《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》おまえを即死にしてやるから、僕を長生きさせてくれ! その①
※※※
「ここだ、と思う」
瓦礫の一部を取り除くと、そこには取っ手付きの蓋があった。
「この下がそう(・・)なの?」
「そう。僕の部屋だ」
僕の部屋は、家の地下にあった。
僕は魔導學校へ行くまでの人生をこの部屋の中で過ごしていた。
過ごしていた……というより、閉じ込められていたと言った方が正確かもしれない。
それが僕の両親の教育方針(・・・・)だったのだから、まあ、仕方ないだろう。
その両親さえ僕の手の屆かないところに行ってしまったし、本當に仕方ない。
仕方ないから、両親を殺した人間を見つけて復讐する。
……あれ? こう言うとなんか、親の敵討ちみたいだな。
そういうつもりは全くないんだけどな。
僕は地面に屈みこみ、取っ手に手をかけた。
蓋を開けると、人一人がれそうなが現れた。の中には梯子があって、それが地下まで続いている。
「さあどうぞ、ミア。汚いところだけど上がって……というか、降りて」
「私が先?」
「だって、そうだろ。ミアが今履いてるのはスカートじゃないか。僕が先に行くと、あんまりよくないと思うよ。理由は敢えて言わないけど」
「えーくん」
「何?」
「それでもいいからえーくんが先に降りて」
「どうして?」
「私たちは國に追われているわけでしょう? 萬が一えーくんの部屋に罠が仕掛けられてたら大変だもの」
「なるほど。確かに僕なら死んでも大丈夫だし、理にかなってる。だけどミア、そんなことしたら僕は君のスカートの中から視線を逸らさないよ?」
「それも大丈夫」
「なんでさ」
「えーくんは梯子を使わず(・・・・・・)に、この中へ飛び降りる(・・・・・)から」
「……あっ、そういうこと」
でも結構高いんだよなあ、この梯子。
まあ、いいか。死んだら死んだときに考えよう。
僕はの中に飛び込んだ。
床は案外すぐ近くにあって、僕は特に怪我することもなく著地に功した。
真っ暗の部屋の中を手探りで壁まで歩き、魔ランタンの電源をれる。
部屋の中が明かりで満たされ、僕の部屋の全貌が明らかになった。
椅子、そして機。それからベッド。部屋の隅に固めておかれた數冊の本は、魔導學校を験するときに使った參考書だ。
うーん、相変わらず殺風景な部屋。
だけどミアの部屋よりは多広いし、どうやら罠も仕掛けられていないようだ。
「ここがえーくんの部屋?」
振り返ると、ちょうどミアが梯子から降りてきたところだった。
「うん、まあ、そんなところ」
返事をして、思い出した。
しまった、ミアのパンツを見逃した。
……いや、もういいや。しばらくパンツのことは忘れよう。ピンクのレース柄だったっけ?
【書籍化/コミカライズ決定】婚約破棄された無表情令嬢が幸せになるまで〜勤務先の天然たらし騎士団長様がとろっとろに甘やかして溺愛してくるのですが!?〜
★書籍化★コミカライズ★決定しました! ありがとうございます! 「セリス、お前との婚約を破棄したい。その冷たい目に耐えられないんだ」 『絶対記憶能力』を持つセリスは昔から表情が乏しいせいで、美しいアイスブルーの瞳は冷たく見られがちだった。 そんな伯爵令嬢セリス・シュトラールは、ある日婚約者のギルバートに婚約の破棄を告げられる。挙句、義妹のアーチェスを新たな婚約者として迎え入れるという。 その結果、體裁が悪いからとセリスは実家の伯爵家を追い出され、第四騎士団──通稱『騎士団の墓場』の寄宿舎で下働きをすることになった。 第四騎士団は他の騎士団で問題を起こしたものの集まりで、その中でも騎士団長ジェド・ジルベスターは『冷酷殘忍』だと有名らしいのだが。 「私は自分の目で見たものしか信じませんわ」 ──セリスは偏見を持たない女性だった。 だというのに、ギルバートの思惑により、セリスは悪い噂を流されてしまう。しかし騎士団長のジェドも『自分の目で見たものしか信じない質』らしく……? そんな二人が惹かれ合うのは必然で、ジェドが天然たらしと世話好きを発動して、セリスを貓可愛がりするのが日常化し──。 「照れてるのか? 可愛い奴」「!?」 「ほら、あーんしてやるから口開けな」「……っ!?」 団員ともすぐに打ち明け、楽しい日々を過ごすセリス。時折記憶力が良過ぎることを指摘されながらも、數少ない特技だとあっけらかんに言うが、それは類稀なる才能だった。 一方で婚約破棄をしたギルバートのアーチェスへの態度は、どんどん冷たくなっていき……? 無表情だが心優しいセリスを、天然たらしの世話好きの騎士団長──ジェドがとろとろと甘やかしていく溺愛の物語である。 ◇◇◇ 短編は日間総合ランキング1位 連載版は日間総合ランキング3位 ありがとうございます! 短編版は六話の途中辺りまでになりますが、それまでも加筆がありますので、良ければ冒頭からお読みください。 ※爵位に関して作品獨自のものがあります。ご都合主義もありますのでゆるい気持ちでご覧ください。 ザマァありますが、基本は甘々だったりほのぼのです。 ★レーベル様や発売日に関しては開示許可がで次第ご報告させていただきます。
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