《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》能蕓無・ノーライフ その②

とりあえず僕は、シロから離れるべく一歩分飛びのいた。

だけど、シロはそれを予知していたみたいに僕に詰め寄って、ナイフが刺さったままの僕の右腕を蹴った。

ナイフがさらに深く突き刺さり、が飛び散る。

「っ……!」

「ボクから逃げられはしないよ」

「粘著系男子……!」

シロの蹴りが僕の顎にクリーンヒットする。

脳が揺さぶられるような覚に、一瞬前後左右が分からなくなる。

その間に、シロの蹴りが、今度は僕の腹部を直撃した。

が跳ね飛ばされ、そして白い壁に叩きつけられる。

こいつ、ただのホモじゃない。

近距離パワー型ホモだ。

まだ脳みそはふらふらしている。

久しぶりにが痛んでいる。

僕、まだ、生きてる。

どうやら本當に、この空間の中ではスキルが発できないらしい。

「どうしたの、えーくん。ボクの部下を皆殺しにした君の実力はそんなものかい?」

「もし期待外れだっていうのなら、本當は僕の実力が上だったんじゃなくて、単純にあんたの部下が弱すぎたんじゃないのか?」

「言うじゃないか、えーくん。その安っぽい挑発は、君のが回復するまでの時間稼ぎかい?」

うわ、バレてる。

でも、もう脳の揺れは収まった。

僕は立ち上がり、シロに向き直った。

右腕からナイフを引き抜く。

痺れるような覚が腕全に広がる。

まったく、嫌なじだ。

ルール違反の代償ってわけだろうか。

「厄介だな、あんた」

「君にそう思って貰えるのは栄だよ。今世紀最大級の、國家反逆者に」

「僕にそんなカッコいい通り名があったの?」

「この王國を統べる元老院にすら、君の名前は知られている。そうじゃなきゃ僕らはかない。異能者殺しの特殊機関だからね」

「その特殊機関も、いまやあんたを殘すだけだよ」

「だからさ。だから君は今世紀最大級なんだ」

「ふうん」

「さて、そろそろ続きを始めてもいいかい?」

「待っててくれたの?」

「それが公平ってやつさ」

「嬲ってるの間違いじゃないの?」

「それは価値観次第だ」

シロがく。

目にも止まらない速さで僕の目の前に迫る。

そしてその右腕が僕の顔面に――當たるよりも、僕の拳がシロの顎を撃つ方が速かった。

「うっ……」

シロがよろめいたところに、回し蹴りをれる。

直撃。

「実際のところ、僕、護は得意なんだ。隠してたわけじゃないけど」

「それでこそだ、えーくん」

の端からを流し、笑みを浮かべるシロ。

そこに、僕の右拳がめり込んだ。

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