりやすいのね。隠し事を隠せないタイプだわ』

「あのさ、ミア。僕は本當に焦ってるんだよ。話をはぐらかさないでくれる?」

『…………』

「なんで黙るんだよ」

『いいえ、何でもないわ。廊下の先に誰かいるかという質問なら、答えは簡単よ。誰もいないわ(・・・・・・)』

噓だ。

噓だろ。

それじゃあ、僕は誰に殺されたって言うんだ?

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