《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ザコの旅 ~a deadful world~ その①

馬車が揺れている。

あれから僕らは一晩の間を隠し、そして朝一番の馬車で王都を出た。

あの拘束以降目立った追っ手は現れなかったけれど、いつもに増して空気がピリピリしていた夜だったように思う。個人的には。

「……それで、えーくん。私たちは今どこに向かっているの?」

外の景と僕の顔を見比べながら、ミアが言う。

「知りたい?」

「ええ。教えてしいわ」

「いいよ。パンツ見せてくれたらね」

「……見たいの?」

「いや、そんなに」

「じゃあ、どうしてそんなことを言ったの?」

「ちょっとしたジョークだよ。ミアをリラックスさせてあげようと思ったんだ」

「そう。お気遣いありがとう。ちなみに今日私が履いているパンツ、はピンクでふちの所にレースがってるのよ」

「あのさミア」

「なあに、えーくん」

僕は周りを見た。

向かいの席に座る客が怪訝そうな顔で僕らを見ている。

「他のお客さんの迷になるとか、考えないわけ?」

「えーくんをリラックスさせてあげようと思って」

「……………」

「……………」

「……えーと、目的地だけど」

「ちょっと待って、えーくん」

「なんだよ。知りたいのか知りたくないのかはっきりしろよ」

僕が言うと、ミアは僕の耳元に顔を寄せてきて、

「私たち、追われるなんでしょう? 行き先を他の人に聞かれるとマズいんじゃない?」

と、いきなりマトモなことを言ってきた。

「確かに」

「だから、教えてくれるのは馬車を降りてからでいいわ」

「あ、そう」

じゃあなんで聞いたんだよ……。

そう言い返そうと思ったときには、ミアは僕の肩にを預けて、靜かな寢息を立てていた。

……まあ、昨日は寢てる余裕もなかったし、眠くなるのも仕方ないか。

しばらくの間寢かせておいてあげよう。

あれ?

待てよ?

僕だって昨日寢てないぞ。

それに、あの白髪ホモの一派と戦って疲れてる。

どう考えても眠るべきなのは僕の方だ。

不公平だ……。

※※※

そして馬車は、ある町へ到著した。

まだ早朝で人のない馬車乗り場を出て、僕らは閑散とした田舎道を歩いた。

ちょうど朝日が昇ったころで、明るい日差しが差し込んでいる。

僕の気持ちは真っ暗だけど。

「ねえ、えーくん。そろそろどこに向かっているか教えてしいわ」

「そう? でもまあ、あんまり楽しいところじゃないよ」

「それは殘念だわ。で、どこに行くの?」

「気は進まないんだけど、単刀直に言わせてもらうね」

「ええ」

「……僕の家さ」

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