《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ハイツクバルD×D その④

「……僕のことは、もう知ってるんだろ?」

「もちろん。君に関するデータはすべてね。こうして再び會うことができて嬉しいよ」

「僕はそんなに嬉しくないけど」

「そうつれないことを言うなよ。ボクらはきっと同類のはずなんだ」

「同類?」

「そうさ。君は、死ぬことが怖いかい?」

「……痛いのは嫌いだ。痛めつけられながら死ぬのは、僕は遠慮したいね。そういう意味じゃ、僕は死ぬのが怖い」

「それは死に至るまでの過程が怖いって話だろ? だけど、死ぬこと自を恐れているわけじゃない。違うかい?」

「あんたは、死ぬのが怖くないの?」

「シロって呼んでくれ、えーくん」

「…………」

白髪ホモ、もといシロは穏やかな笑顔を浮かべたまま、僕の顔を見つめている。

僕はため息をついて、

「あんたはどうなんだ、シロ。死ぬことをどう思ってるの?」

「ボクにとって死ぬことは、無に還ることだ。そしてボクの能力は、すべてを無にする能力だ。老若男、生命非生命問わず、すべてを公平(・・)に消し去る能力。それがボクの【抹消(ホワイト・アウト)】さ」

「僕の質問に答えてくれてないみたいだけど」

「要するに、えーくん。ボクにとって、この世のありとあらゆるものは簡単に消えてなくなってしまうものなんだ。それってさ、世の中の全部が永遠に殘る必要の無い、無意味で無価値なものだっていう証明じゃないかな? だから、死ぬのは怖くない。死ぬことは、無意味で無価値なものが『無』に還るだけのことなんだから」

「大変哲學的かつ観念的かつ興味深く知的好奇心そそられるお話だね。でもさ、シロ。僕は君に解毒剤を貰いに來ただけで、別にそんな話を聞きに來たわけじゃない」

「じゃあ、もしボクが君に解毒剤を渡さないと言ったら?」

「死んででも奪い取るよ」

「やってごらん」

「お言葉に甘えて」

僕は座ったまま、【死線(デッドライン)】を発した。

いや、しようとした(・・・・・・)。

だけど、できなかった。

スキルが発しなかったからだ。

「……分かってもらえたかい?」

「何が?」

「この部屋じゃ、どんなスキルや魔法も発することはできない。ボクの【抹消《ホワイト・アウト》】がその発を取り消す(・・・・)からね。そういうトラップのようなものだと考えてくれればいい。スキルに対する條件付けの応用だよ」

「……それ、ちょっとセコいんじゃない?」

「いや、公平だね。このトラップは、ボクに対しても作用する。いうなれば、ボクと君はお互いに実力(・・)で勝負しなきゃいけないってことさ。この部屋は、そのための特設ステージといったところかな」

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