《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ザコの旅 ~a deadful world~ その③

「えーと……」

「えーくん、凄いところに住んでたのね……」

「あ、いや、そうじゃなくて」

「?」

「さすがの僕も瓦礫の中で生まれ育ったわけじゃない。あそこは家だったはずなんだけど」

妙にの辺りがもやもやする。

なんか、嫌なじだ。

知らず知らずのうちに、僕は僕の家だったに歩み寄っていた。

瓦礫の破片から察するに、自然に壊れたってわけじゃなさそうだ。

と言うよりむしろ、誰かの手によって壊されたような……。

しかも、破壊されてからそう時間は経っていないようだ。

おそらくは昨日の夜のに……。

そこまで考えて、僕はあること(・・・・)に思い當たった。

最悪最低の、そのこと(・・・・)に。

そしてそれを裏付けるように、僕の目に飛び込んできたものがあった。

瓦礫と地面の隙間から見える、赤く、白い

人の手だ、と僕が気付けたのは、死に見慣れてしまったからだろうか。

それとも……それとも、その手の形が、僕のものによく似てい(・・・・・・・・・・)たから(・・・)だろうか。

「えーくん」

ミアが心配そうに言う。

「大丈夫だから。ミアはちょっとそこで待ってて」

そう返したとき、僕は僕の聲が震えているの気づいた。

……どうしてだ?

瓦礫の中に足を踏みれ、その手にれる。

それは手首から先がなく、引っ張ると簡単に持ち上げられた。

骨のようなものが、赤黒いの中から見え隠れしている。

心臓が変に高鳴る。

僕の頭の奧の方で、やめろと言っている聲がある。

だけど、僕はやめられなかった。

「【切斷(キル・ユー)】……」

手首が埋まっていた瓦礫を、刃で切り裂き取り除く。

予想的中。

瓦礫の下にあったのは……二組の死だった。

かろうじて原型をとどめているだけで、かなり損傷している。

恐らくは即死だっただろう。

「【切斷(キル・ユー)】、【貫通(メーク・ホール)】」

見えない刃と鉛の球で、僕は原型を殘していた死を滅茶苦茶にした。

骨も、も殘らないくらいに。

いつの間にか、僕は肩で息をしていた。

が苦しい。

息がうまく吸えない。

「えーくん」

「何、ミア」

ミアの方を振り返ると、ミアは何も言わずに僕の頬に手を當てた。

「な、何だよ」

「えーくん……涙が出ているわ」

「涙が?」

目元をってみると、確かに何かっぽいものが出ていた。

どうして?

どうして、僕は泣く必要があるんだ?

「こういうことを言う資格は、私にはないかもしれないけれど……魔導學校に來るまでは、ご両親だけがえーくんの世界にいる唯一の他人だったのでしょう? 言い換えれば、世界のすべてだったわけよね? だとしたら、それを失ったことを悲しく思うのは、自然なことだと思うわ」

僕は一瞬、何も言えなかった。

だけど。

「それは違うよ、ミア」

お読み頂きありがとうございます。

「へえ、案外おもろいやん」

「続きを読んでやってもええわ」

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また、次回の更新は11月25日21:00分です。お見逃しなく!

それでは、貴方様の次回のお越しをお待ちしております。

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