《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》おまえを即死にしてやるから、僕を長生きさせてくれ! その②

「さて、ミア」

「なあに?」

「ここからは君に任せるよ。ギルドの誰がここへやってきて、しき我が家をめちゃくちゃにして帰ったのかを突き止めてくれ。そしたら僕はそいつを殺しに行くから」

「えーくんはこれからどうするの?」

「ちょっと寢る」

僕はベッドに行って、そのまま橫になった。

ずいぶん長い間放置されていたようで、ベッドの布団は埃を被っていた。

でもまあ、路地裏の片隅よりは清潔だろう。

「ちょっと待ってよ、えーくん。殘念だけど私は名探偵でもなんでもないんだから、殺人犯を見つけろと言われたって何かができるわけでもないわ」

「大丈夫、ミアならできる。僕はミアを信じてる」

「えーくんは信じてもらえたら空が飛べるの?」

「ミアが信じてくれたら、湖の水だって飲み干すよ」

「それ本當?」

「僕がミアに噓ついたことある?」

「その言葉がそもそも噓だわ」

信用されてないな。

そんなに噓をついてきたつもりはないんだけどな。

むしろ僕ほど公明正大、清廉潔白、顔面蒼白な人間もいないと思うけど。

「まあ、つまり、あれだろ? ミアにも不得意なことがあるってことだろ? ダメだよ、苦手は克服するためにあるんだ。そこに置いてある參考書にも書かれてた」

「諦めが肝心、という言葉もあるけど?」

「じゃあ分かった。とりあえず今は僕を寢かせてくれ。起きたら一緒にいいアイデアがないか考えるから。最悪の場合は僕がこの街のギルドを壊滅させればそれで済む話だし」

「……役に立てなくてごめんね、えーくん」

一転、しゅんとした顔でミアが僕を見上げる。

「いや……いいよ。人間みんなできないことのひとつくらいはあるさ。例えば変態暗殺集団と死闘を繰り広げた挙句、一晩にわたって逃走劇を繰り広げたあとも寢ずに活するとかね。というわけで僕はし眠ることにする。ミアは適當にくつろいで」

僕はミアに背を向けて、目を瞑った。

だけど、妙に覚が冴えていて眠れない。

どうしてだろう。

「……えーくん、殘念なお知らせがあるわ」

「何、ミア」

「お客さんが來たみたいなの」

「お客さん?」

「見て、えーくん」

ミアの目の前に、何か図のようなものが出現する。

よく見ればそれは、この辺り一帯の地図だった。

そして地図には赤い點がひとつ表示されていて、その點は徐々に地図の中心――つまり、僕の家へと近づいて來ていた。

「誰だろう?」

「この家へやってくるような人に心當たりあるかしら、えーくん?」

「いや、ないよ。僕の両親に近所づきあいなんて概念は絶えて久しい」

「ということは……」

「まあ、十中八九、敵だろうね」

あ、なるほど。どうりで眠れないわけだ。

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