《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》能蕓無・ノーライフ その④

シロは僕を弄ぶように、ゆっくりと近づいて來る。

「なめるな!」

こうなればヤケだ。

毆って勝てればそれでいい。

ステータスは、上がってるはずなんだ。

僕は跳ね起き、シロに毆り掛かった。

當然シロはそれを見切って、足を使って反撃してくる。

躱す――が、その足先が僕の右肩を掠め、襟元が裂けた。

なんて蹴りだ! こいつ、人間じゃない!

でも、今止まれば、間違いなく殺されるだろう。

僕がシロの顎に拳を叩きつけた瞬間、シロも僕の側頭部を蹴り上げる。

「!」

一瞬、僕のガードが甘くなる。

そんな隙を、シロが見逃すわけもない。

相手は僕のに重たい蹴りを、立て続けに何度も食らわせてくる。そのたびに臓がどうにかなりそうになる。

腎臓とか、破裂しちゃうんじゃないのか?

「どうしたんだい、えーくん。手加減してるの?」

「君こそ、喋ってていいの? 舌噛むよ?」

僕は手をばし、シロの顔を摑んだ。

そしてそのまま押し倒し、床に叩きつける。

「ぐっ……」

シロがく。

そんなシロに馬乗りになって、僕は彼の顔面を滅茶苦茶に毆った。

だけど、僕のはすぐにシロに跳ね退けられ、ふらついたところを思い切り蹴られてしまった。

足元が揺らぎ、壁際に倒れこむ。

ドアの近くの壁だ。

「これも護かい、えーくん?」

口元のをぬぐいながら、僕を見下ろすシロ。

「僕オリジナルのね。今度教本でも書いて出版しようかな」

「ぜひそうすべきだ。一番に買いに行くよ」

「それは栄だ」

やばい、呼吸ができない。

臓の機能が下がってる。自分のがどこか遠くにあるような覚だ。

このまま弾戦を続けていたら、多分負ける。

どこでどういう訓練をしたのかしらないけど、シロは本當に強い。

こいつを倒す方法が、何かないのか?

部屋の中には、武になりそうなものはない。

ナイフもよほど不意を突かなければダメージを與えられないだろう。

この部屋から出ればどうにかなるかもしれないけど、恐らくそうした瞬間、僕はシロの能力で消されて(・・・・)しまうだろう。

だから。

だからこそ。

僕があいつを倒せるとすれば、一瞬のスキを狙って、完全に殺し切らなければならない。

持てる力のすべてを使って。

「えーくん、どうしたの? お疲れかな?」

「まさか。あんたこそ、ひどい顔してるよ。洗ってきたほうが良いんじゃない?」

「君がボクを殺し損ねるようなことがあれば、そうさせてもらうよ」

まだだ(・・・)。

もうし時間が稼げれば、打つ手はある。

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