《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ハイツクバルD×D その①

、どういう敵だったんだ?

多分僕は相手を殺しただろう。

だけど、相手の姿は見えないままだし、聲さえ聞けなかった。

……いや、そこまで向こうに興味があるわけじゃないけど。

「ミア、まだ生きてる?」

『……私が死んでたらどうするつもり?』

「とりあえず、こんな危ない場所から君の部屋に戻って、そうだな、お晝ご飯を食べるのを忘れてた。まず君の死を眺めながらゆっくりランチを食べて、それからグルツさんが置いていってくれたお金をもって遠くへ逃げるよ。間違っても僕が殺人者だと疑われないようにね。あ、いや、訂正。僕は確かに殺人者だけど、なくともミアを殺した犯人だって疑われないようにね」

『私のことは放っておくわけ? ウジ蟲だらけの死になるなんて、私、嫌だわ』

「そうなりたくなけりゃ、僕が解毒剤を持ってくるまで生きててくれ。絶対だよ」

『分かったわ。それで、そんな妙な冗談を言うためだけにわざわざ私を呼んだわけ?』

「違う違う。敵を倒したんだけど、姿を消したり音を消したりする魔法っていうの、存在する?」

『するかもしれないけれど、その方法だと魔の気配が殘るわ。私の探知魔法に引っかからない理由にはならない』

「なるほど。変だね」

何より、殺したことに確信が持てないのは怖い。

死んだ人間は僕を殺せないけれど、生きてる人間なら話は別だ。

とどめはきちんと刺しておきたいけど……。

なんて、僕が辺りを見回したとき。

背後で足音がして、僕は反的に後ろを振り返った。

「よくきたね、えーくん。君のことを待っていたよ、狂おしいほどにね」

そこに立っていたのは、あの白髪ホモ野郎だった。

「わざわざ迎えに來てくれたの? それなら、り口のところで待っていてくれればよかったのに。おかげで変な人たちに絡まれちゃって、大変だったんだよ」

「でも君は、それらをすべて退けてここへやって來た。大したものだよ」

「僕を褒める言葉より、ミアの解毒剤をくれないかな? 時間が無いんだ」

「そう焦らないでくれよ。あの毒は、全に回るまで丸一日はかかる。言い換えれば、一日くらいは持つってことさ。仲間の弔いくらいさせてくれ」

そういうと、白髪ホモはだまりの前にしゃがみこんだ。

そして、右手を翳す。

「彼の名は【鉛弾の銀(ジルバ)】。誰よりも任務に忠実な男だったよ。だから、そんな彼のために、僕は彼の姿と音を消してあ(・・・・・・・・・・)げたんだ(・・・・)。その方が彼の特を活かせると思ってね」

再び白髪ホモが僕の方に顔を向けた時、だまりは跡形もなく消え去っていた。

「さあ、えーくん。ボクについて來てくれ。話をしようじゃないか」

……まさか、こいつ、消した(・・・)のか?

ここにあったはずの死、もとい、ここにいたはずの人間を。

さすがの僕も、し背筋が寒くなった。

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